【ライヴレポート】BREAKERZ、オトナな<R-18>に初披露の新曲がスパーク「B.S.Y.=BREAKERZの成人式にようこそ!」

BREAKERZが7月21日、東京・品川インターシティホールにてデビュー18周年記念ライヴ<BREAKERZ 18th Anniversary Live R-18>を開催した。本ライヴが告知された時、意味深だったのは“R-18”というタイトル。それが何を意味していたのかは当日のセットリストとMCで明らかになった。
ステージに3人が登場すると悲鳴にも近い大歓声。いつもより剃り込みが過激なモヒカンスタイルのSHINPEI、フリルをあしらった衣装が王子のようなAKIHIDE。ロングストールが印象的な衣装にサングラスをかけたDAIGO。そしてライヴはいきなり、新曲「R-18」で幕を開けた。
「R-18」は妖艶な宴にいざなうようなシャッフルナンバーだ。甘美なメロディとロックのエッジを残す大人なアプローチのサウンドが溶け合っていく。続いてDAIGOが「跳べ!」と煽るおなじみの「NO SEX NO LIFE」を投下。3人が前に出るアグレッシヴなアクトが繰り広げられ、アルバム『Ø -ZERO-』に収録されていたハードで熱量高めの「Dark Night」に繋げる。この夜のBREAKERZは前半からセクシーで攻めの態勢だ。

「品川インターシティホールのみんな、元気ですか? 俺たちがBREAKERZです! 今日はBREAKERZの18周年記念ライヴです。そして、今は18歳から成人として扱われるということでBREAKERZもついに大人になりました。“だいぶ前から大人じゃないか?”とか、そういう声はいらないですからね(笑)。BREAKERZは(デビューから)18歳ですから。成人ですから。なので、今日は大人な楽曲をめちゃくちゃやっていこうと思ってます。ここにいる人たちが好きな楽曲をお届けできるんじゃないかな。俺たちも色気とかセクシーさとかアダルティな感じをいつもより3%増しでお届けしたいと思います。OK! それでは、B.S.Y.=“BREAKERZの成人式にようこそ!”」──DAIGO
周年ライヴというとヒットシングルや代表曲を織り交ぜたヒストリー的なセットリストを想像しがちだが、18周年に引っ掛けて選ばれたナンバーたちが“R-18指定”だとのこと。BREAKERZの粋な計らいに拍手と歓声が上がる。
メロディックな「SECRET GIRL」(アルバム『FIGHTERZ』収録)では、彼氏にとってシークレットな存在に過ぎない女子の切ない心模様が表現されるなど、エンターテイメントかつセクシーなゾーンに突入。ピンクに染まったステージ上で3人が“うさ耳カチューシャ”をつけて歌い演奏する「BUNNY LOVE」では、AKIHIDEが艷やかなソロを響かせ、SHINPEIとのツインギターのコントラストも鮮やか。そしてDAIGOが吐息混じりのボーカルで魅了した。

照明がピンクから赤一色にシフトして披露されたのは2ndアルバム『CRUSH&BUILD』収録曲の「EMILY」だ。サポートメンバーのMatsuの歪んだベースと響(摩天楼オペラ)の力強いドラムがグイグイくるイントロからして、攻めのナンバー。SHINPEIの骨太なギターとAKIHIDEのエッジの効いたギターの絡みも刺激的であり、一途とアブノーマルのギリギリの線をいくラブソングを、センターの台を効果的に使って狂おしく歌うDAIGOのパフォーマンスも見応え十分。
ここから「全員で踊るよ!」とDAIGOが煽り、真っ赤なドレスに身を包んだダンサーたちが登場し、代表曲のひとつ「BAMBINO 〜バンビーノ〜」に移行したのも新鮮だった。ショーアップされた華やかでセクシーなアクトが熱帯と化した夏を彩り、レア曲を混ぜたライヴの構成にファンの歓声も高まっていく。

「皆さん、大人のBREAKERZを感じてますか? 次の曲もちょっと大人な曲なんですが、滅多にやらない曲です」──DAIGO
このMCに期待にざわめく中、曲名を告げて披露されたのは、成熟した今のBREAKERZだからこそ、なおさらレアな「愛×檻」。10年前のシングル「WE GO」に収録されていた激アツなラブソングに大歓声が上がり、さらにはジャジーなロックナンバー「Blue Moon」へ。刹那的でロマンティックな曲がタイム感命のテクニカルなサウンドと共に奏でられた。
「どうですか? 皆さんも色気3%増しぐらいになってますか? 俺たちだけじゃなくて、増し増しで楽しんでくれてますか?」──DAIGO
ここからはサポートのリズム隊を含めたメンバー紹介。DAIGOから「この中で(年齢的に)一番アダルトではないんですが、ステージ上では最高のドラムを叩いてくれてます」と紹介されたのは響。BREAKERZと共に歴史を歩んできたMatsuは「昔は本当に危なっかしかったんですけど(笑)、最近はちょっとずつ危なかっしさがいい意味で安全なほうにはいってます。けど、まだまだ危なかっしいロックなベーシストです」とDAIGOらしいユーモアで紹介。今なお、やんちゃな精神をキープし続けているということだろう。

