birdインタヴュー映像 | | ツアー<TRIPLE CHANCE 2004> 2/14@新潟LOTS 2/19@名古屋ダイヤモンドホール 2/20@大阪なんばHatch 2/27@広島クラブクアトロ 2/28@福岡DRUM LOGOS 3/6@仙台ZEPP SENDAI 3/10、11@東京SHIBUYA AX info:www.bird-watch.net | 『DOUBLE CHANCE』 Sony Music Associated Records 2003年10月8日発売 AICL-1485 2,913(tax out) 1 チャンス 2 廃墟のダンスホール 3 ふくらみ 4 VIVA! SPA 5 スパイダー 6 よみがえれ 7 喜怒哀楽も 8 見上げた空へ 9 受けついだもの 10 光るあなた ▲このCDを買うならこちらから | ※全ての画像と文章の無断転用を禁止します。 | ――新作は、いい意味で肉厚・骨太になりましたね。制作前からテーマがあったんですか?
bird: 前回は私がトータルプロデュース的なことやったんです。で、そこで得る物も多かったんですが、全部自分でやらなきゃいけない!ってプレッシャーもあったりで、いいアルバムはできたなと思うものの、結構苦しんで作った1枚だったんです。でも、今回の制作では、音楽ってもっと本来楽しいはず、ってところからもっと楽しくできないかなって考えましたね。 ――そのために、具体的には変えたところは?
bird: 自分は得意とする歌と言葉をメインにしようと。で、曲は自分で書きつつも、"もう書けない、でも歌いたい"ってものは、単純に助けてもらおう、足りない部分を補ってもらおう的な考えで人に頼みましたね。プロデュース的にも、まだまだやりたいこといっぱいあるんで、バラバラにならないためにも客観的に1人立てたほうがいいかなと。だから、まずプロデューサーを立てるって部分からスタートしました。 ――その白羽の矢を立てたのが、田島貴男さん(オリジナル・ラヴ)ですね。 bird: ええ。今回は元気な部分をたくさん出したいと思ったし、今までとはまったく違うところに連れてってくれる人がいいなと。で、ちょうどそのときにオリラヴの「恋の彗星」を聴いたら、むちゃくちゃ元気だったんですよ。今までもオリラヴは好きで聴いてたんですけど、その「恋の彗星」はなんだか元気で弾けてるぞ!って感じに聴こえて。私もそういう部分を求めていた頃だったんでお願いしました。 ――田島さんとは以前から知り合いだったとか?
bird: いえ、全然。今回初めてお会いしたんですけど、とにかく音楽が大好きでいろいろ知ってる人ですね。一緒にやっていくうちに自分で聴く音楽も新鮮になったし、アレンジも……私はザクザクした感じでパンチもありつつ、でもそんなに豪華な感じじゃなくてわりとシンプルな感じを狙っていたんですけど、ちゃんとそういう風にしてくれました。 ――そうですね、今までのbirdの音ってダンサブルでも滑らかでしたが、今回は変わりましたね。
bird: ええ。だから、どんなアレンジをしてもメロディがぐっと残っているもの、メロディだけでも芯になるものを集めました。 ――なるほど。今回、その作曲には様々な方が参加してますね。
bird: 単純にいいメロディを、私がカッコいいなって思う人に、海外国内を問わずジャンルも越えて声をかけて実現した人って感じですね。 ――この人たちの作曲方法、個性がそれぞれあると思うんですけど、 "これ意外。私が歌うの?"って思ったのはありましたか?
bird: アル・クーパーの(「見上げた空へ」)ですね。もともとこっちから頼んだ流れじゃなかったんですよ。ジェシー・ハリスとかイヴァン・リンスのやりとりをやってくれてる海外の人が「アル・クーパーが曲書いてくれるらしいですよ!」って。で、是非ってことでお願いしたんですけど、当初予定になかった人だけにどんなメロディのものか想像すらしてなくて。私にとって初めてな感じでしたね。歌って意味では頑張ってひとつハードルを越えたかなあって(笑)。 ――作曲家のなかでも、田島さんや永積タカシさんなどは作詞家としてもオリジナリティーある人ですが、詞はすべてbirdが書いてますね。そこは譲れないですか? bird: いや、譲れないわけじゃないんですよ。ただ前回のアルバムで詞に関して煮詰まっていた自分がいたんです。自分のなかでパターン化してる気がして、なんかいややなぁって。それで一回壊してしまおうって決めたんですけど、そしたら逆にまた書きたくなった。 ――確かに、前回までは海、空、風って言葉が多かったですが、そういう言葉、使われてないですね。
bird: ええ、うまくバランスさえとれればいろんな切り口で、時間軸も超えて何を書いてもいいんじゃないかって。もっともっと広い視野で楽しんで書けるんじゃないかって、言葉に対してあまり力まなくなったかな。 ――<愛情 友情 ああ無常 これ以上 何錠飲めばなおるの?>(「チャンス」より)ってbirdの新しい面ですよね。
bird: そうですね。「チャンス」は詞もそうだけど、楽曲そのものも今までの私にまったくないものだったから、歌い方って意味でもすごい試行錯誤した1曲でしたね。もっと粗くていいのか、もっと強く歌っていいのか、いろいろやった曲。これをやったことで、他の楽曲が見えてくるところがあって、そういう意味でも「チャンス」は新しい自分をくれた1曲。 ――あと「廃墟のダンスホール」が3拍子のワルツで、新しい試みですね。
bird: そうですね。ワルツも初めて。これは楽曲がわりと華やかなんで、切ない言葉使ってもツルっと聴けるかなと思って詞を書きましたね。あと「スパイダー」もよく書けたかな(笑)。なんか違う観点、切り口で表現できた。 ――先行シングルが「チャンス」、今回のアルバムタイトルが『DOUBLE CHANCE』、そして2004年2月のツアーが<TRIPLE CHANCE>。birdにとって"これはチャンスだ!"ってことがあったんですか?
bird: いや(笑)、たまたまシングルのこの曲で、すごろくの歌、歌おうって思ってたんです。普段も何気ないけど、信号渡る渡らへん、次の電車乗る乗らへんで、もう一生会わない人いるって思うと、自分ではサイコロ振ってるつもりはなくても、結構振ってるなって。自分が動くことで何かも動く――今回の曲集めじゃないけど、自分で積極的に動くとなんかが変わるような気がして。だからこっちから動けばチャンス、ラッキーなことってのは常にあると思うんですね。だから今回も本当、ラッキーって人たちに会えましたよね。 ――このアルバム作って、音楽って楽しいものだなと終着できたと。
bird: そうですね。"ああ、いいね!"、"カッコいいね!"ってのがあってこそだと思うんです、楽しいなって。それがないよりあったほうが絶対いいし、あるんやったらたくさんあったほうがいいと思うし、って実感ですね。 ――来年2月に全国ツアーでは、こうしようって目論見あります?
bird: ライヴハウス・ツアーなんで、わりとイエー!みたいな感じになるかな。あと、何かおいしいことやろうかなとは考えてますよ! 取材・文●星野まり子 <趣味編>へGo!!! | |