――今回のアルバム『A Hundred Days Off』はあなた達にとって4作目のアルバムとなるわけですが、これまでの作品と比べてどのようなアプローチの違いを行なったのでしょうか?
「まず、僕らはこれまで本当に多くのことを抱えて忙しすぎた。ライヴやTomato(カールとリック・スミスも中心メンバーとして参加しているアート集団)のデザインワーク、ビデオ制作、リミックス作業など……それで今回のレコーディングに関しては、なるべく外部をシャットアウトしてアルバム制作のためだけに集中しようと考えたんだ。最初の半年間はとにかくソングライティングに集中したよ。そこから気に入ったものを発展させていった。初めはギター1本のアコースティックなものから、次第にアイデアを膨らますんだ」
――今回の作品で大きく注目されていた点のひとつに、脱退したDJのダレン・エマーソンの影響がどの程度のものなのか、というものがありましたが。
「うん、確かにダレンが脱退したのはとても残念なことではあるけど、アンダーワールドのサウンドの方向性に関しては大きな影響はないよ。これまでもトラック作りを行なってきたのはリックと僕が中心だったしね。ただ、これまでのように大きなストレスを抱えてレコーディングするようなことはなくなったんだ。ダレンにとってもそうだと思うけど、お互い今は自分のやりたい音楽を自由に出来る環境があって良いことだと思うな」
――ところでこのアルバムのタイトル『A Hundred Days Off』とはどのような意味を持っているんですか。
「これはリックの子供達が話しているのを聞いていて閃いたんだ。子供たちが、100日に1日しか学校に行かずに済めばすばらしいことだ、ってね。先生も仕事を一杯やらなくて済むし、みんなが休養をとれるようになるって。これはすばらしいアイデアだと思ったんだよ。実際、僕たちは休養が必要だった。それですっかりこのおもしろい発想にとり付かれてしまってね、アルバムのタイトルにしたんだ。ある意味ではとてもディープな言葉でもあると思うよ」
――サウンド的に、今回のレコーディングで新たに導入したものなどはありましたか?
「おもちゃ屋へ行ってパーカッションのようなものを買ったり、ワールド・ミュージック的な生の音を多く取り入れたりしたね。それと僕自身が実際にプレイしたフレーズやスティーヴ・ホールにもプレイしてもらったパートが多くあるよ。マテリアルとしては多様性があってそれをうまくまとめられた感があるね。それから『弐番目のタフガキ』の1曲目“Juanita”でも参加しているジュアニタが“Little Speaker”と“Two Months Off“”でまたスポークン・ヴォーカルで参加しているんだ」
――今後のライヴの予定などを教えてください。
「まさにこれからヨーロッパ・ツアーに出るところなんだ。レコーディングでずっとスタジオ漬けだったから、外に出るのは良いことだね。それからアルバムに先駆けてシングル・カットされる“Two Months Off”のプロモーション・ビデオをTomatoで制作してる。10月には日本でもライヴをするんだ。これまで以上にパワーアップした僕らのステージを多くの人に見てもらいたいな」
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