【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>、10-FEETが織りなす見事なトライアングル「お前らもしばく勢いでこい!」

2025.06.14 22:57

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「全員しばく勢いでやるから、お前らもしばく勢いでこい!」「おっさん3人に負けるな」「絶対にケガせんといて欲しいんやけど、ケガする寸前まで行くぞ!」とTAKUMA(Vo/G)が挑発し、いきなりの代表曲のひとつ「RIVER」で大観衆を一気に惹きつけたのが10-FEETだ。

◆ライブ写真

壮大なSE『交響組曲「ドラゴンクエストIII」そして伝説へ…』が鳴らされればフロアには無数のタオルが掲げられ、いつものような期待感に膨れ上がる観客。ではあったが、前述の焚きつける言葉、ガツンと鳴らされる音は格別であり、派手に動かずとも滲み出る3人のスケール感も相まって、瞬く間に会場全体が熱狂で包まれていく。

流れるようにムーディーな始まりから一転、激しく覚醒する「ハローフィクサー」を心の奥底まで響くリズムと歌で投下していき、キレのよいラップと叫び、激アガり必至のギターリフも強烈な「1sec.」と続くのだから観客の興奮も天井知らずだ。当然、速いビートは彼らの真骨頂のひとつ。強い音に撃ち抜かれた観客は大きな声を上げながら駆け回る。終盤、声にならない声で叫ぶTAKUMAの姿も美しかった。

イントロから大コールが起こった「蜃気楼」は中盤戦におけるハイライトのひとつ。ハリのある歌声をまっすぐに響かせるTAKUMA、体を仰け反らせながら感じるモノすべてを音へ込めようとするNAOKIのアティチュード、何事にも動じずグッと支えるKOUICHI、という3人が織りなすトライアングルの見事さが傑出していたのだ。

そして、TAKUMAが「もっと行けるか!?」と問いかけた後、理想論じゃない、現実を射抜く言葉を改めて観客へ届けていった。

「届けていこうぜ! もっとふざけていこうぜ! 明るくいこうぜ! とぼけていこうぜ! 笑っていこうぜ! 歌とかでよくある“お前はひとりじゃない”とか…絶対にそうとも限らへん。ひとりのときはいっぱいある。“努力は誰かが見てる”とか“絶対に報われる”とか、そんな約束もない。“誰かが絶対に見てる”とかウソじゃ! でもな、な、オレたちはふざけてぶっ飛ばしていくねん!」──TAKUMA

ただただ絵空事のような夢や希望を語るバンドじゃない。言ってしまえば、かなりのリアリストかもしれない。現実から目を背けず、それでも生きて、乗り越えることを願う。気取らず、気を遣わず、忘れてはいけないことを伝えてくれる。だからこそ、これだけの信頼があるに違いなく、そんなメッセージに続いた「その向こうへ」はとんでもない浸透力を誇っていた。

加えて、そんな中でもユーモアを欠かさないのも10-FEET。ここぞ!とも言えるクライマックスでTAKUMAが脇を鳴らすような仕草をして笑いを誘ったり、そこから続けた「第ゼロ感」をパワフルに鳴らしながらも、終盤にはマイクの位置をグッと落として、しゃがんだまま歌い続けてみたり、まずは自分たちからタガを外してみせるようなスタイル。そこがいい抜け感をもたらしていたことにも触れておきたい。

残り時間を確認しつつ、「怒られる寸前までいく」と宣言してからドロップしたのが「ヒトリセカイ」だった。フロアから起こったシンガロングを「そんなもんか!」と煽りつつ、いきなり歌いながら笑い出したTAKUMA。いったい何があったのか?と注目していると、「タガをちゃんと外した観客がダイブしていた」という。“この曲で!?”という驚きと“ちゃんと解放したんだな”という喜びが入り混じっての笑みであり、盛り上がり続けるフロアへ視線を飛ばしながら「最高やな、お前ら!」と何度も口にする姿もまた印象的だった。

「いつか誰かに出会える保証もないし、いつかひとりじゃない保証もないし、幸せになれる保証もないし、努力が実る保障もない……でも、ぶっ飛ばそうぜ!」とTAMUMAが気炎を上げ、その胸の内を体現するようなビートで突き進む「goes on」へ。フロアをとんでもなく揺らし、「これで終わる予定やったけど、あと4分あります。お前ら、パンクロックを食らって死ね…そして、生きろ!」というTAKUMAの叫びから疾走感抜群の「back to the sunset」を突き刺し、最後は彼ららしく一瞬で駆け抜ける「時間がない時のRIVER」を披露。投げかけた言葉通り、明るく、ふざけて、とぼけて、ぶっ飛ばす最高のパフォーマンスだった。

取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎西槇太一

■セットリスト

1. RIVER
2. ハローフィクサー
3. 1sec.
4. 蜃気楼
5. その向こうへ
6. 第ゼロ感
7. ヒトリセカイ
8. goes on
9. back to the sunset

■<SATANIC CARNIVAL 2025>
6月14日(土) 千葉・幕張メッセ国際展示場9-11
6月15日(日) 千葉・幕張メッセ国際展示場9-11
◯物販 / FOOD AREA
・14日 open9:30 / 15日 open8:45
◯ライブ観覧エリア
・14日 開場10:30 / 開演11:30 / 終演21:10(予定)
・15日 開場09:45 / 開演10:45 / 終演20:30(予定)
▼6月14日(土)出演者
04 Limited Sazabys / 10-FEET / The BONEZ / coldrain / ザ・クロマニヨンズ / ENTH / ハルカミライ / HERO COMPLEX / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / Ken Yokoyama / MAN WITH A MISSION / Maki / OVER ARM THROW / サバシスター / SHADOWS / SHANK / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / STOMPIN’ BIRD / TOTALFAT / 四星球 / [O.A.]トップシークレットマン
▼6月15日(日)出演者
Age Factory / バックドロップシンデレラ / Crystal Lake / Dizzy Sunfist / FACT / Fear, and Loathing in Las Vegas / FOMARE / THE FOREVER YOUNG / G-FREAK FACTORY / キュウソネコカミ / HEY-SMITH / HIKAGE / マキシマム ザ ホルモン / NOISEMAKER / RIZE / ROTTENGRAFFTY / See You Smile / Suspended 4th / View From The Soyuz / w.o.d. / ヤバイTシャツ屋さん
▶チケット:SOLD OUT

 

関連サイト
◆BARKS内<SATANIC CARNIVAL 2025>特集
◆<SATANIC CARNIVAL> オフィシャルサイト
◆PIZZA OF DEATH オフィシャルサイト

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