傑作アルバム『BE』を語る。コモン、スペシャル・インタヴュー!

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COMMON INTERVIEW

──カニエ・ウェストが主催するレーベル、Getting Out Our Dreamsからリリースした理由は?

コモン:彼は心と魂をこのアルバムに投入してくれたんだ。このアルバムは二人で動いて完成したものだし、二人で作り上げたムーブメントなんだ。ビジネスも彼とやりたかったんだよ。彼も俺もこの作品に投資して、経済的にも成功させたかった。俺はずっとヒップホップ・ムーブメントに関わってきたけど、経済面がおろそかになりがちだった。GOOD Music、つまり"Getting Out Our Dreams"(夢を叶える)というレーベル名も強力なステートメントだと思う。俺はクリエイティブで、進歩的で、表現力豊かなムーブメントに関わりながら、同時にビジネスとして金を稼ぎたかったわけだよ」

──二人ともブレイクする前は、シカゴでは知り合いだったんですか?

コモン:当時カニエのことは知ってたよ。あまり一緒にツルんでたわけじゃないけどね。彼はNo ID(コモンの『Resurrection』のプロデューサー)の家の地下室に良く来ていて、その後は俺の家の地下室にも来るようになった。一緒にラップしたりしたよ。彼は若くてハングリーな奴だった。二人ともお互いのことを知ってたけど、『Electric Circus』のツアーの後からすごく仲良くなったんだ。よく電話で話すようになったし、スタジオに行ってよく彼とツルむようになった」

──当時と比べて彼はどう変わりましたか?

コモン:彼は今でも若くて自信に溢れたハングリーな奴だよ。やっと少し落ち着いたけどね(笑)。彼はいつも自信に溢れていて、誠実だった。すごくハングリーだし、才能豊かなんだ。一番大きな変化は、内容が伴っているということだよ。彼のラップには内容があるし、クレヴァーでクリエイティブなんだ。彼は自動車事故を経験して、人生に使命があることに気づいたんだ。それはただフレッシュな音楽を作るということじゃなくて、人の人生に影響を及ぼす音楽を作るということだった。そして彼はそれを実行したんだ。彼は今のヒップホップに変化をもたらして、バランスを作り出したんだ。それと同時に、彼は人々を手助けするようなトピックについてラップしてる。彼のラップの内容が成長したんだ」

──シングルになった「The Corner」が話題になってますが、この曲について教えてください。

コモン:あの曲は、街角を描写した曲なんだ。街角というのは、ゲットーでは教会と同じような場所なんだ。街角というのは、みんなで集まって、自分のありのままの姿で話し合える美しい場所なんだ。ゲットーの子供にとって、街角というのはそういう場所なんだよ。ゲットーの人々の苦しみと進歩についてラップしてる。あの曲のライムを書いてから、カニエと話していて『ラスト・ポエッツを呼んだらいいんじゃないか』という話になったんだ。俺は彼らのことをすごく尊敬してる。ザ・ラスト・ポエッツは、ヒップホップの祖先と言えるよ。彼らはアフリカン・リズムの上でライムしてたからね。だから、彼らもヒップホップをクリエイトしてたんだよ」

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