プリンス追悼、製作中の“SYMBOL”ギター工場潜入レポ
本年、ロサンゼルスのアナハイムで開催された<NAMM Show 2016>の現地から、様々なアーティストの突撃インタビューをBARKSに届けてくれていたジャーナリストSayaka Shiomiから、非常に貴重な情報が寄せられた。
◆プリンス“SYMBOL”ギター画像
これは、2015年8月にプリンスが<Piano & A Microphone Tour>で使用するために製作されていたPRINCE“SYMBOL”ニューモデル(紫色)で、Sayaka ShiomiがSchecter Guitar Factory(ロサンゼルス北部)で取材していたものだ。
プリンスのギターは既に4本程過去に制作されているが、2016年ツアーの為に今回新たにオーダーが入ったもので、既に使用されている金のモデルをもう一度寸法を取る為にプリンス本人から工場に返却され、製作されたもの。ピックアップはEMGを搭載している。
“SYMBOL”はシグネチャーモデルは製作されておらず、販売もされていない。全て彼の為のハンドメイド制作だが、実は、制作を担当しているのはアメリカ工場で働く日本人だ。今回の写真は、工房内でも他の人が勝手に触らない様に厳重に管理されてあった物を特別披露してもらったもので、この時点でおおよそ70%の完成度だという。急げば早くできるものが、既に4ヶ月程製作時間が費やされており、まだまだ時間をかけてじっくりと丁寧に隅々まで加工していくという段取りを踏むところだった。実物を手にしてみると、小柄なプリンスにとっては大きなボディに見えるものの、実際は非常にコンパクトで軽い作りとなっていたという。
ボディはソリッドのマホガニー単板で、スルーネック部分はメイプルが使用されている。シェクターギターのShigeki氏によると、通常のギターとは形状が大きく異なることで、フレットの打ち込みがとてもやりにくいのだそうだ。また塗装もパープルにメタリックを入れることで、塗装の難度も上がってしまうという。
1月よりツアーは始まっており、誰も想像だにしなかったあまりの急逝に、世界中がプリンスロス状態に打ちひしがれている状況だ。あまりにも若過ぎる死と近年の大物ミュージシャンが続々と旅立つニュースに胸が痛む。R.I.P.
情報提供:Sayaka Shiomi
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