身体を躍動させるだけじゃなく、気持ちも恍惚へと導く音楽……いや、正確に言うならば、精神的な高揚を促していくからこそ、自然と身体も躍動してしまう音楽と言った方が正しいだろうか。54-71、RISE FROM THE DEAD、 そしてWRENCH。この3バンドが、この日の新宿ロフトのステ-ジを通し、観客たちを導いていったのは、単なる白熱したライヴではない。ノン・アルコ-ル、ノン・ドラッグでも、充分に魂を恍惚の境地へと導き、精神的な開放という術を得られるという、とても感覚的に刺激的な快楽だった。
続いて登場したのは、RISE FROM THE DEAD。ド頭から轟音貫く音の激烈なグル-ヴを醸し出しつつ、その音の中へとダブやトランス等のスペイシ-な要素を折り込み、激しい恍惚感を導き出していく彼ら。バンドのベ-スにあるのは、かなりラウドなロック・スタイル。だが彼ら自身が、バンドのセッション・グル-ヴが高まっていく中で生み出される恍惚的な感情を、音として具現化したいという欲求を強く抱いてるのだろう。激しい音と音とがぶつかり合う中で生まれる台風のようなグル-ヴ。そこへ絡みつくスペイシ-で装飾的な効果は、聴き手の感覚を圧倒的な音の渦の中へと巻き込み、完璧に身体をビリビリと“グル-ヴな轟音”というドラッグでブッ飛ばしていく。