「サヨナラ」 オーガスタレコード 2003年2月26日発売 AUCK-19601 ¥1,050(tax in) 1 サヨナラ 2 気まぐれ 3 サヨナラ Backing Track | | 音楽を「嗜む(たしなむ)」。スガ シカオのライヴは、こんな言葉がぴったりとハマる。老舗ジャズバーで味わうような独特な一体感と、艶美なリリックスやサウンドを次々に紡いでいく情緒的な冒険。その二つを「嗜む」ところに、スガと彼の強力なバックバンド、The Family Sugarが繰り広げるステージの醍醐味がある。 12月2日と3日、渋谷公会堂で行なわれたオーガスタレコード設立後の初ライヴ<Shikao & The Family Sugar TOUR '02>も例外ではなかった。時間ぴったりにスタートしたライヴで、ベテランアーティスト達による最高のプレイと一曲終わるごとに沸き起こるリスナーの大きな拍手。久々のステージを待ちわびていたファンを前に、クオリティーの高いステージパフォーマンスを余裕たっぷりに“魅”せた。 オープニングでは、エクセントリックな「マーメイド」を熱唱。その後、「ひとりごと」「ぬれた靴」「ぼくたちの日々」など、凛とした存在感を放つ名曲を次々に披露する。スガはこの日、冒頭のMCで「今日はものすごく濃いです。皆さん、疲れないでください(笑)」と語り、プレイメンバーらとともに全23曲をパフォーマンスした。 2回目のMC終了後は、The Family Sugarのテーマソング(その名も「FAMILY SUGAR’S Theme 」!!)が初披露された。「これプレイするのに、すごくみんな緊張しています。うまくできるかな」と語りながら、ギターを持ち直す。そして、ギター、ベース、ドラムの洗練された協和音が鳴り響くパワフルなインストルメンタル・プレイが始まる。この予想外のギフトに、会場のボルテージが一気にあがる。 スガのリップサービスも、この日は絶好調。「Family Sugarのメンバーは紅白出てる人多いのに、なぜか俺だけ呼ばれてない。なんかズルくない?」と笑わせたり、スガが主題歌を手掛けたフジテレビ系ドラマ『整形美人。』を引き合いに出して、「9時45分くらいになると僕の歌が掛かり始めるんで、テレビの前でちゃんと待ってました。なかなかおもしろいドラマでね。でも、ワールドカップが痛かった!(笑)」とジョーク交じりに1年を振り返った。
艶のあるスガの歌声は、独特な余韻を残す。「あまい果実」「いいなり」「ドキドキしちゃう 」など、魅惑的なリリックスをセクシーに歌い上げた。アンコール最後に披露された曲は、「イジメテミタイ」。ちょっと一般人が口ずさむには赤面してしまうリリックスを、セクシー衣装に包まれたバックコーラスの女性の名前を呼びつつ、セクシーに歌い上げる姿にリスナーはうっとり&大盛り上がり。来年、2月にはニューシングルをリリースするとステージで明かしたスガ。このニューシングルが、新レーベル・オーガスタレコードの1stリリースになるということで、二重に期待できる。新しいレーベルで展開される2003年のスガ&The Family Sugarにも大いに注目! 文●中井雄子 | |