Miz、国境を超える歌声の持ち主~1stアルバム特集【インタヴュー編】

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――作品全体にロック・テイストが強いですが、Mizさん自身、もともとロックが好きだったんですか?

Miz:そうですね。でも、もっと最初は映画のサントラがすごく好きで、物語ふうなメロディとか大好きだったんですね。スティングとかアラニス・モリセットとか、いろんなアーティストを知ったのもサントラからだったし。そこから、10代の終わり頃だったかな? 東京に出てきた頃に、ハード・ロックを聴きながらも、同時にサラ・ブライトマンとかの、さわやか系の壮大なのも好きで聴くようになって。どれもカッコイイけど、「自分がやりたいのはこの中間ぐらいなのかなぁ」と思ってて。その頃ちょうど、コアーズとかクランベリーズを知って、「こういう音楽が、自分のいちばんやりたいことに近いのかな」って思ったんですね。それからデモテープを作り出して。

――CDラックに、アラニスとかアヴリル・ラヴィーンと一緒に並んでても不思議じゃないアルバムだなと思いました。海外のクリエイターと作ったものだけれど、「洋楽みたいな作品を作るんだ」っていう気負いめいたものもないし、何よりMizさんの歌声とか表現力が、ハードな音にも自然になじんでいて。

Miz:現地でも、すごく楽しく作業させてもらったんですよ。向こうに行く前は、海外のミュージシャンって、「これはこういう曲だから、こういうふうにふうに歌ってくれよ」とか、ゼッタイ言うんだろうなって思ってて笑)。私が「こうやりたい」とか言っても聞いてもらえないんだろうなって思ってたんですけど、全っ然そんなことなくって。「どういうのが心地いい?」とかいろいろ聞いてもくれるし、「Mizの考え方はいいと思うよ」って採用してくれたりもして。

――アルバムでは、バックストリート・ボーイズの曲を手がけたダニエル・ギブソンも曲を提供されていますね。彼とは、年齢も近いとか。

Miz:そうなんですよ。なんか本当、友達感覚でやってるって感じですね。レコーディング中も“fxxki'n great!”とか言って踊ってたし(笑)。だけど、音楽家としてすごくプロフェッショナルで、細かい部分もあって、それは自分にはないところだからすごく尊敬しちゃう。彼に限らずなんですけど、一緒に作業をしていて思ったのは、いいものはいい、楽しいものは楽しい、悲しいところは悲しくっていうように、みんな喜怒哀楽がハッキリしてるんですね。だから、一緒にやってても疲れないし、いい意味でまっすぐな人たちと作業ができてるっていう感動はありましたね。

――英語詞の曲が4曲あって、他の曲も英語と日本語詞がミックスされてますけど、もともと英語は堪能だったんですか?

Miz:全然(笑)。英語詞なのは、純粋にスウェーデンの人たちと一緒にやるって事から始まったから、自然でしたね。ただ、英語はわからなかったとしても、なんとなく聴いて感じてもらえるものはあるんじゃないかなぁと思ってます。今回のアルバムは、去年から作り始めて「これも聴いてほしい」「やっと聴いてもらえる」って曲ばっかりなんですね。自分は自分の経験を当てはめたりしながら歌ってるけど、聴く人には自由に聴いてほしい。歌ったり、踊ったり、泣いたり、ぐるぐる回ったりしながら自由に楽しんでもらえたらなぁと思いますね。

取材・文●梶原有紀子


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