【インタビュー】蒼井翔太、「自分の中にある“好き”を大切にできるステージをお届けしたい」

ミニアルバム『Collage』を提げ、2024年12月28日に開催された<蒼井翔太 LIVE 2024 WONDER lab. Collage>のBlu-rayが6月25日に発売される。
クールな昼公演を「UNDER world」、ポップな夜公演を「DREAM land」と題し、昼夜異なるコンセプトとセットリストで行われた本公演。「観客を驚かせたい」という思いが常にあるという彼がこのライブで表現したかったのは一体どんなものだったのか。昼夜それぞれの公演を振り返りながら語ってもらった。
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◾︎いちばんこだわったのはオープニングナンバー
◾︎1曲目で公演全体の方向性が決まると思った
──まずは、なぜ昼夜全く違うコンセプトのライブにしようと思ったのかをお聞かせください。
蒼井翔太:僕の音楽活動の大きなテーマのひとつが「お客さんを驚かせたい」ということ。ライブは“生き物”なので、たとえ同じセットリストでもまったく同じライブというのはひとつもありません。そのうえで、まったく違うセットリストでのライブを以前からずっとやってみたいと思っていたんです。ミニアルバムのタイトル『Collage』は、色々な素材を掛け合わせて作るという意味。これもひとつとして同じものは生まれないんですよね。だから、もっといろんな表情をみんなに見せたい。楽しんでもらいたいという気持ちから、昼夜で全く違う演出でライブをしようと思ったんです。
──それぞれの公演のコンセプトをあらためて教えていただけますか?
蒼井翔太:まず昼の「UNDER world」は、蒼井翔太の中にあるパワフルな部分やエキサイティングな部分、激しい部分をテーマにしています。楽曲はアッパーでダンサブルな、そして勢いがあるものが中心です。夜の「DREAM land」は一転して、フワフワと柔らかい、ラブリーな蒼井翔太をイメージしました。天使や、みんなのハートを優しく包むプリンスみたいな感じで、キュンとするファンタジーな楽曲を詰め込みました。
──公演の順番はどのように決めたのでしょうか?
蒼井翔太:やっぱり「かっこいい方が夜」っていうイメージがあるんですかね?

──どちらかというとそうかもしれません。だから先に「UNDER world」だったので「そう来たか」と驚かされました。
蒼井翔太:それが好きなんですよね〜(笑)。昼にかっこいいのがきたら「夜はどうなっちゃうの?」って思って興味を抱いてもらえる──そんなサプライズも蒼井翔太らしさなのかな、と。でもあえて逆のイメージにしたというよりは、僕の中では自然で、王道の順番でしたね。
──セットリストはそれぞれどうやって決めたのでしょうか?
蒼井翔太:今回いちばんこだわったのは、両公演のオープニングナンバーをどの楽曲にするかですね。この1曲で公演全体の方向性が決まると思ったんです。「UNDER world」では新曲の「FALL」を持ってきました。ダークさがあって、でもその中でたくさんの光が激しく飛び交うような世界にぴったりの楽曲じゃないかなって。この曲から始まれば「UNDER world」は勝手に“「UNDER world」の世界”として進んでいくんだろうな、という思いがありました。そして、「『FALL』の次は、どの曲が聴けたら楽しいんだろう」っていう自分の中のワクワク感に従ってセットリストを決めていきましたね。
──「UNDER World」は衣装も黒でクールな感じでしたね。
蒼井翔太:「Collage」がテーマだったので、一つの衣装に違う素材をたくさん掛け合わせて衣装もコラージュしました。ちょっとずつ変化できるように、いろんなギミックをつけていただきました。ふだんのツアーだと何曲か歌って、舞台裏にはけて全く違う衣装に着替えていたんですが、今回は舞台裏に行くことなく、ずっと歌い続けるという挑戦もあったんです。だからその中でどう変化をつけるのか、衣装さんと相談して決めました。
──ちょっとずつ変わっていく感じがすごく面白いですよね。では、「UNDER world」でお気に入りの演出を教えてください。
蒼井翔太:「UNDER world」でしか歌っていなくて、さらにその1曲だけの演出となると、「MURASAKI」の和傘と花びらの演出ですね。多分夜の「DREAM land」でこの曲を歌っていたら、全然違った演出にしていたと思います。
──和傘のアイディアを出したのは蒼井さんですか?
蒼井翔太:僕です。どういった演出にするのかいろいろなアイディアが浮かんだのですが、和傘なら短い期間でも習得できるかなと。僕が思い浮かべるものって、長期間練習しないとダメなものが多かったりするんですよ(笑)。
──華やかでとても素敵でした。これもBlu-rayでじっくり見られるのがいいですよね。
蒼井翔太:そうなんです! ほんの一瞬というか、1曲の中で20秒くらいの演出なんですよ。だからまた見返してもらえると嬉しいですね。