そして、いつもDAIGOにMCを突っ込まれるSHINPEIは生声で「18年、ありがとう!」と叫んだあとにこう語った。
「今日はBREAKERZの18年間の集大成。そして、これからの俺たちを感じてもらえるような最高のライヴを用意してまいりました。けっこうBREAKERZの中でもアルコール度数でいったら高い曲が並んでるんじゃないですか。いつもなら“飲み過ぎ注意”って言うんですけど、今日は飲み過ぎちゃおうよ! まだまだ俺たち攻めていくんで、酔いしれて、乱れまくって、潰れそうになったら俺たちが受け止めてやるぜ! 二日酔いになろうぜ。よろしく!」──SHINPEI
DAIGOから「この18年の中で一番素晴らしいMC」と絶賛されたSHINPEI。続けて、恒例のAKI様コールに場内が沸く中、AKIHIDEは感謝を語った。
「自分の18歳の頃を振り返ると、地元・八王子のライヴハウスでバイトしながら高校を卒業して、進学するわけでもなく、就職するわけでもなく、ロックミュージシャンとしてご飯を食べられるように、プロになりたい…そう誓ったのが18歳でした。その年月をBREAKERZとして歩んでこられたのは不思議だし、嬉しく思うし、感謝しかありません。僕にとっての“R-18”は“ROCKな18”でもあったかなと思います。本当にありがとうございます」──AKIHIDE
AKIHIDEがきれいにキメた直後に「だんだん老人に近づいてきてますが」と笑わせ、そのやりとりを受けてDAIGOがメッセージを届けた。
「ありがとう! 本当にみんなの声が嬉しい。ロックなBREAKERZをお見せできることは、俺たちにとって本領発揮で、しかも大人なBREAKERZもお見せできる。こういうテーマでやれる日ってそうそうないからね。俺たちもちょっとずつ初老に足を踏み入れている中で、かわいい曲も、ある意味まだかわいくできちゃう。そういう魅力が詰まったバンドなんですけど、大人のBREAKERZもいい感じでしょ? 僕もバラエティ番組に出たり、役者をやったりとか、いろいろやっている中で、「BREAKERZのDAIGOが一番カッコいい」ってよく言われるんです。みんなもそう思ってるかもしれないですけど、言わせてもらっていいですか? そんなの当たり前じゃん! 今日はカッコいい俺たちを存分に堪能していただきたいと思います」──DAIGO
そして、「18年熟成させていい味わいになっていると思います」という曲紹介通り、最新アルバム収録曲「Bintage」は音源以上にアダルトなテイスト。今のDAIGOならではの豊かさを感じさせるボーカルと、甘く柔らかなAKIHIDEとSHINPEIのギターの絡みも芳醇だ。琥珀色の世界に酔いしれたところで和洋折衷のサウンドとメロディのエモさのバランスが心地いい「月夜の悪戯の魔法」が届けられ、ストールを曲調に合わせて巧みに使ったDAIGOのアクトもさすがだった。
楽器陣のソロパートがふんだんに盛り込まれたインストナンバーを挟んで、披露されたのはアルバム『CRUSH&BUILD』からのレアなナンバー2曲。エモーショナルなロックチューン「gimmick?」は道化師のような報われない恋が歌われ、AKIHIDEのロングトーンが冴えるソロが、切なさを加速させた。SHINPEIのストロークで始まる「SUGAR BABY」では会場がコールしながら拳を突き上げ、大盛り上がり。そのエンディングではDAIGOがマイクスタンドを宙高く掲げた。
いよいよライヴは後半戦へ。客席との掛け合いも熱い「激情」がさらに場内を熱くさせ、ハードロックテイストの「She Is Devil」ではAKIHIDEとSHINPEIが左右のお立ち台に立ち、アグレッシブなアクト。セクシーでアダルトな曲縛りということもあって、この日のセットリストは表現力豊かでエッジの効いた曲が大半だったのだが、だからこそ、BREAKERZのバンドとしての魅力、客席との一体感が際立つアクトだったように思う。


