いい音爆音アワー vol.94 「元超え♪カヴァー特集」

いい音爆音アワー vol.94 「元超え♪カヴァー特集」
2018年9月12日(水)@風知空知
今はだいぶ落ち着いているようですが、近頃の日本は、カヴァーものが大流行(おおはやり)でしたね。
中にはよい企画もありましたし、ヒットしたものもありました。だけど、よくあったのが、アーティストのネームバリューの無さを、曲のネームバリューで、それこそカヴァーしようってやつ。まぁ、ひとつの作戦ですし、悪いことでは全然ないですが、それだけだと、芸がないと言いますか、つまらないですよね。
同じカヴァーでも、オリジナルはちっとも売れず、そのままなら歴史の海底に埋没していたであろう曲が、いいカヴァーによって、見事にヒット曲となったケースや、オリジナルもそこそこは売れていたけど、ある人がカヴァーしてもっと大きなヒットになったケース、あるいは、カヴァーなんだけど、その人のオリジナルみたいに、しかも代表曲のひとつになってしまっているケースなどもあります。こういうのがカヴァーの醍醐味なんじゃないでしょうか。
そんなかっこいいカヴァーを、「元超えカヴァー」って名づけてみました。
福岡智彦 (いい音研究所)
セットリスト
Carpenters「Superstar」
カーペンターズは”元超えカヴァー名人”ですね。
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シングル(1971年8月12日発売)
3rd アルバム『Carpenters』(1971年5月14日発売)収録
作詞・作曲:Bonnie Bramlett, Leon Russel/プロデュース:Jack Daugherty
レーベル:A&M
全米2位、全英18位、オリコン7位 アルバムは全米2位、全英12位
・オリジナルは”Delaney & Bonnie”のシングル「Comin’ Home」(1969年12月発売)のB面。このときはタイトルが「Groupie (Superstar)」だった。全米84位、全英16位。
・1970年8月には、ジョー・コッカーのライブ・アルバム『Mad Dogs and Englishmen』内でカヴァー。ヴォーカルはリタ・クーリッジRita Coolidge。アルバムは全米2位のヒット。
・ある日、ベット・ミドラー(当時はそんなに知られていなかった)が、テレビ番組の「The Tonight Show Starring Johnny Carson」で、この曲を唄っているのを観たリチャードが、「これは絶対カレンにピッタリの曲だ」と思い、カヴァーすることにしたが、2番のヴァースにある歌詞、「I can hardly wait to sleep with you again」が直接的過ぎると感じ、「I can hardly wait to be with you again」に変えて唄わせた。
・カレンがたった1回(それも初めて)唄ったテイクを、リチャードは「完璧だ!」として、そのまま採用した。
・アルバムは、LPのジャケットが、大きな茶封筒のように見えたので、ファンの間では”The Tan(黄褐色) Album”と呼ばれる。「カーペンターズ・ロゴ」を初めて使ったアルバム。
カーペンターズ:
Richard Carpenterは1946年10月15日、Karenは1950年3月2日、米国コネチカット州ニューヘイブンで生まれた。
1969年4月22日、A&Mと契約締結。
同年10月9日、1st アルバム『Offering』リリース。ビートルズの「Ticket to Ride(涙の乗車券)」のカヴァーが全米54位とまずまずのヒット。アルバムも『Ticket to Ride』と改められて1970年に再発売された。
1970年3月、シングル「(They Long to Be) Close to You」リリース。全米1位。
同年8月19日、2nd アルバム『Close to You』リリース。
1971年、グラミー賞で、兄妹は「Best New Arthist」、シングル「Close to You」が「Best Contemporary Performance by a Duo, Group, or Chorus」を獲得。
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1983年2月4日、カレン、死去。死因は神経性無食欲症に起因するエメチンの心毒性。
次回の爆音アワーは・・・