【インタビュー】T.M.Revolution、新曲「Phantom Pain」で「T.M.R.の使命が全う出来たかな」

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T.M.Revolutionが9月3日、ニューシングル「Phantom Pain」をリリースする。前シングル「突キ破レル -Time to SMASH!」から約1ヶ月。2ヶ月連続リリースとなる新曲は、喪失による痛みをドラマチックに歌い上げるパワーバラード「Phantom Pain」だ。T.M.Revolutionにとってバラード作をシングルリリースするのは実に9年ぶりのこととなる。おまけに同曲は、“掻きたい、でも掻けない…”と西川自身が出演し、歌って大反響を呼んでいる池田模範堂「デリケアエムズ」CMソングのリリックを替えたものであり、同ミュージックビデオは、西川貴教がCMと同じシチュエーションで歌唱シーンにのみ登場するほか、男女2人がメロドラマさながらの物語を繰り広げる大胆な仕上がりとなった。インタビューでは本作の制作秘話から、20周年に向けた意気込み、そして目前に迫った<イナズマロック フェス2014>まで、西川貴教に語ってもらった。

◆T.M.Revolutionコメント動画

■本来の順番を逆にするというか、替え歌から先に出す
■みたいなことができたら面白いんじゃないかなと思って

──デリケアエムズのCM、あれがテレビで流れるたび、ついついジーッと見入っちゃいます(笑)。

西川:ご覧いただいた方がみんな言ってくださるんですよね、「なんでこのCMを引き受けたの?」って。まぁ、それを聞いて“しめしめ”という感じなんですけど(笑)。そう思わせたくて受けたくらいですから。

──もともとCMのお話があった時点で、“股間が痒い”みたいなワードも出てたんですか?

西川:そうですね。ただ当初は“T.M.Revolutionの過去曲を使ってコミカルなCMを”というお話だったんですよ。でも、最近はYouTubeでも過去曲に替え歌を乗せて歌ってたりしますし、Vocaloidもあるから好きな歌を乗せられるじゃないですか。だから、もとになる曲があって、そこに時を経て違う歌詞を乗せるっていうのはありがちかなと思ったので。

──なるほど。そこで新たな発想を逆提案したわけですか?

西川:そう。だったらまったく新しい曲をガッツリ作って、リリックだけそれ用のものに替えるのはどうかなと。要は、本来の順番を逆にするというか、替え歌から先に出す、みたいなことができたら面白いんじゃないかなと思ってご提案させていただいたんです。

──それがあのCMソングになったんですね? ただ、その発想ってすごく面白いですけど、アーティストにとってはいろんな危険をはらんでますよね?

西川:もう、あの歌詞にしか聞こえないって言う人もいますからね(笑)。この間『MTV VMAJ 2014』で初めてフルサイズの「Phantom Pain」を歌わせていただいたんですけど、ちゃんとした歌詞が乗ってるにも関わらず、「サビがあのCMにしか聞こえない」っておっしゃる方とかいて。まぁ、それはそれでいいかなと。自分的には、いい音楽を届ける、感動を届けるっていうことの他に、人がクスッと笑ってくれたり、何か引っかかるものを作るっていうこともT.M.Revolutionの使命だと思っているので。今回それが全う出来たかな、というところで良かったなと思ってます。

──作り方としてはCMヴァージョンのほうが先だったんですか? それともフルサイズの「Phantom Pain」のほうを先に?

西川:両方を見渡して、という感じだったかな。で、ミュージックビデオもCMの映像と連動性を持たせながら作っていったんですけど。

──ミュージックビデオがまたドラマティックで。男女それぞれの視点からひとつの事柄が全く違うものとして描かれています。このアイデア自体も西川さん発信のものですか?

西川:根底となるものがあって、その調整をしましたね。監督はCMと同じ方なんですが、やっぱりドラマを撮るのが上手くて。

──楽曲「Phantom Pain」は喪失による痛みを歌い上げる切なく壮大なパワーバラードで、西川さんの歌そのものを堪能できる曲になっていますね。

西川:個人的にはオケがもっと少なくてもいいかなと思ったんですけど、そこはまぁ、T.M.RevolutionがCMをやりますってことなので、それはそれとして。今後ライヴやいろんな形で届ける時に違う聴かせ方もできますし、カップリングの曲はこれからなんですけど(※取材時)、前作「突キ破レル-Time to SMASH!」のメイキングビデオを観たファンのみなさんの感想なんかも受けて、次の布石になるようなものを入れられたらなとは思ってます。

──ということは、今後デジタルなサウンドと生音の両方を、2本柱として全面的に提示していくこともありえるわけですか?

西川:T.M.Revolutionはずっとそうやって積み重ねてきましたからね。もとよりCDの音作りとライヴでは全然違うアレンジでやってきましたし。

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