1stフルアルバム『FROM DUSK』インタヴュー!

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1stフルアルバム『FROM DUSK』インタヴュー!

次々と個性的なサウンドを奏でるグループが生まれる昨今、この人たちは常にその新鮮な鼓動を忘れていません。
ドラマー不在なんだけど1stアルバム『FROM DUSK』の制作を開始しちゃったり、それをいいことにゲストドラマーをいろいろ迎えたり、さまざまなリズム遊びに精を出したよう。
加えて、ライヴに向けての練習では、「自分たちの曲なのに丸でコピーしてるよう」とも語るこの人たち。

まったくのマイペース。

そんなギターベイダーはこれまでに、七尾旅人のレコ-ディングに参加、井上陽水とのコラボレート、そして川本真琴の新作にも顔を出すなど、多彩な活動歴を持つのです。

MIKI(G&Vo)とUJUAN(Vo&B)に加えて、最近、Drの鈴木祥文(すずきよしふみ)氏が正式加入。3人での取材はBARKSがはじめてということでした!

ミュ-ジシャンにシンパが多い!

1st FULL ALBUM

『FROM DUSK』

berry records BRUK-0008
2001年11月9日発売

1パーフェクト・バード
2CUTTING! EVIL SMILE
3BABY-T
4The Time Slips Away
5goodness happiness
6やわらかい
7島流し
8GVTV
9太陽
10REFUND GAME
11HEAVY METAL COLLECTOR



――新しくドラマ-が入ったんですね。おめでとうございます。

MIKI:
アルバム『FROM DUSK』でも叩いてくれた人で、「GVTV」と「REFUND GAME」で参加してます。鈴木祥文くんです。つい最近メンバーになってもらいました。今ではどこに行くにもこの3人ですよ。

鈴木祥文:
僕がライヴでサポートするようになって、それから加入しました。

――アルバムが11/9に発売されたわけですが、他の収録曲では、ドラムパートはどうしたのですか?

UJUAN:
鈴木くんが現われる前は、noodlesやSPOONとか、友人のドラマーに手伝ってもらったり。でも、こんなにすぐ、正式ドラマーが見つかるとは思わなかったんですよ。知ってたらちょっと待っててもよかったんだけど(笑)、でも「アルバムはもう出す!」って決めていたんで、レコーディング始めちゃいました。まあ、バンドサウンドにはならなくても良いかなって。ドラマーをいないことをマイナスに考えるより、いないなりに面白いことできると思ったしね。

――そのせいか、内容的にはバラエティに富んでますね。製作過程でのエピソード等も気になります。

MIKI:
あたし達には時間の余裕もお金の余裕もないんで、プリプロなんてしていません。家で電話で打合せして、じゃあ、本チャンでって(笑)。

UJUAN:
家でデモを作って、それをコンピュ-タ-に差し替えていきました。

MIKI:
鈴木くんに叩いてもらってのは、前々日にスタジオで合わせた曲だよね。

鈴木:
もう一曲なんて、「明日、スタジオに来れる?」って言われて、その場で聴いて叩きましたよ。そうゆう感じだったんで、後で聴き直して、もうちょっとこうしたかったなって部分はあります。

UJUAN:
そう? まあベストじゃない?

――余裕がありますね!

鈴木:
もうね、この人たち、全然落ち込まないんだよね。どんな状況でも「まあ、何とかなるでしょ」って(笑)。

――それでは、BARKS初登場ということで、バンドの成り立ちも聞きたいのです。

UJUAN:
3年くらい前、僕とMIKIはお互いに違うバンドで活動してたんですけど両方とも解散してね。仲良かったから、じゃあ、一緒にやってみようかって。だから最初は2人で宅録だったんですよ。

MIKI:
コンピレ-ションCDに参加の話が来たから、やっとバンド名どうしようか?って(笑)。で、その時、たまたまギターウルフのCDを持ってて、映画「STAR WARS」のデジタル映像版が出た頃だったから、“ギターベイダー”にしました。

UJUAN:
最初は、そんなに真剣にバンドやろうとは思わなくって。インディーズで1枚出せればいいなってくらいでした。その後、デモテープをライヴハウスに持って行くにつれて……なんか続いてます(笑)。

――そのデモテープが下北沢でバカ売れしたんですよね。

MIKI:
そうなんですよ~。下北沢にインディーズ専門店があるって聞いて、訪ねて行って置いてもらったら売れちゃって...。

UJUAN:
「チャートで1位になりました!」って言われて。その日はライヴがあったんだけど、全然客が入らなくって赤字だったから、それで売れてるって言われても、全然実感なかったですよね(笑)。でもさ、ライヴに客が入ってるわけじゃないのに、誰が買ってるんだろうか?

