<ライヴ・スケジュール>
● 3/17(土) 水戸LIGHT HOUSE w/pre-school
● 4/5(木) 下北沢SHELTER
【問】Kitty films,Inc. 03-3422-7111
──急遽リリース決定!── 4月上旬に、10インチアナログ盤「NFL」(HHPMS-1/1,050・tax in)を急遽リリース決定!
※ ライヴ会場にて優先発売中 ※HANOI ROCKSのカヴァー「CAFE AVENUE」を含む全3曲収録 |
| ――ミニアルバムを2枚、他にも企画盤を出してきていますが、今回は初のマキシシングルですね。まずはそこの意図、リリース経緯をお聞きしたいのですが。
岡本洋平(G&Vo): 経緯はありません、スタッフから出すぞと言われたから出したんです(笑)。
平床政治(G): これは上からの命令ですね(笑)。
――では、「夜には星と音楽を」をシングルに選んだのは?
岡本: これは“僕は音楽が好きなんですよ”という曲で、それがストレートに伝わる曲を作りたいなと思っていたんです。今まではそういったシンプルだけど雰囲気良いな、ほろ苦いなって曲に凝ってたというか…。だから日本語詞もほとんどやってなかったんだけど、今回、ごく簡単にしてチャレンジしたかな。
平床: でも、この曲が1曲目だったら歌詞も違ったものになったでしょうね。1曲目は「A NEWLY DISCOVERED CRATER」という曲にして、「夜には星と音楽を」は2曲目に入れたんです。こうしておいて、“おっ、コイツらいろいろ出来るな”と(笑)。思わせぶりなバンドなんで。
――では、もともとシングル用に狙って作った曲じゃないんですね。
岡本: そうです。シングル出すよと言われてスタジオに入るまで、3週間しかなかったんですけど、発表できるのは「O・H・P(over-head projector)」(4曲目に収録)しかなかったんです。4曲入れなきゃいけないと言われて考えていたら、平床くんが「曲を作ったぜぇ」と触れ回っていたので、それ入れるかと(笑)。
――勇気あるレコーディング進行ですね!
岡本: 未発表曲はあったんですけど、それを今、出すのは嫌で。それだったら新曲作ればいいかって(笑)。
梶山 剛(Dr): うん。今回はシングルだし、すぐ出来るだろうと。バタバタしていたんで至らないところはあるんだけど、曲はライヴを重ねていくうちに感じは絶対変わっていくんで、音源はこんな感じかなってね。
平床: もう感覚的ですから(笑)。でも、「O・H・P(over-head projector)」はライヴでやってた曲で、皆でスタジオ入って一発で録ったよって感じで良かった。これは吉と出ましたね。
――では、以前出した企画盤(ソノシ-ト「靴底/LOSER'S PARADE」や、タワーレコード限定発売のCD「MIXED NUTS '00」)もそんな感じで作ったのですか?
岡本: ソノシートのは昔、MTRで録ったデモで、こういうのもありましたよって。うん、企画ものみたいなものなんです。
平床: タワーレコードの限定シングルは、タワーが気に入って出してくれるってんで頑張れよって言われて(笑)!
岡本: 宣伝になるから気張れよ!と言われまして、昔ボツにした曲を収録しました(笑)。
平床: もうね、資本主義の豚なんですよ!!(笑)
岡本: でも、思いのほか良い仕上がりになっちゃって。よかったですね。
▲ヘルマン・エイチ・アンド・ザ・ペースメイカーズの面々。左より、若井悠樹(W)、石井康則(B)、平床政治(G)、岡本洋平(G、Vo)、梶山 剛(Dr)、溝田志穂(Key) | ――先程から話聞いてると、Hermannは“第三者的な意見に委ねる”的部分が多いですよね。
平床: 僕たちの信頼関係って、遊んでるのが楽しいってところで成り立っている感じなんです。もともと大学のサークル出身で“つまんないからバンドでも”って始めたようなものだから。だから、そういった関係は今の周りのスタッフとも一緒で、その“超”信頼関係の上に成りたってるんです。
岡本: それに僕たちが出来ること、やるべきことってのは、良い曲を作るしかないですからね。どれをシングルにしようとか戦略は分からない。だったらそっちのプロに決めてもらったほうが楽だし、ストレスがない。分担作業ですね。
――なるほど。今回のシングルは、カオスティックな印象があった1stミニアルバム『HEAVY FITNESS』、すっきりタイトになった2nd『INPUT!』といったメイン作品についでのリリースですが、曲作りやレコーディング作業で変わってきた部分はありましたか?
