“KROQ Weenie Roast”野外コンサートシーズンの幕開けを告げるモダンロックの祭典

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KROQ Weenie Roast野外コンサートシーズンの
幕開けを告げるモダンロックの祭典

南カリフォルニアを代表するアートロック局KROQが主催するサマーコンサートWeenieRoastが、エンジェルズの試合でおなじみの野外球場Edison International Fieldで行なわれた。

今回はLimp BizkitKornといった現代的なハードロッカーに挟まれて、元祖メタルの狂人とも言うべきOzzy Osborneが短いステージを披露したが、彼はどこか観客の反応をつかみかねている様子であった。Ozzyは自身のバンドを率いてヒット曲「CrazyTrain」を含む2曲をソロで歌った後、Black Sabbathのメンバーとともにさらに2曲を演奏した。

彼らは5万人以上の観客を懸命に盛り上げようとしたものの、若い聴衆はこのロック界の伝説的人物が誰であるのかさえ知らなかったようである。まったく、新ミレニアムを生きる米国若者たちは、Behind The Musicを見ていなかったのだろうか?

Weeie Roast 2000のラインアップにはどんなCDショップの幹部もブッ飛ぶことだろう。LitCypress HillIncubusEverclearGodsmack…これだけでショウの最初の3分の1にすぎないのだ。コンサートは午後2時に慌ただしく始まり、その後10時間近くにわたって荒れ狂うようなロック、メタル、ラップ、そして時にはポップな音楽がノンストップで繰り広げられたのである。

Creed
ドラマティックなロッカーであるCreedはWeenieのラインアップの大多数よりも明らかにメロウなスタイルで聞き流せるアリーナロックを演奏したが、観客に全くアピールできず、時には聴衆を退屈させてしまったのはThird Eye Blindであった。本当の盛り上がりが最初にやってきたのはStone Temple Pilotsが登場した時である。

No Doubt
リードシンガーのScott WeilandはGwen Stefani(彼女のバンドNo Doubtは次に演奏する予定だった)風のドレスとピンクのかつらを身に付けてステージを練り歩いたのだ。もちろんこれはWeiland一流のジョークだったのだが、Stefaniとバンドを風刺すると同時に敬意を表する行為でもあった。(WeilandはStefaniが今回のRoastのラインアップで唯一の女性パフォーマーという事実を指摘することによって、現在の男性優位のロックシーンに対する自身の立場を表明しようとしたのである)。

現代のアーティストの中で最もピュアなロックの爆発力と高い音楽性を兼ね備えたSTPのサウンドはスタジアム中に響き渡り、彼らのドライヴ感に溢れたメロディックなロックが正しく「Zeppelin風」という評判に値するものであることを証明してみせた。

次のNo Doubtは女性の観衆に熱狂的に迎えられた。そのことはフィールドを埋め尽したほとんど裸の群衆の中に、突如としてピンク色のヘアが大量に現われたことで一目瞭然であった。No DoubtはWeilandの悪ふざけに対して反応することもなく、いつものように楽しいステージを展開、Stefaniは故郷のオレンジカウンティで演奏することで次第にノスタルジックになっていった。

彼女は女性版Mick Jaggerの異名を取るほどの激しさでステージを支配したが、聴衆は彼女の歌に合わせて全曲のすべての歌詞を口ずさむほどであった。

Offspring
今回のコンサートでの最も奇妙な瞬間は、Offspringのセットでやってきた。シンガーのDexter Hollandが「Come Out And Play」でDennis RodmanとPauly Shoreを呼び出して“飛び入りセッション”に参加させたのである。この曲のエンディングではShoreが観客を陶然と見つめていた。ワウォ!

Moby
マッチョなタイプの人々は以上のようなラインアップのバンドがステージを支配するのを喜んだようだが、若いロックファンの多くはこうした敵意に満ち、時として女性蔑視的な音楽に眉をしかめることが多かった。少なくともトランスダブのグルMobyの目にはそのように映ったようだ。

Roastの中盤に登場したMobyはセットの途中で、モダンロックの音楽とカルチャー全体について次のようにコメントした。

「男性ホルモンに支配された攻撃的な音楽が今や巷に溢れている。だが、我々はそれに対抗してナイスで、スイートで、ロマンティックな歌をお届けしよう」

そう言って彼はナイスで、スイートで、ロマンティックなバラード「Porcelain」を演奏した。

Limp Bizkit
Limp Bizkitはもちろんいつものように電光石火の勢いでステージを急襲し、いつものようにオーディエンスを熱狂させたが、どの曲にも同様の無気力な締念が漂っていた。

続いてはOzzy OsbourneBlack Sabbathのオリジナルメンバーを率いて登場、当夜の真のハプニングを演出した。再結成を実現させた彼らは2曲を演奏したが、そのうちの1曲は全くもってタイムリーかつぴったりの「Paranoid」であった。しかし残念なことに、若い観客の大半はこの出来事の重要性を認識しておらず、またステージ上にメタルの真のパイオニアのひとりが立っていることさえ理解できていないようだった。

実際のところ寿司詰めのスタジアムが最大級の歓声で迎えたのは、ヘッドライナー(トリ)を務めたモッシュメタルのモンスターKornであった。Kornは最新アルバム『Issues』からのナンバーを中心としたセットで、いつもどおりの強烈なパフォーマンスを披露した。

Stone Temple Pilots
バックステージの熱気とムードもピュアな苦悩と男性ホルモンに満ちたもので、まるでQuentine Tarantinoの映画を楽屋に持ち込んだようだった。顔を見せていた有名人には、Dennis RodmanとPauly Shore、マッチョロックのベテランBilly Idol、スーパーモデルのRachel Hunter、そしてKROQにおける恋愛相談の権威(おそらく彼はWeenieRoastの場では数少ない古典的な“繊細な男性”のひとりであった)であるLovelineのDr. Drewなどである。

KROQがフラストレーションと不確実性に満ちた現代の若者世代にとってのライフラインであることを再び証明したことは間違いなさそうだ。

by Roger Len Smith

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