グレイトフル・デッド、ツェッペリンに並ぶ大物へ
18歳で、デビューアルバムが大当たり。ファンの大きな歓声を受け、記者団も同様の反応をした、若くてより過激なPearl Jam。さあ、アンコールには何をやるんだい? Days Of The NewのTravis Meeksだったら、自分の広大な音楽ビジョンについてこれないという理由でバンドメンバーを首にして、自宅の専用スタジオに隠れてしまうだろう。 でもその結果、何層にも複雑に重なるバイオリン、チェロ、オーボエ、ホルン、それにスタンダードなロックの楽器編成の中で、アコースティック・ギターをはじいたりうならせたりと、Meeks独特のアレンジの効いたアルバム『Days Of The New 2』が誕生。 激しく、時として不可解な『Days Of The New 2』を聴くと、Meeks(今では20歳、立派な大人だ)のサウンドが'90年代後半のグランジとはまったく別物であることがわかる。 「『Days Of The New 2』は誰が聴いても、過激な発展形だという印象を持つかもしれない。でも、そうではないんだ。1stアルバムでも今回のアルバムのような感じにしたかったんだけど、自分の本当にやりたいことをやりたいようにやらせてもらうことができなかったんだ」 そしてMeeksは、ボーカルのNicole Sherzinger、ギタリストのCraig Wagner、ドラマーのRay Rizzoの協力を得て、『Days Of The New 2』の収録曲のほとんどをプロデュースしレコーディングした。DoorsやDead Can Danceからクラシックの作曲家Orff、Stranvinskyにいたるまで、様々な影響を受けてできた作品だ。 「最高のアーチストというのは、使いたいものを見いだして、それを自分のスタイルに形造っていくものなんだ。人間は世界の創造者じゃない。みんなこの世は人間が創り出したと思っているけど、実際にはすでにあったものの構成要素を取り出して、それを使ってものを創り出しているにすぎない。僕はものを作るのが好きだ。2年間研究室にこもって働いて、ようやく外の世界に出て自分の発明を披露するような気分だ」 「GabrielがReal Worldレーベルでやったこと、才能あるミュージシャンを集めて、自分のビジョンに彼らをまとめあげたことは本当にすごいことだと思う。Genesisと一緒だったときと同じくらいうんざりなんだけど、それでも僕はあのろくでなしが好きだ」 Meeksはいつか自分自身のレーベルをもちたいと切望しているが、今の唯一の関心事はDays Of The Newが長期的に生き残ることができるかどうかだ。 「Days Of The Newはオールラウンドなタイプだと思う。いろいろなことができるから、幅広いリスナーにアピールできるんだ。Michael Jacksonほどの大物になると考えたことはないけど、20年後にはLed ZeppelinやGrateful Deadに並ぶくらいになっていると思う。『Led Zeppelin II』から『Led Zeppelin IV』、そして『Physical Graffiti』への発展。これは大飛躍だ。僕はそういう飛躍をしたいと思っている」 by Dan_Epstein |