【イベントレポート】<クイーン来日40周年記念イベント>、一瞬にして40年前にタイムスリップ
クイーンが初来日を果たしてちょうど40年。4月17日(金)に羽田国際空港旅客ターミナル内のTIAT SKY HALLで記念イベントが開催された。
◆<クイーン来日40周年記念イベント>画像
1975年4月17日、羽田空港に降りたクイーンを迎えたのは1000人を超える熱狂的なファンだった。デビュー3年目の新人だった彼らはこの大歓迎に大いに驚き、以来、大の親日家となる。又、この初来日公演を機にクイーンはスーパー・スターへの道を駆け上がる。クイーンと日本のファンが"手をとりあって”繋がった最初の日でもある4月17日は「クイーンの日」に制定され、この思い出の地である羽田空港で開催されたのが<クイーン来日40周年記念イベント>だ。
クイーンのメンバーが出演しないイベントにも関わらず、チケットは完売していた。入場時には1975年の初来日公演時のデザインを復刻したメモリアル・チケットが配布され、19時ちょっと過ぎにイベントスタートとなった。40年前にメンバーが羽田空港の到着ゲートに表れたのと同時刻だ。
冒頭、司会者より「クイーンの日」制定の報告があり、羽田空港に降り立ったシーンや滞在中の模様を紹介したドキュメント、武道館公演の映像が約20分にわたって上映された。その後、トリビュート・バンドQUEER(クイーア)が登場し、セカンドアルバム冒頭の「プロセッション」が場内に響き渡るとファンの期待と高揚は否が応にも高まる。1曲はサードアルバム『シアー・ハート・アタック』から「誘惑のロックンロール」。ライブ・パフォーマンス第1部は1975年武道館公演のセットリストの再現だ。前半は様子を見守るかのように静かな対応だったオーディエンスも、「キラー・クイーン」のイントロが流れるやせきを切ったように立ち上がり、懐かしのナンバーの応酬に元ティーンエイジャー世代は一緒にして40年前にタイムスリップしたかのようだ。初期クイーンのライブ名物であるドラムソロや、ディレイを駆使したギター・オーケストレーションも披露され、元ロック小僧のオヤジ世代ファンの目を潤ませた。
約40分のQUEER(クイーア)のライブ・パフォーマンスが終わると間髪入れずトーク・ショー・コーナーへ突入となった。このイベントの企画構成を担当したクイーン評論家の石角隆行がトーク・ゲストを呼び入れる。フレディ・マーキュリーの専属として全ての来日公演でガードマンを務めた伊丹久夫は、当時の追っかけファンにはお馴染みの人気者だ。小林のり子は、1976年の2回目の来日以降、通訳を担当し地方公演を含め全日程に帯同した人物。そして、この日たまたま会場に来ており急遽トークゲストに参加した宇都宮カズは、初来日から去年のサマソニまで全ての来日公演に関わったスタッフの重鎮だ。
スクリーンに映された1975年、1976年の詳細な滞在スケジュールを見ながら、秘蔵のエピソードが披露された。メンバーの中でいちばんのジェントルぶりを見せたのはブライアン・メイ、ちょっとした行き違いでフレディ・マーキュリーをすねさせた話など、スタッフとして内側から見た貴重な話が次々に飛び出してくる。1982年の札幌公演の後にサッポロビール園を貸し切って行われたメンバー/スタッフ全員参加の大打ち上げパーティーの模様や、最後のツアーとなったMAGIC TOUR(1986)直後に来日したフレディのプライベート・ショットなど、レア中のレアな写真がスクリーンに映し出され、ファンは大喜びだ。3人のゲストが披露する話が面白過ぎて予定時間を大幅に過ぎる結果になったほどだ。
1979年3度目の来日公演時の衣装でQUEER(クイーア)が登場し、ライブ・パフォーマンス第2部として1970年代クイーンのベストヒットが披露された。アルバム『華麗なるレース』冒頭のSEが流れるや場内はざわつき始め、1曲目の「タイ・ユア・マザー・ダウン」から総立ち状態だ。ロジャー・テイラーのドラミングでのちょっとした仕草、ジョン・ディーコンの動く際の足の上げ方といった細か過ぎるところまでも再現するQUEERの完璧ぶりには、クイーン全ての公演に立ち会って来た宇都宮カズをも唸らせるほどだった。本編ラストはクイーン唯一の日本語曲「手をとりあって」で、演奏者、オーディエンスが一体となった大合唱大会となった。
アンコールでは、フレディ役のBulsaraが着物を羽織って登場してきた。これは1976年の2回目の来日公演のアンコールと同じだ。オリジナル・アルバムにも収録されてない初期ステージでのレア曲「ビッグ・スペンダー」の演奏が終わると、パッと着物を脱ぎ捨て赤白ストライプのホットパンツ姿に速変わり。これは1976年来日時の出で立ちだ。最後はお約束の「ウィ・ウィル・ロック・ユー」~「伝説のチャンピオン」~「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」で締め、2時間30分を超えるクイーン・ファン大満足のイベントが終了となった。
開催日、開催場所、開演時間にオリジナル・チケット復刻、40年前の来日公演スタッフ招集、オリジナル衣装再現と細部の細部までこだわった主催者のクイーン愛が伝わって来るイベントだった。
<クイーン初来日40周年記念~The Queen Day~>
●QUEER LIVE 第1部/1975年日本武道館セットリストより
OP.SE:プロセッション(QUUEN Ⅱより)
1.誘惑のロックンロール/NOW I'M HERE
2.オウガ・バトル/OGRE BATTLE
3.ホワイト・クイーン/WHITE QUEEN(As It Began)
4.キラー・クイーン/KILLER QUEEN~マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン/THE MARCH OF THE BLACK QUEEN~リロイ・ブラウン/BRING BACK THAT LEROY BROWN
5.炎のロックン・ロール/KEEP YOURSELF ALIVE~ドラムソロ~ギターソロ~サン・アンド・ドーター/SON AND DAUGHTER
6.神々の業/IN THE LAP OF THE GODS...revisited
●トークショー
ゲスト:伊丹久夫(フレディ・マーキュリー専属ガードマン)
宇都宮カズ(75年の初来日から、 2014年のサマソニまで全てのクイーン来日公演に関わる)
小林のり子(1976年以降2回目の来日から通訳を担当)
司会:石角隆行(クイーン評論家)
●QUEER LIVE 第2部/1970年代のクイーン代表曲より
OP.SE:オーバーチュア(華麗なるレースより)
7.タイ・ユア・マザー・ダウン/TIE YOUR MOTHER DOWN
8.愛にすべてを/SOMEBODY TO LOVE
9.アンダー・プレッシャー/UNDER PRESSURE
10.ボヘミアン・ラプソディ/BOHEMIAN RHAPSODY
11.手をとりあって/TEO TORRIATTE(Let Us Cling Together)
ENCORE
12.ビッグ・スペンダー/BIG SPENDER
13.ウィ・ウィル・ロック・ユー/WE WILL ROCK YOU
14.伝説のチャンピオン/WE ARE THE CHAMPIONS
15.ゴッド・セイブ・ザ・クイーン/GOD SAVE THE QUEEN
◆イベントオフィシャルサイト
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