3人の後姿を見守ってきた彼だから語れるコト。高橋まことインタヴュー

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BOφWYの<ROCK'N ROLL CIRCUS>ツアーが始まる直前、
つまり'86年11月8日に5thアルバム『BEAT EMOTION』がリリースされたのだったが、
その頃、僕はBOφWYのメンバーに毎月のように取材等で逢っていた。
『BEAT EMOTION』をRECしていた今はなきTAKE ONE STUDIOの近くにあったCDショップで
4人はめいめいにCDを何枚も買い、それを持って取材場所であるPHOTO STUDIOに来たこともあった。
ワンカット撮り、セットチェンジのため控室に4人が移動し、
そこで4人がカードゲームをやり始めたこともあった。買ってきたばかりのCDを賭けて…(笑)。
メンバーの誰かにCDを取られても、どの道、自分のところに戻ってくる…、
そんな(仲のいい)暗黙の了解に支えられたカードゲームの光景が、とても羨ましく見えた。
DVD作品『GIGS at BUDOKAN BEAT EMOTION ROCK'N ROLL CIRCUS TOUR 1986.11.11~1987.2.24』は、
僕の知りうるかぎり、BOφWYの4人が自分達の音楽を一丸となって見つめた時期の最高作品だと思う。
あの時から18年も経った今だからこそわかる真価を含めて、高橋まことに訊いた。

取材・文●佐伯明

メンバー間が、一番密だった時期かもしれない。


メッセージ映像



「みんな、久しぶりっ!」と気さくな
メッセージが届きました!





『GIGS at BUDOKAN BEAT EMOTION
ROCK'N ROLL CIRCUL TOUR
1986.11.11~1978.2.24』


CD

2004年2月24日発売
TOCT-25361~2 3,800(tax in)

DVD & VHS

2004年2月24日発売
DVD:TOBF-5307 5,800(tax in)
VHS:TOVF-1413 4,800(tax in)




Tribute & Respect

BOφWY Tribute

2003年12月24日発売
FLCF-3993 3,059(tax in)


BOφWY Respect

2003年12月24日発売
FLCF-3994 2,500(tax in)


――<ROCK'N ROLL CIRCUS>ツアーのときのBOφWYのDVDが発売されたんですけど。発売されると決まった瞬間、まことさんの感想はどんなものでしたか?

高橋まこと(以下、高橋):
「あ、また出すの?」みたいな(笑)。こういうのってさ、出す前っていうかさ、水面下で動いてる企画書が上がってどうしたこうしたっていう話は俺達知らないじゃん、メンバーは。『LAST GIGS』も、『1224』の時もそうだったし。今回も最初からぜんぜん教えられなくてさ。去年の『Respect』『Tribute』が出たあたりに、何気に「2月24日に出るんだよ」みたいな感じで聞かされてさ。「あ、そうなんだ」っていう感じだった。「映像ちゃんとあったの!?」みたいな。こっちにしてみればね。

――実際に見て、蘇ってきた記憶とかありました?

高橋:
“ちゃんと演ってるな”っていうのが一個、俺としては。演奏がね、ちゃんとしてるなっていうのが一個と。あとは何だろう…演奏がこ慣れてるっていうか、いい演奏、ストレス無しっていう感じかな。あちこちで訊かれたんだけど、「その日は何時に入りましたか?」とかさぁ。「その日の打ち上げはどこでしたか?」とかって言われても、覚えてねぇんだよな。何でかって言うと、布袋がたとえば、昔、興奮有り余ってギターをぶん投げたら客の歯が欠けて、ライヴが終わってその人の見舞いに行った、みたいなことがあれば、鮮明に覚えてるわけですよ。そういうことがなかった時期だから。演奏の良し悪しは、俺達が普通にやってるとすれば、良く出来てたとすれば、それはそれってことで。あとはストレスとかそういうのは無いから、スムーズにいってるからさ、あんまり覚えてない。覚えてないってことは、たぶんいいことなんだと思う。たぶん、普通にやって良い演奏ができたんだなっていう。

――<ROCK'N ROLL CIRCUS>ツアーっていうツアー自体は、アルバム『BEAT EMOTION』を引っさげてのものでしたよね?

高橋:
うん。『BEAT EMOTION』っていうアルバムは、すっごいいい調子でできたアルバムなのね。それも、ストレスが無いような感じだったんだ。布袋が曲を十何曲か作ってきて「え? こんな録音すんの?」っつってたら「1日2曲ぐらいずつ録音してきゃすぐ終わるよ」みたいな感じで(笑)。でも、入ってみたらけっこう面白くてさ。初めてプリプロやんなくていきなりレコーディングに入ったアルバムなのね、BOφWYの。その前の『JUST A HERO』とかその前のベルリンで録った『BOφWY』は、すっげぇプリプロ重ねて、しっかり「こここうやったら?」「ああやったら?」っていうのを確認してからレコーディングっていう作業だったんだけど、これに関しては、もう、布袋が持ってきたデモテープのその感じを、とにかく1回スタジオで皆で、一応書いてきた譜面で、パッと見て「どんな感じ?」とか言って、「とりあえずまこっちゃん8ビート」みたいな感じで。「これか?」って、「OK、OK。テンポこのぐらいで」って。「じゃ、やってみようか」って、「1、2、3、4、ダーン」って。「いけそうだね」って言って、もうあとはそのまま。

――ヘッドアレンジですね。

高橋:
そうそう。俺と松井は調子いいときは、3曲とか4曲録ったよ、1日で。

――リズム録り?

