ベーシスト／Tokieの脱退が発表された数日後から始まった、RIZEの初の全国ツアー＜FULL VOLUME＞。
新メンバーとして、U-ZO（B）と中尾宣弘（G）という同世代の仲間を迎え入れた新生RIZEが今後に期待を持たせてくれるか否か、それを決定づける重要なライヴなだけに見逃すわけにはいかなかった。Tokieの存在は、これまでのRIZE音の屋台骨と言っても過言ではなく、そのことは音楽雑誌などのインタヴューでJesseも金子も発言している。
しかし、ならば何故メンバー・チェンジをしたのか？ その答えが、このツアーで見せたものなのではなかろうか。 私の個人的な印象だけれども、新生RIZEというよりは、もはや別モノ、まっさらの新人を見ているようなライヴだった。音楽好きの、やんちゃな４人組。
そう、このときのRIZEは、バンドを始めたばかりの頃にしか出し得ない初々しいキラメキを放出していたように思う。 これまでJesseが一人で担っていたギター・パートは、中尾のリードとJesseのリズムによる掛け合いが生まれ、「Back Fire」や「WARP」では中尾にギターを任せ、両手が自由になったJesseが全身で、歌い、暴れ、RIZER（註：RIZEファンのこと）を煽るという新局面も見られた。
そして４人で初めて作ったという「JAPONICAN」はレゲエ風味の曲調で、前シングル「NAME」にも通じるお祭り的なハッピー・サウンド。鋭気みなぎる前のめりなタイプではなく、至極ラフなタッチのこのような曲が４人の第一子だということは、バンド自体がミョーな気負いなくニュートラルにシフト・チェンジできていることのわ現れのようでもあり、新曲の完成が待ち遠しくなった。
そしてライヴ終了後、「チョー楽しかったぁっ！ ぜったいまた来ようねっ!!」という声高らかに喋る女の子の声に、一人心の中で「そうだねっ！」と返事をしてしまった。 | 
