【ライブレポート】須田景凪、Reol・Chevonを迎えた対バンイベント<MINGLE -三面鏡->開催。リスペクトと愛が溢れた格別な一夜

須田景凪が、自主企画対バンイベント<須田景凪 presents “MINGLE -三面鏡-”>を7月26日、大阪・Zepp Nambaにて開催した。
“MINGLE=交わる”をテーマとする同イベントは、2024年の冬に東京で開催された<須田景凪 presents “MINGLE”>の第2弾となる。今回は出演3組の視線が交わるという意味を込め“-三面鏡-”と題し、大阪にて開催され、2025年4月16日に発表した自身のボカロP名義“バルーン”の企画アルバム『Fall Apart』に参加したReolとChevonを招き、ボカロ・ネットミュージックがルーツの3組による豪華な共演を実現した。最後まで見どころ満載となった約3時間を紹介する。
■Chevon


<MINGLE -三面鏡->の幕開けを飾ったのは、Chevon。谷絹 茉優(Vo)、Ktjm(G)、オオノタツヤ(B)で構成された現在ロックシーン注目の北海道発スリーピースバンドだ。
劇的な演出で登場すると、開演早々から「DUA・RHYTHM」「革命的ステップの夜」をトップスピードで観客を圧倒し、わずか2曲で会場には大歓声が。シャウトが轟き、バンドのプレイもパワフルなうえ、曲は次々に展開してボーカルもチェストボイスとファルセットを自在に行き来する。谷絹が「バンドを始めた時に忘れちゃいけねえなと思ったことを書いた」という「薄明光線」では “あなたと話がしたいんだ” と語るように歌い、3人がライトを浴びる光景。



また「ノックブーツ」でファンキーな一面を見せたら「銃電中」でChevon 節が炸裂する。谷絹が須田とReolに「憧れるのもおこがましいくらいのレジェンド。中高、すべてのランキングを(2組が)占めてましたよ!」 とリスペクトの想いを語り、そして「緊張します!」とともに放ったのは、須田の「パメラ」のカバー。妖艶な声や歌うようなギターとバンドアレンジに中毒性が増し、観客のクラップも止まらない。最後に「サクラループ」「冥冥」「ダンス・デカダンス」の3曲を立て続ける怒涛のスパート、客席一丸のコールとシンガロングが鳴り渡った。
もちろん最後は谷絹が「よしなにー!」と呼び掛け、しぇぼんくん(ぬいぐるみ)を手にして撤収。客席には「かわいい!」もあふれていた。
■Reol


続いて登場したのは、Reol。YouTube登録者数は174万人を突破するなど今なお国内外から人気を増やし続けている。
1曲目から須田の「レディーレ」のカバーを投下し、原曲とは違うエレクトロなサウンドを全開にして、観客の喜びと興奮もいきなり最高潮に。かと思えば、メッセージ性の強い「平面鏡」で、Reolが降臨するがごとく台からステージに降りて、端から端へ。人々の頭上ではたくさんの手が上下する。そして 「なかなかこの3組が集うってないことだと思うので、そんな一夜をみなさんと一緒に楽しみたいと思います」と口にして、「ヒビカセ」「綺羅綺羅」で上昇。体を揺らして放つハイトーンは痛快で、ダンスの切れ味も鋭くなりフロアには歓喜の声が溢れる中、次の「失楽園」では物語をつづって観客を釘づけにする。



そこから「RE RESCUE」のスピード、「煩悩遊戯」の不敵なラップでたきつけ、想像できないパワーを曲にのせて燃焼。大観衆の手も思わず前方へと伸びるが、続くMCでは 「思いやりを人に分け与えられる人だなって。見守るっていう愛情の示し方ができる人」と落ち着いて須田を形容し、ついにライブは「劣等上等」からラストスパートへ。
アンセミックな響きはファンを存分に歌わせ、Reolは髪を振り乱して踊り、ジャパニーズカルチャーを凝縮するようなダンスチューン「煽げや尊し」で全員のコールもぴったりそろい、「超イイ感じでした!」 とご機嫌に締めくくった。
■須田景凪