若井悠樹(W): 2ndの後あたりから音数を減らそうって動きになったね。
石井康則(B): ミックスするときに大変なんだよね。音がかぶっていると。
溝田志穂(Key): 昔は、私のキーボードとギターがぶつかる部分が多かったんですね。
岡本: だからその意思疎通というのはやっとね、どうにかこうにか、ね。
梶山: それに聴かせるポイントが分かってきたんじゃないかな。
平床: 僕たちの知識というのが上がって来て、ある意味コツを掴み始めているかな。
――こうやって見ると全体でHermann節が立ってますね。
梶山: ウチは収録が4曲未満だと難しいですね。曲がバラついちゃう。
岡本: でも、その乱雑した感じって、遊園地に近いというか、いろいろなアトラクションがあった散らばり方ですよね。だから入るのは楽しいんだけど出るときは寂しいみたいな…ね。
――今回はジャケットも今までとは違ってイラストですね。
(註)『チョコレ-ト戦争』 (大石 真・著/理論社・刊)
「主人公の少年のいる町にケーキ屋がありまして。でもそのケーキは高くて少年は買えないんですね。で、あるとき、そのケーキ屋にある大きなチョコレートの城が入ったショーウィンドウが割れまして、少年の仕業にされてしまうんです。怒った仲間の子供たちはその城を盗み出し、丘の天辺で食べようとしたら、実はプラスチックの作り物で、城は割れ、店の名前が入った風船が飛び出すんです。実際にはその少年の兄のトラックの運転手が弾き飛ばした石のせいで割れちゃってたんですね。で、無実も証明されて、その後、毎月その少年の小学校には大きなケーキがプレゼントされるようになったという話なんです。」 (岡本洋平/Vo&G)) | 岡本: これ『チョコレ-ト戦争』(※註)って昔の本の表紙絵なんですよ。僕がすごく好きで、「これ使いたいなぁ」って口にしたら、じゃあダメもとで許可取ってみようと。そしたらなんとOKが出たんです。20年以上前の絵なんですけど、評判もよくてね。子供達が6人、中に女の子が1人いて、僕達らしいんです。このおもちゃみたいな感じが、“らしく”ていいかなあって。
――歌詞について、作詞担当の方に解説をお願いします。
平床: 1曲目の「A NEWLY DISCOVERED CRATER」というのは、実はバンドのことを言っているんです。ある場所でクレーターが発見され、知らず知らずのうち、みんながクレーターに引きずり込まれていっちゃうゾと。そのクレーターが僕達なんです。物語性たっぷりに書いてみました。
岡本: 2曲目「夜には星と音楽を」は最近いつにも増して音楽が楽しいなという歌です。それを叙情的かつドラマチック、演劇的に表現した曲です。
平床: 3曲目「ティーンエイジ・タンバリン」は若井くんのテーマです(笑)。「お前のテーマ曲書いてやるよ」と言っておいて…。
若井: そのまま2年くらい流れて(笑)。
平床: やっと出来たと(笑)。強烈な曲でね、世の中のクズ共をなぎ倒していくって内容なんですよ。若井くんらしいかな!と(笑)。で、ラストの「O・H・P(over-head-projector)」は、OHPでコミュニケーションとる世界があったと仮定しまして。OHPって知ってます? よく授業で使う機器で、スクリーンに投影するやつ。で、そんな世界にOHPを持たない子が産まれてきてしまったと。だから表現手段を持たない訳なんですね。それによってどんどんブルーになっちゃうという暗い歌なんです。現代の情報氾濫性社会に於けるアイロニックな作品なんです。で、この少年は最後は溝にはまって出てこない。なぜならその溝の中が落ち着くからなんですねえ(笑)。そういう歌です。
――平床さんの書く詞はSFチックですよね。そういう小説が好きなんですか?
平床: そうですね。いつもくだらないこと考えてますし(笑)。今日も、心にマシンガン持ってて、街の奴らをなぎ倒して痛快…って思って来ましたから(笑)。
一同:(大爆笑)
岡本: …と、いう大作を4曲で表現してしまいました。これはPink Floydの『THE WALL』に匹敵する、STAR WARSを凌駕してしまったお得なシングルですね! |
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