MIKI:
買ったのに、気に入らなかったのかな~(笑)。

鈴木:
1回聴いて、もういいやって思ったんじゃないですか?(笑)

――でも、このユニークなサウンド・アプローチ、アイディアはどこから来るのでしょうか。

UJUAN:
ん~、僕ら基本はアコギで作っているんです。でもね、コードもあんまり知らなくって(笑)。結構思いつきと勢いで作っちゃってるんですよね。でも、メロディはちゃんとしてるのが好きなので、そこらへんは気を遣ってる。そういったところがいろんなミュージシャンに誘ってもらえてる一因なんじゃないかな。

――そうですね、ミュ-ジシャンにシンパが多いんですよね。

UJUAN:
うん。でも、面白そうだから俺らと一緒に演ってみたものの、一体、どう感じてるんだろうね(笑)。

MIKI:
うまくいかなかった!って思ってるんじゃない?(笑)

UJUAN:
(笑)。でも、(井上)陽水さんにはびっくりしましたけどね。4~5回あって、スタジオに来てもらったり、食事したりしたんですけど。

MIKI:
デカかった。背も大きけりゃ、声もデカい!(笑)

――陽水さん、ギターベイダーとコラボレートして、何とおっしゃってましたか?

MIKI:
「最悪だね」って(笑)。

UJUAN:
でも、陽水さんが言うと、なんでも誉め言葉に聞こえちゃって(笑)。中途半端に「お前ら、いいね」なんて言われるより、よっぽどいいね。

――ではアルバム『FROM DUSK』というタイトルの由来を聞かせて下さい。

UJUAN:
クエンティン・タランティーノの友達で、ロバート・ロドリゲスっていう監督がいるんだけど、その人が撮った映画『From Dusk Till Dawn』からきてます。これがね、最初はカッコいいギャング映画風なんだけど、途中から妖怪もののB級映画に変わっちゃうんだ(笑)。

From Dusk Till Dawn
'96年アメリカ。クエンティン・タランティーノ初の脚本作品。セス(ジョージ・クルーニー)とリチャード(クエンティン・タランティーノ)のゲッコー兄弟がアメリカで銀行強盗を決行。メキシコへ逃げ、うまく国境を越えて逃げとおせた兄弟がバーで祝杯をあげていると、そこがいきなりバンパイアの館となってしまい…。というクールなギャング映画から、B級スプラッター映画へと変貌するユニークな映画。ちなみにPart2、3もあり。
MIKI:
私たちのアルバムも、軽~く二部構成にしたかったからね(笑)。

――そういえば、全体でサントラっぽい作りでもありますね。

UJUAN:
そうですね。僕、映画が大好きで、映画からインスパイアされるものって多いから、そういう言い方は合ってるかもしれないですね。

――そんな今作の聴きどころと言えば?

鈴木:
「shimanagashi」を7曲目に持ってきたのはポイント高いかな。丁度そこでダ-クな部分と、そうでない部分と分かれるんです。

UJUAN:
飽きないようにしたいな、と思ったんですね。そういう印象って、結構曲順で変わるから、結構悩みました。

MIKI:
うんうん。だから飛ばさないで聴いてください!

鈴木:
あとはバラエティに富んでる、いろんな面があるってところが、いいんじゃないでしょうか。

UJUAN:
詞の内容も政治的なものから若者の恋愛観に至るまで...(笑)。

MIKI:
そんなものもある、かもしれない(笑)。ま、とにかく、R&Rってところで集約してるから! 頭で考えるカッコよさより、何かがカッコよいって思えればOK。あっ、あとね、踊れればOK! だから、とり合えず録って家に持って帰って、踊ってみるの!(笑)

取材・文●中島儀幸

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