戦争が起きないことと大事な友だちがいること、どちらも同列に大切~シングル「CHRISTMAS LIST」特集




――新曲は15年ほど前にアメリカでヒットした曲のカヴァーですが、なにか意図があって選んだんですか?
「この曲と出会って、メッセージ性が他の曲となんか違うな、違う力を持ってるな、ってすごく感じたのがきっかけです。歌詞も見ずに英語で聴いたのに……なんかすごく切なくて。クリスマスソングっていうとハッピーな響きがありますよね。でもこの曲は、切なさが淡く残る。これはなんだろう?って。で、よくよく歌詞を読んだら『ああ、だからか!』という発見があったんです」
――じゃ、今回新たに日本語詞を付けるにあたって、そこも工夫もされたんですね?
「はい。作詞の吉元由美さんにお願いして、驚くほど直訳に近い歌詞にしてもらいました。だからこそ伝わる凄みがあって。戦争という一節が出てくるんですけど、その単語を今の時代だからこそ使っていいのか? 緊張状態にある今だからいけないのか? そこ、とっても悩んだんです。でも、CHRISTMAS LIST=クリスマスに欲しいものリスト、
としてこの曲は、戦争が起きないことと友だちのことと、どっちも同列に並ぶ大切なことだよ、と教えてくれたんです。」
――私個人は、この選曲に拍手したい気持ちです! 当たり障りのないものに流れやすい時代に、ちゃんとアーティストとしての主張がありますよね。
「リスナーの方の間で『これって言い過ぎなんじゃない?』『いや、アリじゃないの?』みたいな論議が巻き起こるのもいいことなんじゃないか、って思うんです。やっぱり表現者として歌を歌うからには、疑問や意見を投げかける曲でありたい。だから、実は最後の2行は元歌にない部分なんですけど、私と吉元さんの願いを込めて足したんです。『あきらめちゃいけない願い事』という感じで。リスナーの方に『この曲、どう感じました?』って、むしろ私がインタビューしたい曲ですね(笑)」
――ところで平原さんって、どんな風にサンタクロースを信じてる子どもでした?
「サンタさんには、いつもサインをもらってました!」
――はいっ??? (取材・文/鈴木裕子)



















