ビートルズのアンソロジー本、10月5日に世界同時発売
音楽界にビッグニュース。といってもCDショップでなく、本屋に走ったほうがいい。10月5日(木)、368ページに及ぶ待望の自叙伝、『The Beatles Anthology』がついに刊行された。何年も発行が延期になったこのアンソロジーは34万語、1300もの写真やイラストが掲載されており、これまでのどの書物よりもFab Four(素晴らしき4人組)のキャリアを威信を持って伝えている。
Anthologyは長年にわたりBeatlesを補佐してきたNeil Aspinall(現Apple Corps Ltd.の経営者)により編纂され、宣伝担当のDerek Taylorが'95年のテレビドキュメンタリーやホームヴィデオなどからPaul McCartney、George Harrison、Ringo Starrのインタヴューを収集、さらに放送されなかった部分も付け加えて完成させた。数々のインタヴューからJohn Lennonの言葉も抜粋されており、他にAspinall、Taylor、ローディーのMal Evans、プロデューサーのGeorge Martin、そしてYoko Onoのコメントも入っている。
Beatlesの歴史はすでによく知られているので、今回も驚くような「爆弾」記事は含まれていないが、時代と共に起こったさまざまなエピソードが紹介され、これまでになく詳しく、より正確に論じられている。
例えば、'64年の春に行なわれた北米ツアー中、BeatlesとElvis Presleyがハリウッドで出会った時のことは以下の通り。
Ringo:
「すごくエキサイティングな出会いだった。会えたのは僕たち4人で、お互い一緒に時を過ごせてラッキーだったよ。部屋に入ると、Elvisはテレビの前のソファーに座っていた。彼はベースを弾いていたけど、今考えてもそれはすごくヘンだったな。取り巻きが大勢いて、僕たちが“ハーイ、Elvis”と声をかけると、すごく照れていた。それを見て僕らもちょっと照れちゃってね。けれど、5人の間で会話が弾み、Elvis以上に僕のほうがずっとスリルを感じていた」
George:
「ツアーのハイライトはElvisと会えたことだよ。楽しかった。というのも、Elvisの邸宅の近くまで来たとき、行き先がどこだったか忘れてしまい、キャデラックリムジンでMulholland沿いをぐるぐる周っていたんだ。後部席で紅茶を何杯か飲み、とにかく楽しくて、げらげら笑い転げた(思う存分笑った。笑うことは僕たちが数年間忘れていたことだったんだ。あまりにも多くの訴訟を経験し、すべてがすさんで見えていた時期だった。けれど、それ以前の時代を思うと、みんないつでもよく笑っていたんだ)。」
John:
「Elvisとの出会いは素晴らしかった。ElvisはまさにElvisそのものだった。分かるだろ? 彼は何曲か歌って、その後、みんなでギターを弾いた。すごかったよ。何も話をしないで、ただ音楽をプレーする、それだけ。Elvisは僕たちよりビッグではなかったが、何か“特別な存在”だった。何かははっきりしないけど、そんな感じなんだ。僕たちには普通に接してくれた。そこで映画製作やファッション、テレビ出演などについて聞いてみた。Elvisは映画作りを一番楽しんでいるように見えた……。期待していたとおり、彼は素晴らしかった」
Paul:
「人生において素晴らしい出会いだった。彼は僕たちのことを気に入ってくれたと思うよ。彼がちょっと恐れていたんじゃないかと思える瞬間もあったけど、彼は何も言わなかった。敵意など全く感じなかったし……すごくいい経験だった。たとえ少しくらいつまらないことがあったとしても、それはそれで、故郷のリバプールに帰ったときに、“おい、誰と会った思う?”とか言えるんだし。すごい人に会ったとか、サンセット通りに行ったとかさ。ほんと、すごく感動的だった」
記:Gary Graff、デトロイト
Anthologyは長年にわたりBeatlesを補佐してきたNeil Aspinall(現Apple Corps Ltd.の経営者)により編纂され、宣伝担当のDerek Taylorが'95年のテレビドキュメンタリーやホームヴィデオなどからPaul McCartney、George Harrison、Ringo Starrのインタヴューを収集、さらに放送されなかった部分も付け加えて完成させた。数々のインタヴューからJohn Lennonの言葉も抜粋されており、他にAspinall、Taylor、ローディーのMal Evans、プロデューサーのGeorge Martin、そしてYoko Onoのコメントも入っている。
Beatlesの歴史はすでによく知られているので、今回も驚くような「爆弾」記事は含まれていないが、時代と共に起こったさまざまなエピソードが紹介され、これまでになく詳しく、より正確に論じられている。
例えば、'64年の春に行なわれた北米ツアー中、BeatlesとElvis Presleyがハリウッドで出会った時のことは以下の通り。
Ringo:
「すごくエキサイティングな出会いだった。会えたのは僕たち4人で、お互い一緒に時を過ごせてラッキーだったよ。部屋に入ると、Elvisはテレビの前のソファーに座っていた。彼はベースを弾いていたけど、今考えてもそれはすごくヘンだったな。取り巻きが大勢いて、僕たちが“ハーイ、Elvis”と声をかけると、すごく照れていた。それを見て僕らもちょっと照れちゃってね。けれど、5人の間で会話が弾み、Elvis以上に僕のほうがずっとスリルを感じていた」
George:
「ツアーのハイライトはElvisと会えたことだよ。楽しかった。というのも、Elvisの邸宅の近くまで来たとき、行き先がどこだったか忘れてしまい、キャデラックリムジンでMulholland沿いをぐるぐる周っていたんだ。後部席で紅茶を何杯か飲み、とにかく楽しくて、げらげら笑い転げた(思う存分笑った。笑うことは僕たちが数年間忘れていたことだったんだ。あまりにも多くの訴訟を経験し、すべてがすさんで見えていた時期だった。けれど、それ以前の時代を思うと、みんないつでもよく笑っていたんだ)。」
John:
「Elvisとの出会いは素晴らしかった。ElvisはまさにElvisそのものだった。分かるだろ? 彼は何曲か歌って、その後、みんなでギターを弾いた。すごかったよ。何も話をしないで、ただ音楽をプレーする、それだけ。Elvisは僕たちよりビッグではなかったが、何か“特別な存在”だった。何かははっきりしないけど、そんな感じなんだ。僕たちには普通に接してくれた。そこで映画製作やファッション、テレビ出演などについて聞いてみた。Elvisは映画作りを一番楽しんでいるように見えた……。期待していたとおり、彼は素晴らしかった」
Paul:
「人生において素晴らしい出会いだった。彼は僕たちのことを気に入ってくれたと思うよ。彼がちょっと恐れていたんじゃないかと思える瞬間もあったけど、彼は何も言わなかった。敵意など全く感じなかったし……すごくいい経験だった。たとえ少しくらいつまらないことがあったとしても、それはそれで、故郷のリバプールに帰ったときに、“おい、誰と会った思う?”とか言えるんだし。すごい人に会ったとか、サンセット通りに行ったとかさ。ほんと、すごく感動的だった」
記:Gary Graff、デトロイト
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