【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.9「クイーン+アダム・ランバートを観にドイツ遠征!感動の2公演」
いってきました。クイーン+アダム・ランバートのコンサートを観にドイツのベルリンとハンブルグに行ってきました。
◆クイーン+アダム・ランバート画像
その昔高校生の時、クラスメイトの友達にこれいいから聴いてみてとクイーンのLPレコードを渡されたのが洋楽を聴くきっかけになりました。それまで邦楽の歌謡曲オンリーだった私はうわぁー海外にはこんなバンドがいるのかと衝撃を受け、今から思うとこれがきっかけで海外に興味を持つようになり、なんと今はフィンランドに住んでるなんて人生どこでどうなるかわからないもんですね。
私がフィンランドにやってきたのが1991年5月。同年の11月にTVのニュースでフレディが亡くなったことを知りました。当時まだフィンランド語はほとんどわからなかったものの「The Show Must Go On」をバックに流れたニュースがフレディが亡くなったことを伝えるものだとすぐにわかり涙が出たのを覚えてます。当時はパソコンやインターネットなどない時代で、こちらに来てまずはフィンランド語の勉強と子供が生まれてからは育児に専念。その後クイーンがどうなったのか知りませんでした。2012年の冬だったと思いますが、YouTubeでたまたまクイーンのヨーロピアン・ミュージック・アワード出演時の映像を観たのですが、その時のヴォーカルが今クイーンのヴォーカルとしてツアーしているアダム・ランバート!YouTubeの映像だったのに彼の歌唱力とパフォーマンスにとても感動してしまいすっかり心を奪われてしまいました。あのクイーンの歌をフレディ以外にこれほどに歌いこなすシンガーがいたとは!クイーンのブライアン・メイとロジャー・テイラーもこれまでのインタビューで語っています。シンガーを探していたわけでなくアダムが現れた。彼はまれに見る歌唱力の持ち主でクイーンの曲を真似せず歌いこなせる数少ないシンガーだと。さらには彼は神が与えてくれたギフトだとも。
昨年6月19日アメリカのシカゴを皮切りにスタートしたクイーン+アダム・ランバートの北米ツアーの映像を追っていると実際に観たい気持ちがどんどんどんどん膨れ上がってくるばかり。昨年夏のサマーソニック出演が発表された時には一時帰国しようかどうか悩んだぐらい。でもUKバンドでロンドン公演がないなんてことはないはず。もしかしたらヨーロッパツアーがあるかもしれないと帰国はあきらめ待つことに。そしたらやったー!!!予想的中!UKとヨーロッパツアーが発表になった!残念ながらフィンランドがなかったものの、これを逃したらもうこのあとツアーはないかもしれないと思い、なるべく近場で2公演可能な場所を選んだらベルリンとハンブルグになりました。2公演行くなら違った角度から観たいと思い、ベルリンではスタンド席から全体を眺め、目の前でもみたくてハンブルグではスタンディングにすることに。
両会場ともセットリストは同じでオープニングナンバーは「One Vision」!ステージにはクイーンのロゴが描かれた幕が下ろされ、イントロにつながるようなサウンドがずっと流れていて、それが大きくなってきたかと思うと幕の後ろのライトが点滅を始め、おぉぉぉぉいよいよ始まるとテンションが高まる。ギター音と同時にブライアン・メイのシルエットが映し出されたかと思うと、幕が上にさぁーとあがり、ステージ中央にはヴェルサーチのスタッドつき革ジャンを着たアダム・ランバートが登場!最初の4曲はこの衣装でクールにかっこよくロッケンローに歌ってきかせるアダム。ステージ中央には巨大なQ型の枠がついたスクリーンがあり、Qの字がキャットウォークステージへと続いていて、ブライアンのギターでかっこよく始まる「Fat Bottomed Girls」の最後はそのキャットウォークの途中まできて、"Get on your bikes and ride"でめちゃくちゃクールにセクシーに決めるアダム。「Seven Seas Of Rhye」はキラキラ輝くサウンドでスクリーンのQ枠が光を放ちながら降りてきてさらにキラキラ感を増すのであります。
