| ――今作を一聴して感じること、今までのイメ-ジとは違いますね!
山下潤一郎(Vo&B): もともとあんまり考えてないですけどね。1曲目の英語詞っていうのも、初収録ではあるんだけど、あんまり大したことじゃないんです。実際は古い曲ですし。作った当時、ライヴでもやろうとしたんですけど何となくしっくり来なかったんで、お蔵入りしてたんだけど、そのうち馴染んできたんで、じゃあ、今回CDに入れようかって。
阿部将人(G): 僕たち、目標物ってのがはっきりしていないんです。除いていって残ったものを並べて分かりやすくってのが、僕らのやり方。無理に変えようってのじゃなくって、やっていく中でいい感じで変わっていって、それが成長になっていたのかも知れない。だから、結果的に前作とは違ったものになっているけど、ビックリさせてやろうなんてのもないんですよ。
阿部幸一(Dr): あんまり意気込んでないってのも悪いのかもしれないけど(笑)、ホント、そんな感じなんです。3人のバランスを考えると、演りながらってのが一番良いかな。
――シングルタイトルは、4曲目からとっていますよね。この曲がまた以前と違った感じじゃないですか。
▲左から、阿部幸一(Dr)、阿部将人(Vo&G)、山下潤一郎(Vo&B) | 山下: これは新しい曲ですね。でも、変えようかって作った曲じゃなくって、変わってきたから作ったって曲なんですよ。それほど力が入ってる曲でもないんですけど、鳴ってる音が心地よいんでイケるなあって感じだったんです。
将人: タイトルは最後まで「妄想特急」だったんですけど、最後に「Night See」が良いなって! もう直感でした。この曲ができたのが今年の頭で、それがきっかけでバンドが前進できたんですよ。ですからこのタイトルは正解です!
山下: 実は最初、僕がデモテープ作った段階では、この「Night See」って曲、馴染んでないっていうか、何かそれがウソ臭い気がしてきたんです。わざわざバンドでやる必要あるのか?って。でも、今のナイスマーブルスってこんな感じじゃね~の?って感じでポンッと書いてみて、みんなに聴かせたら、「へぇー」って。「合う合う」って言ってくれてね。だから難しいですよね。皆が皆、さあ、どんな音出そうか!って感じでもないし、僕たちはそこまで熱くないし。心地よさが耳に飛び込んでくる感じがいいんですよね。
――あくまでも自然体なんですね。前作のマキシ「青」から少し間が開いてしまったから、バンドが変わろうとしていたのかな、なんて勘ぐっちゃったりもしたんですが。
山下: ライヴもコンスタントにやってましたし、気がついたらこうなった…という感じなんです。今でもあんまり感じていないんですよ(笑)。
将人: そう、それに僕らはいろいろできるよ、と。腐ってもミュ-ジシャンだよ、と(笑)。あとね、僕ら歌ってても、けして“新しい”とは言われないで、“懐かしい”って捕らえられる。それがシャクだったんで、ここで一発というのはありましたね。でも今までやってきたものが損なわれないようにした。意気込みとしては、違うバンドじゃんっていうくらいのものはありましたよ。
――そういうところから、また新しいナイスマーブルスらしさってのが生まれてくるでしょうしね。
山下: ウン、だからこの作品に意味があるんです。そして今後は…ってまた迷っています(笑)。
将人: 一回りしてまた元に戻ったりして(笑)。
山下: どうせ分かってもらえないんだったら…!って、いい意味で腹くくっちゃったのかなってのはありますよね(笑)。この3人は難解なものができないんで、自然と分かりやすいものになる。だから、そんなに気負ったところでやっても…って、なっちゃう。
幸一: 一人一人はいろいろ考えたり難しいことやろうとしてるけど、3人集まると、なぜかそれができないんですよ。でもそのバランスですよ。それが大事なんです。
山下: そう、だから個人個人思惑があるのかもしれないけど、僕はバンドがやりたいんですよ! 衝突してケンカしたり、ね! それは今でも変わっていないですね。
将人: それにね、僕ら兄貴(阿部幸一。阿部将人の兄)を満足させるためにやってる、というのがあるんです(笑)。兄貴はね、僕ら(山下と将人)が曲書いても、違うもの持ってくると納得しないんです。酔っぱらったときしか、まともに喋らないんですけど(笑)、一番のリスナーですからね。そんなんで何曲ボツになったことか…! それはこれからも続いていくんでしょうね。 |
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