HONGKONG KNIFEのJOEに見出され、MAD3のEDDIEプロデュ-スという形で先頃アルバム『CARDINAL POINTS』を発表したRETRO GRETIONのCD発売記念イベントは、さながら50'sのR&Rパ-ティの様相を呈した、イカシタ夜となった。リ-ゼントに固めたR&R野郎やオ-ルド・ファッションのレディたちが、サイコ-のフライデ-・ナイトを楽しもうと場内は会場直後から熱気ムンムン。DJを買って出たのはRIZLAZというバンドで活動するGO。あらゆるR&Rをかけてイベントをサポ-トする。 まずはトリオ編成のネオ・サイコビリ-・パンクバンド/LINK13の登場だ。インスト曲が多く、ヴォ-カル兼任のSLAPウッドベ-スが特徴的で、矢継ぎ早にノリの良いナンバ-を演奏、まずは客席を軽く煽る。 ニュ-LOFTは2フロアあり、バ-・スペ-スとライヴ・スペースとを行き来できるのが特徴で、深夜0時にスタートした今宵のようなパ-ティにはうって付けである。 続いて今年初のライヴというVICKYは、グレッチ・ギタ-サウンドにこだわりを持つギタリストとパンキッシュなベ-シストがヴォ-カルを取る、こちらも3人組だ。ロカビリ-・ギタ-にパンクチックなリズム隊が、ミッド・ナンバ-を中心に、「テキ-ラ」や「PARANOIA」といったカヴァ-曲もゴキゲンに聴かせてくれた。 2AM。ナチュラルハイな気分になってきた時間帯の登場は、ご存知HONGKONG KNIFE。いつもは刹那的なR&Rを奏でる彼らも、今夜はハッピ-なテンションのようだ。ロカビリ-色のインストを挟み、ラストはBLACK CATSの「1950」。“永遠の不良少年”と異名を取るフロントマンのJOEも、どこか明るい印象を受けた。 後半戦はSLAPベ-スを活かしたア-リ-・パンク・サウンドのBATTLE OF NINJAMANZから。エンタ-テインメント性の高い彼らはパ-ティ・イベントにもってこいの存在で、客席も一段とヒ-トアップ。中盤、アル中ブラザ-ズ(笑)の乱入も盛り上がりに拍車をかける。 後半はコア・ナンバ-を中心に披露。DJは出演バンドに合わせて臨機応変に選曲、イベントに流れを作る。次いで登場は、インスト・ガレ-ジ・バンド/MAD3。“WE WANT MAD!”のシュプレヒコ-ルの中、唯一無比のR&Rキングダム・ワ-ルドを展開。ギタ-&ヴォ-カルのEDDIEは、いつもよりヴォ-カルを取る曲が多く、ベ-シストも2曲歌う。ル-スタ-ズの「どうしようもない恋の歌」も飛び出し、この辺も今夜の主役へのプレゼントか? ▲RETRO GRETION | 4時を廻った辺りで、ホスト・バンドのRETRO GRETIONが登場。ロカビリ-にサイコ、パンク等の要素を取り入れたトリオ・グル-プ。SLAPベ-スにスタンドドラムで小気味よい演奏を始める。共演バンドたちの熱いプレイに臆することなく、真打ちとして堂々たるパフォ-マンスをキメてくれた。5時を廻ってもアンコ-ルを求める声に疲れはない。アコ-スティックギタ-1本のギャロッピッンギタ-で歌うKUBO。その後バンドで2曲プレイしてイベントは終了。
外は乱雑な歌舞伎町、そんなギャップあるシチュエ-ションがワンナイトスタンドとしての価値を高めたかのように思えた。 JOEが演奏中に放った、「10年前の4月にジョニ-・サンダ-スが逝って、数日前にジョ-イ・ラモ-ンも逝ってしまった。でもオレは生き続ける。そして死ぬまでロックンロ-ルを演り続ける!」と言った言葉が耳に残った一夜だった。 |