そしてラストを飾るのは、須田景凪。サポートバンドに続いて姿を現すと「雨とペトラ」「WOLF」で幕開け。ロック色の強いバンドサウンドで観客の体を突き動かす。「ヤバかったね!」とChevonとReolのアクトを称え、それぞれのカバーについて「言葉にできないような感慨深い気持ちになりました」と語ると「負けてらんねえな」と、ChevonとReolの2組がカバーした曲を須田自身もプレイし、さらに“恩返し”で2組の曲を須田がカバーするという今日ならではの特別な演出へ。
まずはChevonがカバーした「パメラ」を披露、そして“もう一回”のリフレインを焼きつけるChevonの「サクラループ」をカバー。続いてReolがカバーした「レディーレ」からフロアを揺らすReolの「第六感」をカバーと、須田の粋な演出が熱烈なシンガロングとクラップで会場を強力な一体感で包んだ。Reolのことを“数少ない戦友”、Chevonのことを“同じ血が通ってる”と表現して彼らに感謝を伝えると、ラストスパートへ。



「メロウ」「ユーエンミー」「ダーリン」と名曲を次々に響かせ、場内を多幸感で満たし、コールも手拍子も割れんばかりに。須田も「あのね…最高です!」と反応し、「最近、私、音楽をやるのがめちゃくちゃ楽しいです。音楽に改めて飢えているような感覚があります」と自身の音楽観の変化も話すと、最後は「最大級の愛を込めて!」とライブ初披露となる新曲「ラストルック」。強いエネルギーに満ちた歌詞を歌う須田の歌声と、疾走感あふれるバンドサウンドでこの日何度目かわからない盛り上がりで全10曲を終えた。
本編が終えてもなお会場の興奮状態が続き、アンコール!の声は約3分。須田が再登場して「せっかくなら…」とReolとChevonも呼び込む。須田が2組に触発されて「やる気が50倍ぐらいになった」と言えば、ReolとChevonは「粋なことしてくれちゃって(笑)」、「リアレンジまでしてくれて!」と、実は須田がカバーすることを伏せられていた舞台裏を明かす。


そして、再共演を誓い合い笑顔が弾けたところで、3組で須田の代表曲「シャルル」をコラボ披露。2本体制のギター&ベースや華麗なマイクリレーで鳴らされる「シャルル」に会場は言うまでもなく最高潮。観客のクラップとともに、お互いのリスペクトと愛が溢れた格別な一夜<須田景凪 presents“MINGLE -三面鏡-”>は大成功のうちに幕を閉じた。



写真◎藤井拓
◾️<須田景凪 presents“MINGLE -三面鏡-”>セットリスト
プレイリスト:https://keinasuda.lnk.to/20250726_MINGLE_Chevon_Reol
●Chevon
M1. DUA•RHYTHM
M2. 革命的ステップの夜
M3. 薄明光線
M4. ノックブーツ
M5. 銃電中
M6. パメラ(バルーン cover)
M7. サクラループ
M8. 冥冥
M9. ダンス・デカダンス
●Reol
M1. レディーレ(バルーン cover)
M2. 平面鏡
M3. ヒビカセ
M4. 綺羅綺羅
M5. 失楽園
M6. RE RESCUE
M7. 煩悩遊戯
M8. 劣等上等
M9. 煽げや尊し
●須田景凪
M1. 雨とペトラ
M2. WOLF
M3. パメラ
M4. サクラループ (Chevon cover)
M5. レディーレ
M6. 第六感 (Reol cover)
M7. メロウ
M8. ユーエンミー
M9. ダーリン
-MC
M10. ラストルック
EN1. シャルル (feat. Reol,Chevon)






