【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>、大トリはHEY-SMITH「パンクバンドならば一度は目指したことがある場所。今年は俺たちがかますぜ」

2025.06.16 02:10

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2日間にわたって繰り広げられた<SATANIC CARNIVAL 2025>が幕を閉じる。初日はKen Yokoyamaがトリ、そして最終日の大トリを堂々と務めたのは大阪発のHEY-SMITHである。初日と2日目を点と点で結び、パンクロックの未来を繋ぐ線にするためにも、最終日にHEY-SMITHが選ばれたのは必然だったのだ。

◆ライブ写真

19時40分、SEとともにメンバー紹介映像がスクリーンに流れ、猪狩秀平(G/Vo)、YUJI (B/Vo)、満(Sax)、Task-n (Dr)、イイカワケン(Tp)、サポートメンバーの梅ちゃん(UME:Tb)のメンバー6人が大舞台に立つ。HEY-SMITHのステージは、爽快なサビを用いた「Say My Name」でスタート。SATAN STAGEに切れ味鋭い演奏を轟かせ、観客の誰もが笑顔で音を受け止めている。

「パンクバンドならば一度は必ず目指したことがある場所、それが<SATANIC CARNIVAL>大トリのステージ! 今年は俺たちHEY-SMITHがかますぜ、よろしくー!」と猪狩が挨拶した。

「Endless Sorrow」に入ると、耳をつんざく爆破音(音玉)が放たれ、お祭り感を演出。間髪入れずに「Over」「Radio」と畳みかけ、観客はヘドバンにスカダンスにと自由に暴れ回る理想的な空間が広がった。さらに「Into The Soul」が投下されると、幕張メッセはダンスフロアと化す。縦に横に揺さぶり続けるHEY-SMITHのサウンドに会場のテンションが上がる一方である。

その後も「California」「Fellowship Anthem」「Be The One」とキラーチューンの波状攻撃で観客の体力を奪い去っていくが、ここでちょっとまったりモードへ。「Inside Of Me W.E.E.D」「Inside Of Me」とダブ/レゲエ色の強いナンバーが連発。歌い踊り騒ぐだけがHEY-SMITHのライヴではない。インストの楽しさを伝えてくれるブロックに多くの人たちが沸き上がる。

「俺はPIZZA OF DEATHとHi-STANDARDに出会って、バンドを始めました。そのPIZZA OF DEATHが主催する<SATANIC CARNIVAL>2日目の大トリ、心底嬉しいぞー! しかも俺たち、トロンボーンがサポートで、梅ちゃんて言うねんけど。ずっと前からトリのオファーをしてくれてて、サポートでどんな感じになるのかわからんのに、俺たちをトリに選んでくれた。ということは、今までの活動を信用して選んでくれたと思ってますんで、期待に応えますよ! PIZZA OF DEATHに入りたかったから、昔、事務所にCD持って行ってたんやけど、フル無視でした。PIZZA OF DEATHのバンドのライヴがあったら、ステージに(HEY-SMITHの)CD投げたりしたけど…全部フル無視。そういう反骨精神のおかげでここまで来ました。ざまあみろ、コノヤロー!……すいません、ちょっと口が過ぎました。YUJIくん、僕、口が悪いんで、あなたの美しい声で皆さんを癒してもらっていいですか」──猪狩秀平

それを受けて、「Summer Breeze」ではYUJIの清冽(せいれつ)な歌声を幕張メッセに響かせる。続いて、“お前は特別なものを持っている。いつか誰かのヒーローになる”というメッセージを込めた「You Are The Best」における猪狩のハートフルな歌声にも胸を射抜かれる思いだった。

「次の曲はPIZZA OF DEATHとHi-STANDARDに送るぞ! 去年は笑顔で歌えなかったけど、今年は笑顔で歌えるかな。パンクロックで繋がってるから、届けー!」──猪狩秀平

と叫んで「Rest In Punk」をプレイする。この曲は亡くなったHi-STANDARDの恒岡 章(Dr)について歌った曲。溢れんばかりの感情を怒涛の2ビートに乗せ、スクリーンには英語詞と日本語訳まで映し出される。曲に込めた気持ちをこの場にいる人たちとシェアする演出を施し、“今度は僕がみんなの光になるんだ”という和訳に心を鷲掴みにされた。それから「すべてのパンクロック好きに送るぞ!」と告げ、「Don’t Worry My Friend」に繋ぐ流れも最高であった。晴れやかなメロディを会場の四隅に染み渡らせ、フロアで踊り狂う観客の姿が目に飛び込んでくる。

「ラスト2曲、腹から声出せ!」と猪狩は吠え、「We sing our song」「Come back my dog」をプレイ。ヘドバン、スカダンスと最後まで観客は騒ぎまくり、フロアに巨大なサークルモッシュを作り上げ、大団円で幕を閉じた。

ステージ袖にメンバーが去った後、数秒も経たずにHEY-SMITHの面々が再び登場。BGMに合わせて、猪狩、YUJI、満、Task-n、イイカワケン、梅ちゃんの6人が肩を組んでダンスし、銀テープが放出される歓喜のフィナーレにて終了。

ほろりと泣かせる場面もあったけれど、最終的に超絶ポジティヴな空気で終わるところも実にHEY-SMITHらしいではないか。パンクロックは絶対に鳴り止まない。彼らが今日のステージでもっとも伝えたかったのは、この一点に尽きるのかもしれない。

取材・文◎荒金良介
撮影◎半田安政

■セットリスト

1. Say My Name
2. Endless Sorrow
3. Over
4. Radio
-TP Session- 5. Into The Soul
6. California
7. Fellowship Anthem
8. Be The One
9. Inside Of Me W.E.E.D
10. Inside Of Me
11. Summer Breeze
12. You Are The Best
13. Rest In Punk
14. Don’t Worry My Friend
15. We sing our song
16. Come back my dog

■<SATANIC CARNIVAL 2025>
6月14日(土) 千葉・幕張メッセ国際展示場9-11
6月15日(日) 千葉・幕張メッセ国際展示場9-11
◯物販 / FOOD AREA
・14日 open9:30 / 15日 open8:45
◯ライブ観覧エリア
・14日 開場10:30 / 開演11:30 / 終演21:10(予定)
・15日 開場09:45 / 開演10:45 / 終演20:30(予定)
▼6月14日(土)出演者
04 Limited Sazabys / 10-FEET / The BONEZ / coldrain / ザ・クロマニヨンズ / ENTH / ハルカミライ / HERO COMPLEX / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / Ken Yokoyama / MAN WITH A MISSION / Maki / OVER ARM THROW / サバシスター / SHADOWS / SHANK / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / STOMPIN’ BIRD / TOTALFAT / 四星球 / [O.A.]トップシークレットマン
▼6月15日(日)出演者
Age Factory / バックドロップシンデレラ / Crystal Lake / Dizzy Sunfist / FACT / Fear, and Loathing in Las Vegas / FOMARE / THE FOREVER YOUNG / G-FREAK FACTORY / キュウソネコカミ / HEY-SMITH / HIKAGE / マキシマム ザ ホルモン / NOISEMAKER / RIZE / ROTTENGRAFFTY / See You Smile / Suspended 4th / View From The Soyuz / w.o.d. / ヤバイTシャツ屋さん
▶チケット:SOLD OUT

 

関連サイト
◆BARKS内<SATANIC CARNIVAL 2025>特集
◆<SATANIC CARNIVAL> オフィシャルサイト
◆PIZZA OF DEATH オフィシャルサイト

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