コア・シーンの祭典!熱い個性のぶつかり合い。
トップ・バッターはスカも演奏する4人組メロコア・バンド、STUCK INSIDE。その熱い演奏は、まず会場を盛り上げるトップ・バッターとしての役目をしっかり果 たしていた。途中、ギタリストのストラップが切れ、演奏が中断するというハプニングがあったものの、その間もベーシストが寒い(笑)モノマネで観客を沸かせていた。偉い! 2番手はマキシマム・ザ・ホルモン。女の子ドラマーを含むこの4人組のファンクも消化した今風のヘヴィ・ロックは、メロディック系が多いスカイ・レコードの中では異色と言えよう。笑いを誘うトボけたMCと、ゴリゴリの演奏のギャップには唖然とされれるけれど、シャープでハイテンションな演奏、そしてヘヴィな演奏の中で突然、閃くキャッチーなメロディはかなり印象的。今後、要注目の存在だ。 大阪のメロコア・トリオ、GORILLA ATTACKは、そのやんちゃな佇まいとは裏腹にバブルガム・ポップな歌を聞かせてくれた。その甘酸っぱい、フックを効かせたメロのセンスは一聴の価値あり。ただ、この日は喉の調子が悪かったそうで、乱暴な歌いかたはちょっと気になったけれど。 そして最近、活動拠点を大阪から東京に移したSPOKE!がステージに現れると、会場はさらに盛り上がる。SPOKE!の甘さを殺したストロング・スタイルのパンク・ロックは明らかにイマドキのメロディック系のパンク・ロックとは異なるものだ。その骨っぽい演奏と硬派な佇まいに、やっぱりパンクってこれだろうと思ってしまった。こういう無骨なバンド、僕は大好きだ。 このSPOKE!と次のDONUT MAN になると、その前に出てきたバンドには本当に申し訳ないけれど、確実にバンドのスケールと勢いが違う。特にDONUT MAN のテンションの高さには驚かされた。メロコアと言うよりは、歌メロがポップなスラッシュ・メタルを思わせる演奏も含め、米国のハードコア・シーンを変えたバンド、ハスカー・ドゥを思い出した。 そしてトリは、もちろんニコチン! もう、ニコチンぐらいになるとキャリアもバンドのスケールも完全に違う。別 格だ。ハード・ロック/ヘヴィ・メタル、フュージョンも消化したYASUのギター・プレイを含め、突然、ジャズにもなるバンドの演奏力、押しと引きを使い分けたステージ・パフォーマンス、そして楽曲のクオリティは、いい意味で完璧にプロフェッショナル。スキがない。レーベルのボトムを、がっちり支える貫祿さえ漂わせていたと思う。 この夜、出演した6バンドはとりあえず「パンク」の一言で括れるけれど、それぞれに熱い演奏をくり広げ、それぞれに異なる個性をアピールしていた。こういうバンド達が日本のロック・シーンを支えているわけだ。そう思うと、なんとなく頼もしい気分にもなれる。ニコチンのドラマー、NAOKI は「みんなでSKY TOURS を毎年恒例のイベントにしましょう!」と言ってたけれど、まさにその通 り、毎年恒例のイベントになればいいと思う。 その第一歩としては、かなり快調な滑り出しだったんじゃないだろうか。 |