――11/11の“V-Net”(インターネットラジオ)にゲスト出演していただいたんですが、すごい反響でしたね。その報告を聞いて、どう思いました?
YUKI:不思議な感じがしましたね。実感がないというか。でもうれしいよね。すっごいうれしかった。
SHINGO:なんのこっちゃわからんやった最初。
――自分達の魅力というか、“つかみの良さ”は何だと思います?
ANJI:やっぱり、独特の空気感じゃないかな。たぶんつかみどころがなさそうで。おのおのどれかの個性にひっかかるみたいな。頑固一徹に、自分らが持った音楽を今までずっとやってきて、これからもずっとやっていこうという芯の強さみたいな部分であったり。
――インディーズ時代のアルバムから今回のアルバム『ROCK THE WILD SIDE』のリリースまで3年を経てますよね。この3年という月日は、JURASSICさんにとってどんな時間でしたか?
YUKI:すごい楽しいこともあったし、辛いこともあったし、いろいろあったけど。今、5人がこうして意志が傾くこともなく、今まで3年間、誰もが経験できなかったことができてるから…・・・。ま、たぶん5人の結束が昔以上に、比べものにならないくらい固まったんじゃないかな。自分のバンドの大切さにも気付いたし。
――自分達の音楽が変わってきたなと一番感じる時は?
YUKI:やっぱり昔を振り返った時ですかね。ちょっとずつ、一日一日、大幅には変わらないんですけど、俺達は新しいものを求めていくんですよ。で、その時はそんな大きな変化したつもりはないんですけど、3年前の映像とか、音とか聴くと、ああやっぱりいい意味で変わってきてるな、っていうのはありますよね。
――サウンドやアレンジの面では?
YUKI:まずみんなの音が、昔より混ざるようになった。だんだん統一してきたな、意志が一つになってきたなっていうのはすごくありますね。今回の『ROCK THE WILD SIDE』からは、本当にアレンジはプリプロの段階からやって、みんなでスタジオに入る、音合わせの段階でもあって。一人一人のアレンジに一人一人の意見が加わってる、それが今と昔の違いですかね。昔はやっぱり、ギターならギター、ドラムならドラム、ベースならベースって自分達のパートは自分達でアレンジしているみたいな感じだったんですけど。最近は自分の歌の面に関しても、ギターやドラムに関しても、こういう感じがいいんじゃないかっていうみんなの意見を取り入れながら、より理想の音に近付けてく感じです。
――今回のアルバムの中で「fellow thing」をリード曲に選んだ理由を教えてください。
SHINGO:もう真冬にぴったり。
ANJI:そう。それしかない。
耕史朗:そんだけ。
――遠距離恋愛の歌ですよね。実体験ですか。
ANJI:つっこむねー。結構深く入るねー。
YUKI:実体験っていうか、自分がそういう状況の時に純粋に思う気持ちっていうか。たぶんみんな人を愛する気持ちって、こんなだろうなって思って。ま、距離という壁がそういう苦しい自分の状況を作ったっていうか。
――続編とか、シリーズ化のご予定は?
YUKI:なは(笑)
SHINGO:なんばいっとんのかいなー、おい。おもしろか。
ANJI:どーしたんだろ。
――「ヒポクラティカル ラブ」については?
YUKI:最初、耕史朗がこういう曲があるといって、持ってきてくれたんですよ。最初サビのメロディが浮かんで、こういうの合うんじゃないかとメロディから作ったんですね。歌詞はなんかこう、意味があるようでないような歌詞にしたいなと。この歌詞を見た人が、これ意味があるのかわかんない、でも興味がある、そういう歌詞にしたいなと思って。
ただ単純に生活していて、最近ちゃんと真面目に恋愛している奴らが少ないなと思って。で、なんか、うん、なんだろう。なんていえばいいのかな。自分はそういうのが嫌なんですよね。そういううわべだけの付き合いとか。
――YUKIさんの考える真面目な愛とはなんですか。
YUKI:やっぱりお互い愛し合うことだと思うんですよね。なんか、なんだろうな、本当に愛しあってんの、みたいなのいるじゃないですか。例えば、誘惑に負けたりとか、お金のためだけに付き合っているとか、すごいシビアな話なんですけど。あ、こういう汚ない話ダメ?
