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ISLET(アイレット)

アイレットは全ての面から説明を避けるようなバンドだ。中毒性のあるポスト・ロック、スティーヴ・ライヒのような破壊的なドラムデュオ、リズミカルに叫ぶノイズ…。こうしたこのバンドの要素は、一般的なレベルからは遠く離れていて屈折している。また、現代の供給過剰に対する完全な反抗からか、バンドは少し後ろに下がって自分たちの周りに盾を作っている。事実、WEB上で彼らに関する情報を見つけ出すのはかなり難しい。しかし、バンドが自分達のことを秘密にしていても、そのサウンドとライヴには強い自己認識が存在する。他のクールなバンドと同様、彼らは自分達からさほど大きくない自己世界を作り上げているのだ。

アイレットはウェールズのカーディフで結成された。メンバーはエマ・ダマン、ジョニー・トーマス、マーク・トーマス、アレックス・ウィリアムズの4人。全員が様々な楽器をプレイし、特に固定されたパートは決まっていない。彼らはマークとジョニーの兄が運営するレーベル、シェイプより2010年7月にファースト・ミニ・アルバム『セレブレイト・ディス・プレイス』を、2010年10月にはセカンド・ミニ・アルバム『ウィミー』を、それぞれヴァイナルとダウンロードでリリースしている。

2011年5月にはこの2枚のミニ・アルバムをカップリングした『セレブレイト・ディス・プレイス・ウィズ・ミー』が日本でリリースされた。バンドは『NME』誌を中心に大きな話題となっており、『ウィミー』は同誌のレヴューで9/10点を獲得。2010年の同誌の年間ベスト・アルバムでは、ミニ・アルバムながらも32位にランクイン。また同ミニ・アルバム収録の「リンガーズ」は同誌の年間ベスト・トラックの63位にランクインし、ヴィデオは同誌の年間ベスト・ヴィデオの10位にもランクインした。

アイレットはライヴも強烈だ。ステージで彼らは楽器をチェンジしながら演奏する。そしてステージのあらゆるところをドラムのように叩く。それは楽器を演奏する個人が集まっているというよりも、メンタルに楽器を演奏する一つの物体のように見える。ライヴに集まるオーディエンスは畏敬の念を持ってバンドを見つめ、ドラムキットをメンバーの三人が取り囲むように叩き、ドラムキットに座る残りの一人は、キーボードをプレイしながらドラムを演奏する。他のバンドのようにマイクの前に立って歌うこともあるが、ロック的な美学とは完全にかけ離れた歌/叫び声/不満の声をあげながらステージ上をさまよい、オーディエンスの中に入っていったり、ドラムキットの後ろにいったり、果てはトイレにまで行ったりする。

2012年の1月にデビュー・アルバム『イルミネイテッド・ピープル』をリリース。