ロックンロールのパイオニア、リトル・リチャードが死去

ポスト

ロックンロールの先駆者の1人で、ザ・ビートルズ、エルトン・ジョンら多くのミュージシャンに影響を与えたシンガーのリトル・リチャードが、5月9日、87歳で亡くなった。骨に発生する癌を患っていたという。

◆リトル・リチャード画像

1932年12月5日、米ジョージア州で、信心深い両親のもとに誕生したリチャード(本名:リチャード・ウェイン・ペニマン)は、幼いときから教会で歌い始め、1947年14歳のとき、シスター・ロゼッタ・サープの目に留まり、彼女の公演のオープニング・アクトに招かれた。それを機にプロのシンガーになることを目指し、さまざまな公演に出演。両親が“悪魔の音楽”と見なし規制していたというR&Bを歌うようになった。

50年代初めにはレコード契約を結び、1955年にリリースした「Tutti Frutti」で全米R&Bチャートの2位を獲得。その後、「Long Tall Sally」「Slippin’ And Slidin」「Rip It Up」「Lucille」など立て続けにヒットを飛ばし、スターの地位を確立。ヴォーカルそのものに加え、独自のパフォーマンス・スタイル、きらびやかな衣装、陽気な性格なども際立ち、後世のミュージシャンに多大な影響を与えることとなる。LGBTどころかまだ人種差別がはびこる時代にカミングアウトもしていた。

リチャードの訃報に、60年代初め、彼の公演で前座を務めたザ・ビートルズのリンゴ・スターは「リトル・リチャードを偲ぶ夜」と、ザ・ビートルズのメンバーがリチャードを囲む写真をSNSに投稿している。



エルトン・ジョンは、「間違いなく―音楽、ヴォーカル、ヴィジュアルの面で―彼は僕に最大の影響を与えた。10代のとき彼のライブを観たのは、当時、僕の人生で最もエキサイティングな出来事だった」「彼の曲はいまでも新鮮で、“Tutti Frutti”のオープニングのサウンドは音楽の歴史における最大の革命だ」「多くの人に影響を与えたかけがえのない人。真のレジェンド、アイコン、自然の力。RIP」と追悼の言葉を寄せた。



合掌。

Ako Suzuki
この記事をポスト

この記事の関連情報