ビークル・ケイタイモ、お面の向こうの素顔の巻

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前回、レポしたBEAT CRUSADERS Presents<BOYZ OF SUMMER '09>のちょいとした続きであります。

BEAT CRUSADERSのライブ中、パートチェンジによるCHew-STie BOYZでベースを弾いたのが、バンドではキーボードを担当するケイタイモ。彼はBEAT CRUSADERS加入をきっかけにキーボードを弾くようになったのだが、実はもともとベーシスト。MONG HANGというアバンギャルドかつユニークなサウンド・スタイルのバンドでも活躍していた。楽屋裏でそんな話をしていたところ「年末におもろいセッションあるから、遊びに来ちゃえばいいじゃない」ってなことに。

◆ビークル・ケイタイモ、お面の向こうの素顔の巻 ~画像編~

そんなお誘いにちゃっかり乗っかって、12月30日、渋谷7th floorに行っちゃいマシータ。この日はセッション中心のライブで、合計6バンドが出演。4番目に登場したのがケイタイモのセッション。メンバーはベースのケイタイモの他、Jimanica(Ds)、NATSUMENのAxSxE(G)、木村カエラのサポートなどで知られる中村圭作(Piano&kb)、Superflyのサポートなどを務めるゴセッキー(Sax)。5人は顔見知りだったりするが、一緒に音を出すのは初めてで、しかもリハなしの一発勝負! プレイヤーとしての引き出しの多さと瞬発力がなけりゃ、とてもじゃないがビビっちゃって出来ません。

プオーッとゴセッキーがサックスを吹き始めると、そのフレーズに刺激されたようにメンバーそれぞれが音を出し始めた。最初はアイコンタクトしながら、お互いを探り合うように静かで繊細なフレーズで語り合う。ケイタイモは、フレットレス・ベース独特のヌメッとしたスライドを効かせたフレージング。と思ったら、AxSxEがエフェクトを掛けたノイジーなフレーズを炸裂、それを合図に全員がプレイで自己を解放させる。5人のアンサンブルはスリリングでアバンギャルド。でもって今度は一塊になってダンサブルな感じに変わっていく。ケイタイモもパーカッシブなフレーズを弾きまくる。

この7th floorは、お酒や食事をしながらライブも楽しめるオトナのラウンジ的な会場なんだけど、思わず食事する手も止まるお客さんたち。ジャム・セッションの変幻自在ぶりに、いい意味で口ポカーン。メシなんぞ食ってられないってわけです。

30分ほど白熱したプレイを続けたところで、ゴセッキーが「すいません、今、何時ですか?」と聞く。客席から7時50分と教えられ「よい時間だね。終わろうか」の言葉でセッション終了。さっきまでの緊張感を一気に崩壊させる前衛的な終わり方に、観客は爆笑の図でもあった。その客席にはBEAT CRUSADERSのクボタマサヒコ、Dragon Ashの桜井 誠もプライベートな時間を楽しむために来ていた。またセッション終了後、ケイタイモと桜井は今度やろうと約束も交わしていた。

ケイタイモのセッションは、神出鬼没ゆえに情報も直前にならないと入手できなかったりするが、2010年はなるべく機会を増やしたいそうです。ちなみにライブ写真は“顔はやめなよ、ボディ、ボディ”by山田麗子a.k.a.三原じゅん子の教えで、ケイタイモのボディしか撮らないようにしました。それとケイタイモ愛用のベースは、今ではレアなフレットレス仕様に改造したスタインバーガー。それから2010年の初日の出の代わりとして、セッション直後のケイタイモの後頭部。

長谷川幸信
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