──続いて、「DREAM land」のセットリストのポイントを教えてください。
蒼井翔太:やっぱり、ここでも1曲目をどの曲にするかというところから始まりました。ミニアルバム『Collage』を作るときに、ライブを2公演やりたいという構想がすでにあったんです。だからこそ、1曲の中に二面性があって、昼と夜で見え方が違うような楽曲を作りたいという思いがあって生まれたのが「Magic Of Love」でした。だから「DREAM land」の1曲目は絶対この曲にしようって決めていたんです。そこからみんなのハートを優しく包み込むような「Stay With Me!!」や、キュンとする「ずっと…」などの楽曲を詰め込んでみましたね。『Collage』の曲は昼夜共通で歌っているんですけど、「Da La La」以外はほぼ違う曲順と演出で歌ったので、1日の公演というよりは、違う日のライブに来ているような不思議な感覚になったんじゃないかな。「DREAM land」は夢の島っていうこともあって、ここ数年あまり歌っていなかった楽曲が続きました。みんながそろそろ聴きたいだろうなという思いもあって、最後の最後は「SHOT A LOVE!」を歌ったんです。
──みなさんの盛り上がりがすごかったです。衣装も昼とはガラッと変わっていましたね。
蒼井翔太:そうなんです。「Magic Of Love」のためだけに羽根を作ってもらいました。でも2曲目には外しちゃうんですよ。「UNDER world」の「MURASAKI」の和傘の演出くらいの贅沢さをこの1曲に詰め込みました。ハットもオリジナルです。普通のハットだと重くてずれちゃうんですけど、このハットはめちゃくちゃ軽くなるように作っていただきました。どこか懐かしい、平成を感じるようなポップでレトロなテイストの衣装にしています。いままた注目されている平成のファッションですが、僕のルーツになる時代でもあるので、その辺をイメージして作ってもらいました。マイクがわりに持っている黒板消しや、名簿帳などの小物にもこだわっています。ジャージもいちから作っていただいて、それを脱いだらスクールっぽいイメージのファッションになります。
──両公演を通してお気に入りの演出はありますか?
蒼井翔太:昼夜通してこだわったのは、バンド紹介&ダンサー紹介の後、ダンスパートからの「Da La La」に繋がる演出ですね。どちらも共通した演出ではあるのですが、ダンスパートは演奏も振り付けも違うんです。

──アンコールでは「まだいける」とおっしゃっていましたが、昼夜で演出が違うライブを行って、いちばん大変だったことはなんでしょうか?
蒼井翔太:実は、僕自身はそこまで大変ではないんです。むしろ、バンドやダンサー、スタッフの皆さんが大変だったと思います。僕のワガママを聞いていただいたので。だからこそ本番は僕が中心に立って、成功させなければいけません。難しいことをお願いしているからこそ、最初から最後まで楽しく、笑顔を絶やさず、みんなが信じてついてきてくれるように、集中して挑んでいましたね。だからリハーサルもすごく楽しかったです。バンドの皆さんと話していく中で、想像していなかった新たな表現が生まれることもありました。そういうことがすごく好きなんですよね。大変だろうけど絶対に成功するし、みんなが喜んでくれるだろうっていう確信がありました。