コール&レスポンスとジャンプで盛り上がる「FAKE LOVE」は、まるでステージと客席の愛の交換。ダンサーが再び、登場した禁断のナンバー「REAL LOVE」では「今日もたっぷり俺たちのことを虐めてくれますか? いじってくれますか? たっぷり、可愛がってくれますか? この18年で一番乱れまくろうぜ!」と煽り、DAIGOが首のチェーンをダンサーたちに引っ張られて、客席に降りて歩きながら歌うパフォーマンスが刺激的。続いてAKIHIDEとSHINPEIが客席通路でギターを弾きまくる光景も胸を熱くさせた。恒例のステージお立ち台でのDAIGOとAKIHIDEとのディープな絡みも、もちろん、健在。客席を陶酔させて本編が終了した。
そしてアンコールでは、さらなるサプライズが。「新しいBREAKERZを感じて欲しいという想いがあるので、今日はもう1曲、新曲をやろうかなと思ってます。この曲も今日のテーマにピッタリの深い愛を描いた大人の楽曲になっています」と前置きし、「Lost Heaven」が披露された。音源になる前の新曲が2曲も届けられるとは、集まったファンは想像もしていなかっただろう。そして、その曲たちはDAIGOの言葉通り、R-18ならではの艶っぽさがありつつ、過去のBREAKERZともクロスする魅力に溢れていた。



アンコールのMCではそれぞれが今の心境を語った。DAIGOは7月25日に開催されるA.B.C-Z主催イベント<A.B.C-Z CONNECTION Vol.1>に出演することの嬉しさや、9月に2008年のミニアルバム『アオノミライ』と3rdアルバム『BIG BANG!』収録曲をフィーチャーした全6公演のツアー<BREAKERZ LIVE TOUR 2025 -RETURNZ->を開催することを報告。
SHINPEIは「心から最高だと思えるバンド」であると、自身にとってのBREAKERZを定義づけ、AKIHIDEは「メンバーやファン、スタッフと重ねてきた月日があるからこそBREAKERZがカラフルな側面を持つバンドに進化していった」と伝えた。年月の中で深まった絆を感じさせる3人のやりとりも客席を沸かせ、DAIGOは「いろいろなターニングポイントがある人生の中、ただひとつだけ言いたいのは」という前置きをつけて、「それぞれのターニングポイントでBREAKERZを選んでくれた皆さんの、その選択だけは間違いじゃなかったってずっとずっと思わせる、そんなバンドでいたいと思います!」と宣言した。
そして「この18年の中でマックスの勢いでタオルを振りまくってくれ!」と煽り、後半に行くほどに増し増しのエネルギーで「灼熱」を投下。DAIGOが拡声器で歌い、AKIHIDEとSHINPEIのツインリードも見せ場の「BROKEN」でステージとファンが熱を思いきりぶつけ合い、酷暑の夏を上回るような焼けつくアクトで18周年の攻めのライヴを締めくくった。

披露された2曲の新曲を含め、再来年の20周年に向けて加速するBREAKERZの未来予測は、本ライヴにヒントが隠されているのか。想像するほどに楽しみだ。
取材・文◎山本弘子
撮影◎MASA
■<BREAKERZ 18th Anniversary Live R-18>2025年7月21日(月/祝)@東京・品川インターシティホール SETLIST
01 R-18
02 NO SEX NO LIFE
03 Dark Night
04 SECRET GIRL
05 BUNNY LOVE
06 EMILY
07 BAMBINO ~バンビーノ~
08 愛×檻
09 Blue Moon
10 Bintage
11 月夜の悪戯の魔法
12 gimmick?
13 SUGAR BABY
14 激情
15 She Is Devil
16 FAKE LOVE
17 REAL LOVE
encore
18 Lost Heaven
19 灼熱
20 BROKEN

■<BREAKERZ LIVE TOUR 2025 RETURNZ -アオノミライ× BIG BANG!->
9月06日(土) 福岡・DRUM Be-1
9月13日(土) 北海道・札幌cube garden
9月15日(月/祝) 神奈川・新横浜NEW SIDE BEACH!!
9月19日(金) 愛知・Electric Lady Land
9月20日(土) 大阪・OSAKA MUSE
9月23日(火/祝) 東京・渋谷ストリームホール
●Support Member
Bass:Matsu
Drums:響(摩天楼オペラ)
▼チケット
◯TEAM BREAKERZ会員限定プレミアムチケット:¥19,800(税込)
・限定販売69枚
・前方エリア観覧(スタンディング)
・リハーサル観覧(約15分)
・握手&撮影会
・直筆サイン入りオリジナルデザインパス付き
※ファンクラブ会員限定販売
※枚数制限:お一人様1枚まで
◯スタンディング:¥8,500(税込)
※枚数制限:お一人様2枚まで
◯18歳以下キャッシュバック:18歳以下の方は当日会場にて¥3,000キャッシュバックいたします。
一般受付:7月26日(土)10:00~
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