高橋:
うん。5日で終わった覚えがあるんだよね、俺ね。「こんなんでいいんか?」っていうぐらい。「いいの?」って聞いたら「OK、OK」みたいな感じでさ。

――やっぱりノッてたんですね。

高橋:
ノッてたよ。だから面白いんだよ。俺が一番よく覚えてるのは、レコーディングの初日にジャケットの写真を撮ってるっていうの。普通ないじゃん。六本木か麻布のスタジオで、加藤(正憲)さんなんだけど、写真(カメラマン)が。加藤さんが昔修行したとかっていうスタジオで撮って、着替えてヒムロックん家行って、TAKE ONEって新宿にあったスタジオに行って「これからレコーディングかよぉ」かなんかいう感じだったの(笑)。だからジャケ写を一番最初に撮ってあって、それからレコーディングっていう、なんか妙なスケジュールだったんですよね。で、結局、全部でひと月もかかってないでしょ。

――3週間ちょいじゃないですかね。

高橋:
そうそう。ミックスも入れてね。そういう意味での、なんかトコロ天みたいにピョンって押し出したんじゃないんだけど、イチオシな感じだったんですよ。だから、ストレスがないっていうか。ツアー先でも、ホテルに篭ってホテルのご飯食べてたりするから。結局それで暇だからさ、酒呑みながら「トランプでもしようか」とか言って、毎晩ツアー先のホテルでさ、じゃんけんして負けた奴の部屋にみんなで集まってトランプしてたりとか。だから一番顔つき合わせてた時なの。朝から電車に乗ってライヴに行くと、ずっと一緒にいるじゃん、楽屋とかで。で、ライヴ一緒にやって、帰ってきたホテルでずっとまたみんなでツラ合わせるっていう(笑)。メンバー間が一番密だった時期かもしれない。


BOφWYオフィシャル・サイト
視聴、元関係者たちが語る秘話など。



BARKS内「GIGS at BUDOKAN」特集ページ
伝説のエピソードを公開、BOφWYトリビアなど。



BARKS内『BOφWY Tribute&Respect』特集ページ
試聴、参加アーティストのメッセージなど。



GIGS at BUDOKAN特集】にて募集した「BOφWYに関する質問&メッセージ」に
たくさんのご応募をいただき、ありがとうございました!
ということで、その質問の中から数の多かったトップ5をご紹介します。
難問、珍問、一問ごとに驚いたり笑ったり、まことさんも楽しそうに答えてくれていました。(編集部)

【第5位】 『BOφWY Tribute』『BOφWY Respect』で若いバンドがカヴァーしたBOφWYの曲を聴いた感想は?
腰抜かすぐらい驚いたアレンジもあったし、やっぱみんなの想いが伝わってくるんで、どれも秀逸な出来だと思いましたよ。レゲエあり、ラップあり、「おぉ、こうきたか」っていうのもあるし、すごい面白かった。

【第4位】 BOφWY時代の、まことさんの一番お気に入りの曲とアルバムは?
おぉ。これは難しいんだなぁ。その時々に好きなものが変わるから。難しいけどなぁ。でも曲的にはね、「季節が君だけを変える」が、あれはいい曲だなと思ったね。バンドの最後に相応しい曲かなっていう感じのこともあるし。思い入れが強いし。あとはみんなどれも、可愛いというか、いいなぁ。アルバムはどれだろう? 『BEAT EMOTION』はとにかく盛り上がった曲が多いんで、一番良きな(頃の)BOφWYっていうところでは、あれが。

【第3位】 現在でもメンバー同士の交流はあるのでしょうか?
毎日毎日電話したりとかそういうことはないけど。ライヴは行けるところは観に行きます。松井とは、たまにメール交換したりするし。

【第2位】 <21st Century Boφwys vs HIMURO>について
8月の氷室さんのライヴには参加されるんでしょうか?

参加しません。

参加しないとしても、観に行きますか?

もちろん。見てみたいですよね。

このライヴについて、まことさん自身はどのように思っていますか?

いやぁ、親分(氷室)の決めたことだからなぁ(笑)。俺がブツブツ言うわけにもいかんだろう(笑)。俺は手放しで、どういうふうになるのか見てみたいですよね。

【注】<21st Century Boφwys vs HIMURO>
2004年8月22日に東京ドームで行なわれる、“史上最強のトリビュート”と銘打たれた氷室京介のスペシャル・ライヴ。


【第1位】 再結成について
■再結成はないんですか?

ないでしょう。


■まことさん自身は、BOφWYの再結成には反対派か賛成派か、どちらでしょう?

どちらでもないです。やろうって言われればやるし。でもそういう機運がなければできないし。俺が言い出しっぺにはたぶんなんないだろうから(笑)。


■3人の後ろでまたドラムを叩きたいと思いますか?

うん。そういう想いはあるよ、もちろん。


■「解散するんじゃなかった」「こんちきしょー」と思ったことはありますか?(笑)

いや、あんまり無いね、それは。



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