――アルバムができた感想は?
SPHERE of INFLUENCE:
4ヶ月くらいで作って、なんかあっという間にできちゃったって感じがしますね。なんか次の作品を早く作りたいくらい、そんな勢いですね。
――(笑)それはすごい。今作に関してテーマとかあったんですか?
SPHERE of INFLUENCE:
アルバムのテーマは一枚聴き通せるアルバム、クラシックみたいのを作りたいっていうのがあって。
――シングル曲「DAY ONE」もそうでしたが、今作の全体的リリックも日常や実体験がキーワードになってますね。
SPHERE of INFLUENCE:
今の自分を一番出してみたかったってことかな。無理して難しいこと言うより、今の生活っていうか、今、一番楽しいことをリリックで書いてるから。だからこのアルバムは今のタイミングでしかアルバムになってないし、また来年だったら違うと思うし、去年だったら全然違ってたし…。ノリでやってます…みたいな(笑)。
――「昔はアングラばっかり聴いていた」って言ってましたけど(前インタヴュー参照)、今作はメジャー感がありますよね。
SPHERE of INFLUENCE:
アメリカのシーンも、アングラってもちろんあって、友達もみんなそっち側にいるんだけど、でもみんなが一番知ってるのはメジャーの曲なんだよね。向こう(US)でGUNトーク、所謂、銃の話とかしても日本じゃウケないけど、アメリカではそれが一番熱いっていう…。オレは向こうに居て、こっちに帰ってきたっていうのが一番ライフスタイルとして出てるのかなって思って。変に日本語で難しいことを書くのって日本ではいっぱいあるからさ。日本のシーンはコアなHEADZがヒップホップを作ってきたっていうシーンだから、メジャー感があるアーティストが少ないと思って。だから、逆に向こうであってこっちにはないものをやったほうがおもしろいかなって。
――M7以外、全部日本語詞なんだけど、フロウはすごい英語っぽい。
SPHERE of INFLUENCE:
もともと向こうで英語ばっか書いてたから、自然にそういうフロウになっちゃって。じゃあ、このフロウでどう日本語をはめていくかとか、そういうのがチャレンジだった。あと中学校から全然、日本語勉強してないから、いつも使ってる言葉しかないなって。とりあえず、辞書引いてとか難しい言葉使って…っていうより、しゃべり口調のほうがわかりやすいっていうか通じるのかなって。そこも日常っぽい理由ですね。
――インタールード的なトラック(M4、7、11、13)がありますが、音的にも会話とかも入ってたりしてそれらがアルバムの全体を締めてる気がしました。
SPHERE of INFLUENCE:
アルバムできて、最後の方にインタールードどうしよっか~って。こういうスキット作りて~って音的なイメージもあったり、なんか曲じゃないところでぶっちゃけた感じでやりたくて。たまたまスタジオに効果音集があって、そんとき結構、ハマっててうまく使えないかな~って。「Lからの贈り物」はマジで人が倒れてる音を使ったんですよ。ブースの中で一本攻めをして、人をがっつり落として、「One more take!」とか言って、もう一回投げて(爆笑)とか、いろいろやってたんですよ。オーバーなんですけど、ホントそんな感じで実際やってるから…。「アイツはHO」はみんなで自然にたまって普通に話す感じがおもしろいんじゃんとか言って、すげぇ~みんな(息が)合っちゃって、ワンテイク目が一番よくって。それがイキに。
――そういうところからもリアリティと楽しさがいっぱいですね。それと同時にアルバム全体からすごい前向きのエネルギーを感じたんですけど、SPHEREさんのこういったエネルギー源はどこから得るのですか?
SPHERE of INFLUENCE:
友達から。あとライヴがすごく楽しくて好き。あとは…普通にヒップホップってのがエネルギー源なのかな。
――若い世代をリードする存在として楽しみですね。
SPHERE of INFLUENCE:
インディとかメジャーとか関係なく、若い子達の間で飛びぬけるっていうのがまだあんまないし…。オレの世代とかはまだまだっていうか、いろんなヤツらがいるんだけど、クルー(CIG)の下のほうとかまだ自分達がやりたいことを形にできてないとか思うんだけど、これからヒップホップを変えていくためにはそいつらとかもどんどん出てこなくちゃいけないと思う。本当に新しい奴らを探して、うちらの年代とさらにその下のヤツらにも、なんか通じ合えるものができてくると思うからさらにシーンを大きくしていきたいなっていう感じかな。