今回のツアー中、一公演終わるごとに一番に探すのが「Killer Queen」の映像。この曲は上流階級の高級娼婦を歌ったものらしいですが、キャットウォークステージに持ち込まれたビクトリア朝っぽいカウチに横たわり、扇子をパタパタ!マイクをぺろっと舐めたり表情豊かに高級娼婦になりきり歌うアダムがすごくチャーミングな1曲。曲の最後の方ではブライアンもカウチのそばにやってきておなじみのキラークイーンのキラーフレーズをきかせてくれます。シャンパンボトルで乾杯するアダムにあきれ顔をするブライアン。このかみ合いがなんとも心を和ませてくれます。そして口に含んだシャンパンをぴゅーーーーと観客に向かって飛ばします。「ぬれた?ごめん。でもこれが俺の仕事なんだ。ロッケンロール!」(笑)
ハンブルグではこのステージ前2列目に陣取れ、この曲のパフォーマンスを目の前で見れて最高に幸せでした。アダムはこの曲の後のスピーチでこうやってクイーンのステージに立ってるなんて信じられない。俺にこのチャンスを与えてくれてありがとう。自分はとってもラッキーでハッピーだとハンブルグではブライアンとロジャーに投げキッス。俺がここにいる理由はただひとつ。フレディ・マーキュリー!今日はみんなで一緒にフレディとこのバンドを祝おう!なぜこのバンドを愛することになったかの原点に戻ってと語ると大きな歓声が!「恋してる人?」「じゃ自分に恋してる人?」「俺恋なんてしてなくて寂しいからお願いがある。誰か俺に愛する人を探してくれ。」と始まるのが「Somebody To Love」!この曲の最後のフレーズでは"Somebody toooooooooooo------"と音を伸ばす伸ばす!これだけ伸ばせるシンガーはそうそういないだろう。
中盤にさしかかってくるあたりでブライアン・メイとロジャー・ティラーが歌うパートがあります。キャットウォークステージで椅子に座りアコースティックギターを弾きながらブライアンが歌う「Love Of My Life」には胸がじーんときます。曲の最後の方でスクリーンにフレディの姿が映し出されるのですが、いろいろな思いが押し寄せたのか曲が終わるとブライアンが涙ぐんでるようにみえました。そのあとは今回のツアーでお決まりになったセルフィータイム。自撮リ棒に設置されたカメラで観客をバックに自分をいれ会場内を端から端までぐるーと撮影します。この映像は毎回ライブ後にUPされています。セルフィー撮影のあとはツアーメンバー紹介。
ロジャー・ティラー(ドラム)、ロジャーの息子さんルーファス・ティラー(パーカッション)、ニール・フェアクロウ(ベース)、スパイク・エドニー(キーボード)。アダムは一休みで皆で「'39」を楽しく演奏。ロジャーと息子さんルーファスはこのときタンバリンで、ハンブルグではロジャーが息子さんのおしりをタンバリンで叩いておりました(笑)。「A kind of magic」ではロジャーがヴォーカル。ロジャーは見た目もしぶくなりましたが、声もちょっとハスキーに渋くて素敵。ベースソロもあればロジャーとルーファス親子の迫力満点ドラムバトルもあり、「Under Pressure」はロジャーとアダムのデュエット。
今回のUK&ヨーロッパツアーからセットリストに入った「Save Me」はステージ横のバルコニーでアダムのアカペラで始まります。この曲から「Who Wants To Live Foever」に入るあたり感情が入り込んでて泣かせます。このときキャットウォークステージの上からミラーボールが降りてきてステージに光が降り注がれ演出効果もう抜群で感動!ここでうるうる涙腺を緩ませた後はなんとも素晴らしいブライアンのギターソロ。会場中に放出されるレザー光線の半端ない数と演出が不思議な空間を作り出し、ブライアンのギターソロとあわさりなんだか別空間を漂っているかの感覚。
「Tie Your Mother Down」の後には会場を左右にわけ"Give me all your love tonight"を自分の後に歌わせ合唱対決。ハンブルグで最初にやった左側は声が小さすぎこけるアダム。やり直したら大きくなった(笑)。「Radio Gaga」では観客もそろってお決まりで手をパンパン。後半ではステージを降りてきてキャットウォークステージの周りを歩くのでやったぁー!手をタッチ!そのあとブライアンがアダムの紹介!「ニューマンをどう思う?」ときくと大きな歓声が!UKツアーであった「Don't Stop Me Now」が、ヨーロッパ本土に入りパリ公演ではなくなり「The Show Must Go On」がセットリストに加わったもののしばらくこの曲はやってなかったのですが、なんと私が行った両会場ではやってくれたんですね。イントロが聴こえてきた時にはほんとに嬉しかった。フレディはなくなってしまったけど、こんなに素晴らしい曲がたくさんあるのに活動やめてしまったらもったいない。まさにショー・マスト・ゴー・オン!
