――今回はRyo-thingが“バンド内プロデューサー”的な立場で全体をまとめてます。「俺がやる」って手を挙げたんですか?
Ryo-thing(G):いや~、そういう空気がなんとなくあったというか(笑)。でも結局、そんなに今までとやり方が違うわけでもないし、そのほうがいいと思ったんですよ。プロデューサーが別にいると、なんやかんやで甘えるでしょ。そうじゃなくて、最後まで自分でやるという責任感は感じてました。
――ヒップホップの濃い部分を感じさせる、リズムの強さと多彩さが目立つアルバムだと思いました。
Sugar(Dr):3枚目は、もっとフロア寄りのものにしたいっていう話はしてました。前回のツアーをやったこともデカいんですけど、そこで曲のアレンジを変えて演奏したりして、そういう影響もあったと思います。
Ryo-thing:ビートの立ったもの、というイメージはすごくありました。自分の感覚としては、曲を作る時はプレイヤーではないんですよ。それはあくまでライヴの時で…いや、ライヴの時もプレイヤーという感覚じゃないな。演奏してるというより、いい感じで、楽しい気分を満喫してる感じ。
――フロア的というのは、「自分たちが楽しむ」という意味に近い?
Ryo-thing:そう。自分らで聴いてて気持ちいものは、演奏しても気持ちいい。しかも、抜けていく気持ちよさじゃなくて、がっつり来る気持ちよさ。それを、今回のアルバムには入れたいと思ってました。
――それでいて、メロディはどれもキャッチーで口ずさみやすいし。Ringちゃんも1曲ごとにガラリと歌い方を変えてますね。
Ring(Vo):今まで持っていた自分のこだわりを捨てました。一度真っ白になって、トラックに染まってみたり、Ryo-thingが求めている色に染まってみたり、思いのままクレイジーに演じてみたり。挑戦の1枚です。結果的に、自分で思っていた以上のものが出せました。最後のほうは「もーいいっ!」ってくらい歌いまくってました。
――Ryo-thingは今回、歌詞もバリバリ書きまくってます。
Ryo-thing:いっぱいいっぱいでしたよ(笑)。「Magic
Woman」や「Oh Boy!!」はPeiくんと二人で書いたんですけど、そういうのは楽しいですね。テーマがないというか、言葉の響きだけで書いたので。曲を作るというより、趣味っぽい感じで楽しかった(笑)。
Pei(B):個人的に、作詞作曲に関われたのは大きいですね。しかもRyo-thingと一緒にやれて、すごい楽しかった。
――あぁ、なんか、4人がどんな気持ちでこのアルバムを作っていたのか、だんだん見えてきました。
Ryo-thing:いろんな意味がありますけど、これはほんとに、いい意味スタートのアルバムなんですよね。みんなにとって。フロア寄りの音をやったのもそうだし、Ringのソロが入ってるのもそう。SugarがDJを始めたり、イベントのオーガナイズをやったりしたのも、同じタイミングだし。「ウラ1枚目」ぐらいの感じです。