Universal Music Group、米国でのCD販売価格を1000円以下に。

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レコード会社最大手グループであるUniversal Music Groupが、米国でのCDの販売価格を実験的に値下げする予定であることを今月19日に発表した。

Universal Music Groupは、これから販売される現行アーティストのアルバムについて、10ドル(およそ927円)、もしくはそれ以下の値段に下げるという。この価格調整は、iTunesや米Amazonなどにおけるデジタル販売価格との価格差を考慮したものだという。CD1枚あたりの利益は減少するものの、セールスが伸びることによってその損失は相殺される見込み。なお、この値下げ計画には、あわせてデラックス・エディションなどの高価格設定のCDの売り上げ増に加え、アルバム収録曲数を減らしたり、シングルCDのリリース量を減らすことでコスト削減を図る計画も折り込まれている。一部の例外はあるものの、今年の第2四半期からこの値下げ計画は実施され、その初のタイトルにはザ・ゲーム(the Game)やタイオ・クルーズ(Taio Cruz)の新作が含まれる予定。Universal Music Group Distributionの会長/最高責任者であるジム・ウーリー(Jim Urie)氏は、「これにより、物理フォーマット(CD)に新たな生命を吹き込むことになると我々は考えています」と述べている。

この値下げが実現すれば、Universal Music Groupが10ドルに設定したCDは、小売店での価格が7.5ドル(およそ695円)になるという。米国最大手の音楽/ビデオ小売専門企業のTrans World Entertainmentのボブ・ヒギンス(Bob Higgins)会長はこの発表について、「これこそ消費者の望んでいたことだ」と述べた。一方で、大手小売チェーンのNewbury Comicsの最高責任者マイク・ドゥリース(Mike Dreese)氏は、他のメジャー・レーベルやインディペンデント・レーベルも追従する必要があるとコメントしている。

Universal Music Groupは、マライア・キャリー(Mariah Carey)、レディ・ガガ(Lady Gaga)、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)、カニエ・ウェスト(Kanye West)、U2、リアーナ(Rihanna)、ニーヨ(Ne-Yo)、ノー・ダウト(No Doubt)など世界的な人気を誇るアーティストを数多く抱えている。Nielsen SoundScanによれば、全米での年間アルバム・セールスにおいて同グループは全体の28.7パーセントを占めるという。

◆タイオ・クルーズ Artist Info(bmr.jp)
◆タイオ・クルーズ Artist Video(bmr.jp)
text by bmr.jp
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