暑くたってイイじゃない!! ちょっとだけコンセプト・アルバム『太陽』完成
暑くたってイイじゃない!! ちょっとだけコンセプト・アルバム『太陽』完成 スペイン北東部、フランスとの国境にあるバスク地方。 そこに暮らすバスク民族は、スペイン語ともフランス語とも違う独自の言語を持ち、独立した文化を築いている。 こうしたアイデンティティを想像させる“basque”(バスク)という名前を自身のレーベルに名づけ、 昨2001年7月に旗揚げしたSmall Circle of Friends。 がしかし、そのネーミングの由来はと言えば、バスク帽やバスクシャツといった スモサの二人のフェイバリット・アイテムのように “好きなもの”“気持ちの良いもの”を作っていきたい、ということらしい。 バスク地方の云々は、後付けながらレーベル・カラーになっているところが面白い。 そんなスモサが2002年夏に完成させたのが、日本に居ながらにして世界のリゾート巡り気分を味わえる、 夏満喫、涼感満点なアルバム『太陽』だ。 |
スモサ流、夏の過ごし方 |
| 「僕の夏の過ごし方……。起きて、ご飯食べて、テレビ観て、夕方ちょっと散歩に行ったりして、夜になったら仕事する……って、いつもと変わらないですね(笑)。海とかプールも行かないし。僕、泳げないんで」(東 里起) 「私も夏だからといって特に何をするとかないですねぇ。スイカを食べるとかノースリーブを着るとか、それくらい(笑)」(武藤さつき) という“夏だから何?”的な二人がなぜに夏をコンセプトにしたアルバムを? 「最初に上がった1~2曲が、なんか夏っぽい感じだったんですよ。それと、なんとなく夏にリリースしたいね、っていう話をしてて。それから“じゃあ、コンセプトは夏にしよう”という感じで進めて。僕らは普段から曲の中で世界中のいろんなところに行っているような感じの詞だったり曲を作ってるんですけど、今回の『太陽』も1曲目(「夏休み世界一周」)で世界一周してるからそれでけっこう満足できてるのかもしれないですね」(東) この『太陽』、スモサとしては初のコンセプト・アルバムなのだが、その聴きどころのひとつでもあるのはシーケンサーを軸にしている彼らのサウンドでは極めて稀な、ドラム+ベース+キーボードで編成したバンドによる一発録りを行なったことだろう。 「僕らの音楽の性質上、一発録りってほとんどないですからね。すごく新鮮でしたよ」(東) 「歌っててもいつもと違う感じを楽しめました」(さつき) フリー・ジャズのセッションのように始まるバンド・サウンドに、さつきの歌が静かに合流し東のラップが抑揚を与える「さよならサマーディ」のライヴ感は、聴く側にも収穫の手ごたえがあるのだ。 さて、スモサの二人はこの夏、久しぶりに自身の企画ライヴ<holiday>を復活させ、ヒックスヴィル、高橋徹也、エマーソン北村らと全国5都を車で巡ってきた。記念写真を撮ったり各地の特産品に舌鼓を打ったりしながら、仲間同士で旅するようにこのツアーを満喫したという。 「holiday=休日みたいに“何しようか?”ってワクワクするような、楽しみな感覚を僕たちは大事にしてて、観に来てくれる人たちにもそういう部分を楽しんでもらえたらいいなと思います」(東) <holiday>は今後も開催する予定だという。次の“休日”にはどんな楽しみを用意してくれるのか? ワクワクしながら待つことにしよう。 文●望木綾子(02/07/20) |