――10周年おめでとうございます。デビュー当時と現在とで、バンドに対する考え方などに変化はありますか?
全員:ないね(笑)。
デイヴ・グロール(Vo&G、以下デイヴ):大して変わんない。おんなじさ。でも1stアルバムはすごくシンプルで、レコーディングもあっという間だったけど、今回の新作を聴くと、演奏もソングライティングも何もかもが、成長してるって感じるよ。ちょっと前に1stの「アイル・スティック・アラウンド」をラジオで聴く機会があったんだけど、オレの声がまるで子供みたいで、ちょっと信じられなかった。10年だもんな……。オレたちはミュージシャンとして、本当に成長したと思うよ。
――世界各国で大ヒットを記録して、グラミー賞も獲得した前作『ワン・バイ・ワン』の成功は、ひとつのターニング・ポイントだったのではないかと思うのですが、振り返ってみてどうですか?
デイヴ:ちょっと変な感じがしたよ。アルバムの4、5曲はライヴでずっとプレイしてたんだけど、残りの半分くらいはそんなにやってないんだ。レコーディングして、地下室のスタジオにそのまま忘れてしまったみたいにね。でもプレイしてる曲っていうのは、ものすごいエネルギーを運んでくるんだよな。
テイラー・ホーキンス(Dr、以下テイラー):オレはアルバム全体が気に入ってるよ。でもおそらく、半分くらいが良かったのかな。まあともかく、あのころのオレたちを反映してる作品だよ。
デイヴ:それに今回の新作にも影響を及ぼしてる。今回オレたちは、これまで以上に一生懸命“いいアルバムを作るんだ”っていう気持ちで取りかかったんだ。ちょっとスタジオに入って、さらっと作ってしまうなんて天才がやることで、オレたちには無理だからね。とにかくさ、オレは前作があんなに成功するなんて思ってもみなかったんだ。イギリスの アリーナでプレイしたり、ビッグ・デイ・アウト(※オーストラリアのフェスティヴァル)でヘッドライナーを務めることになるなんてさ。たくさんのオーディエンスが一緒に歌ってくれて、ほんとに最高の気分だったよ。
――その『ワン・バイ・ワン』の後、メンバーそれぞれのソロ活動もあったようですが、そのことが今作のレコーディングや曲作りなどに影響を与えていることはありますか?
デイヴ:そう思う?
クリス・シフレット(G、以下クリス):もちろんさ。他の人たちとプレイしたり、少し休みを取ったりしたおかげで、“さあやるぞ!”って気分になれた。スタジオ・ワークもエキサイティングに感じられたし。オレは一時的にフー・ファイターズを離れたことで、このバンドへの感謝の気持ちがさらに強くなったね。
デイヴ:不思議なもので、他のバンドでプレイすると、自分のバンドを好きな理由がよくわかるんだ。クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジとプレイした時は最高の気分で楽しかったし、ナイン・インチ・ネイルズでドラムを叩いたのも最高だったけど、そういった経験をすることで、このバンドが自分にとってホームと呼べるものだと気が付くんだ。バンドもスタジオもサウンドも、全部自分たちのホームなんだよ。自分の家を数ヶ月離れると、恋しくなったりするだろ? それと同じさ。
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●DISC2 1. スティル 2. ワット・イフ・アイ・ドゥ 3. ミラクル 4. アナザー・ラウンド 5. フレンド・オブ・ア・フレンド 6. オーヴァー・アンド・アウト 7. オン・ザ・メンド 8. ヴァージニア・ムーン 9. コールド・デイ・イン・ザ・サン 10. レイザー
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