アンコール前の最後の曲は「Bohemian Rhapsody」!この曲ではフレディもスクリーンに登場!巨大スクリーンでみるオペラ部分は圧巻!最後はアダムとフレディが交互に歌いメンバーがステージを去るとアンコールを求める拍手と声が鳴り響きます。
しばらくすると聴こえてきた!ズンズンチャ!! ロジャーのドラムで「We Will Rock You」がスタート!豹柄のスーツに王冠をかぶったアダムが登場!最後の最後は「We Are The Champion」とクイーンの名曲が続き会場中大合唱!金吹雪が舞い歓声がアリーナいっぱいに響き渡る。あぁ終わった。2時間20分ほどのコンサートでアダムは衣装がえ5回!クールにセクシーにチャーミングに感動的に見せて聴かせる最高のパフォーマンスを披露してくれました。そしてブライアン・メイとロジャー・テイラー、長いキャリアがあるだけにさすがの素晴らしいプレイ!あぁもうただただ感動!ドイツまでいってよかった。素晴らしいショーをありがとう!このツアーの一部に参加できた自分はとってもラッキーでした。
Thank you so much for those amazing shows!!!!
~セットリスト~
・One Vision
・Stone Cold Crazy
・Another One Bites The Dust
・Fat Bottomed Girls
・Lap of the Gods
・Seven Seas Of Rhye
・Killer Queen
・I Want To Break Free
・Somebody To Love
・Love Of My Life
・'39
・A kind of magic
・Bass Solo
・Drum Battle
・Under Pressure
・Save Me
・Who Wants To Live Forever
・Guitar Solo
・Tie Your Mother Down
・I Want It All
・Radio Gaga
・Crazy Little Thing Called Love
・The Show Must Go On
・Bohemian Rhapsody
〈アンコール〉
・We Will Rock You
・We Are The Champions
レポ:Hiromi Usenius
◆【連載】Hiroのもいもいフィンランドまとめページ
この記事の関連情報
クイーン『伝説の証 - ロック・モントリオール1981』、5月10日に発売決定
【ライブレポート】クイーン+アダム・ランバートのライブに見る、歴史と現在の先にあるもの
【ライブレポート】クイーン+アダム・ランバートによる壮大なロック美学
クイーンのトリビュートバンド・GOD SAVE THE QUEEN、5月にジャパンツアー
GLAY、クイーンのドームツアー札幌公演にスペシャルゲストで出演決定
トニー・アイオミとブライアン・メイ、「Paranoid」をジャム
『第74回NHK紅白歌合戦』曲目が決定
ポール・ロジャース「フレディ・マーキュリーの代わり、簡単ではなかった」
ブライアン・メイ、フレディ・マーキュリーの遺品オークション「悲し過ぎて見られない」