増田勇一の『今月のヘヴィロテ(4月篇)』

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勝手に恒例にさせていただいている「今月の聴きまくり盤」10選をご紹介。毎月このリストと原稿がアップされるたびに「増田さんの音楽趣味、よくわかんないですねえ」なんてことをあちこちから言われるのだが、それは僕自身も同感。しかし人間、常に均一な精神的モードで日々を過ごしているわけじゃないのだから、そのときの気分によって聴きたくなるものが違ってきて当然だし、ある程度“多重人格”気味だったりするほうが人間として普通だと思っている僕としては、今月のラインナップなどはまだバラつきが少ないほうだとも思うのだが。

●R.E.M.『アクセラレイト』
●ファイン・フレンジー『海からの贈りもの』
●ポーティスヘッド『サード』
●コリン・マッキンタイア『ザ・ウォーター』
●D’ERLANGER『the price of being a rose is loneliness』
●ホワイトスネイク『グッド・トゥ・ビー・バッド』
●J『RIDE』
●パニック・アット・ザ・ディスコ『プリティ。オッド。』
●NINE INCH NAILS『GHOST Ⅰ-Ⅳ』
●デフ・レパード『ソングス・フロム・ザ・スパークル・ラウンジ』

今回はNINE INCH NAILSのみ輸入盤。コレを聴きながら地下鉄に乗ってたりすると、なんだか妙にリラックスできたりするのは何故だろう。通常、トレント・レズナーの作るものは良い意味で“原稿書きの邪魔”になることが多いのだが、今回は“言葉”が不在ということもあってか、しっかりとこちらにも呼吸できる余裕が残されている感じ。

自分自身でも意外なほどハマってしまったのがファイン・フレンジーの作品。シアトル生まれでL.A.を拠点に活動する女性シンガー・ソングライター、アリソン・シドルによるソロ・プロジェクトなのだが、超ビッグな歌姫系からアイドル脱皮系まで女性アーティストのリリースがかなり目立っていた今月、僕がいちばん耳にしていたのは彼女の声だったように思う。

他に、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドによる映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のサウンドトラック盤にも抜け出せなくなるような魅力があったし、いわゆる純粋な新譜ではないので選外としたが、チープ・トリックの『コンプリートat武道館(Special Japanese Edition)』が今月の僕にとっての“裏No.1”だったことも記しておきたい。

増田勇一
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