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バンド名通り、ジプシーであるメンバーが集まって結成されたバンド。メンバー全員、スペイン~南仏プロヴァンス地方のアルル郊外、カマルグ湿原の一角にあるキャンピング・サイトで生まれ育つ。メンバーは、フラメンコの巨匠、ホセ・レイエスを父に持つレイエス兄弟と、その従兄弟でありフラメンコ・ギターの名士、マニタ・デ・プラタを叔父に持つバリアルド家の兄弟から成る。

もとはそれぞれ兄弟がジプシーとして――ジプシーは女であれば誰でも踊り、男ならば歌いギターを弾くのは当たり前という生活の中――サンペドロの海岸や広場、レストランの軒先などで演奏し、生計を立てていた。そんな街角のささやかな演奏が人気となっていったのだが、'79年にはレイエス兄弟は“より強いギター”を、そしてバリアルド兄弟は“より強い歌”を必要としていることに気づき、2つのファミリーが結束。'83年以降、Gipsy Kingsを名乗ることとなる。そして'86年には音楽プロデューサー/クロード・マルチネスと出会い、それまでのフラメンコを基調とした音楽に、ロックやポップスなどを取り入れ、広く世界に受け入れられる音楽を作り出すようになる。

'87年に発表した1stアルバム『Gipsy Kings』がフランスで大ヒット。これをきっかけに海外進出を果たすこととなり、同アルバムは世界12ヶ国でトップテン入りし、20以上のゴールド・ディスク、プラチナ・ディスクを獲得した。

フランスを中心に活動していたが、歌詞のほとんどはスペイン語を基調とした、ジプシー独特の言い回しを持つGitaneと呼ばれる言語で表現している。

世界中を虜にしているGipsy Kings。フランス人デザイナー/クリスチャン・ラクロアがコレクションで曲を使ったり、日本でもキリンビール“麒麟 淡麗生”のCMソングとして「ボラーレ」、TVドラマ“鬼平犯科帳”のテーマソングとして「Inspiration」が起用されているなど、ジプシー音楽の第一人者といえるだろう。

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