耕史朗:ひどい話だな。
全員:(笑)
YUKI:最近、そういう恋愛の価値観が低い感じがするんですよ。時代が進化するとともにね。でも、そういう人たちにストレートに言えないから、こう変化球を加えて書いたんですよね。
――「Fuckin’ the truth」は社会的なテーマを取り扱っていますね。
耕史朗:“反”ね。
YUKI:最初(耕史朗が持ってきた)リフを聴いた時、もうこれは反社会的だろうと僕の中で察知したんで、そのまま、勢いで書きました。3年間いろいろあったから、その経験を生かしつつ……。
耕史朗:ぶちこんだ。ああもう、怒りジュウジュウみたいな。よーわからん。
――中学時代とか、高校時代とか、反抗期は……?
耕史朗:いや、今も反抗しています。
YUKI:だからロックやってます(笑)。やってて、常識的な部分ってあると思うんですけど、答えがあるようでないような常識を押し付けられるのが嫌なんですよ、俺達。やっぱり、不具合な部分も常識にしていくのが俺らの音楽だと思うから、それを貫き通していきたいなという意志をその歌詞に詰め込みました。
――「Can I?」は?
YUKI:これは自分がみんなに持ってった曲なんですけど。それが戻ってきた時に、自分がアレンジしたラインよりもっといいものがあるんじゃないかなと思った。みんなに持ってこられてまた変えて、変えられてまた持っていく。そのやりとりを繰り返して、このかたちになったんです。
――そのやりとりは何回くらいありました?
YUKI:そうですね。歌は3回くらい変えましたね。それが三度目の正直って感じで。結構でも、あせって作った感じじゃないんですよね。時間かけてっていうか。時期的には長いよね。
SHU:1年くらいかな。
――話が変わりますが、どのような経緯で、地元・長崎に市電<JURASSIC号>が誕生することになったんですか?
YUKI:市電って、長崎の交通で活用されているんですよ。町の真ん中を走るし。結構、広告するならもってこいみたいな乗り物やね。 最初になんだろ。電車とかおもしろいよね、っていう軽い発想から、本格的になっていきました。
SHINGO:そん時、GLAYさんが飛行機だったんで。
SHU:対抗して。
SHINGO:でもそっちの方が目立つかなって思って。
――自分達で乗ってみました?
SHINGO:一人で乗ったことはないですけど、車で追っかけたことはありますね。YUKIもそやけど、俺も一回ブッーて鳴らされたことあって、車ん中から、(自分を指差して)俺、俺、俺ー!って。
――その電車は今・…・・
SHINGO:もう分解されました。
SHU:廃車です。
SHINGO:車検切れになって、パーツ全部外されました。
――“BOW!”にご出演した際、音の響きから<JURASSIC>と命名した、意味は後から付けたいとおっしゃっていましたよね。今、<JURASSIC>という辞書があるとします。そこに記されている定義は何だと思います?
耕史朗:重要。ガオオってかんじですね。
SHU:九州男児5人組。そのまんまです。
YUKI:なんか、今にない、新しい音楽のジャンル。
SHINGO:切羽詰まっても、やっていける男達。
SHU:あ、それかっこいい!
耕史朗:恐竜時代でも生きていける、みたいな……。
SHINGO:何でもよか、よか!でも貰うもんは貰う!
全員:(爆笑)
ANJI:あの……まだ無いですね。うーん。これ(空に∞を描く)。無限。横八の字かな。
――今後のJURASSICについては?
耕史朗:もっと男にも好かれるバンドになりたいですね。
SHU:結構みんな年取ったら向上心とかなくなるっていうけど、うちはみんな上がっていくんですよ。だからこの先どうなるのか、楽しみですよね。まだ、わかんないですけど。
YUKI:自分達の音楽をきっかけにロックという音楽を世の中に浸透させていきたいと思いますね。常識を覆せるバンドになりたい。
SHINGO:いろんな地方に行ってライヴをやりたいなと。で、みんなを楽しませたいなと。うん。やっぱりそうですね。来年は売れましょーー!!
ANJI:最初に頑固一徹でやってきたって言ったけど、やっぱりいろんなものをまだまだ吸収しながらやっていきたいなと思います。
取材・文●中井雄子