【ライブレポート】HAGANE、新体制初ツアー「この4人は離れない」
9月に東名阪を巡った<HAGANE Live Tour『Phoenix Journey 2024』>を経て、12月12日・下北沢シャングリラで開催された<Phoenix Journey 2024 Last Rampage>。今年の4月に凪希(Vo)とJUNNA(Dr)の加入を発表した後、EP『Life Goes On!』のリリース、ワンマンライブなど、精力的に重ね続けた活動で手にしたものが存分に示されていた。このライブの模様をレポートする。
◆ライブ写真
SE「Victoire」が鳴り響いて迎えた開演。ステージにJUNNA(Dr)、Sayaka(B)、Sakura(G)が順番に現われ、最後に凪希(Vo)が登場すると、待ちわびていた剣士(HAGANEファンの呼称)の歓声が高まった。オープニングを飾ったのは「GunRock」。ギター、ベース、ドラムの熱いサウンドで包まれた凪希のハイトーンボイスが、まるで天高く飛び立つかのよう。今年から始まったこの4人のHAGANEが、既に揺るぎないものを確立しているのが示されていた。アグレッシブでヘヴィな音を響かせつつも、彼女たちの表情は明るい。2曲目「SuperVillan」も激しい盛り上がりとなったが、剣士が掲げた拳もどことなく爽やか。続いて突入した「GoGoKart」も、たくさんの人々が一斉に振り回したタオルが心地よい風を巻き起こしていた。
メンバーたちの自己紹介を挟んで、強力な曲がその後も披露され続けた。お立ち台の上でギターソロを連発するSakuraが、歌メロを絶妙に際立たせるフレーズも奏でていた「HeroTime」。Sayakaのベースプレイ、JUNNAのドラミングも華やかな魅力を振りまいていた。ドラムソロを経て雪崩れ込んだインスト曲「Train」は、ギターやベースのソロもダイナミックに炸裂。凪希の歌声に誘われて剣士も大合唱した「BlackCult」の盛り上がりも本当に絶大なものがあった。現在のHAGANEは、「4人全員がフロントマン」と言っても過言ではない。ワクワクさせられる場面の連続だった。
演奏中は圧倒的にかっこいいメンバーたちだが、MCタイムになると親しみやすいキャラクターを発揮するのも楽しい。「今日リハーサルをした時に寒かったんですよ。身体が温まらないままリハが終わっちゃったので本番の1時間半くらい前に1人でソーラン節を踊ったんです。だから今、太ももがプルプルしてる(笑)」と、凪希が和やかな笑いを誘っていた中盤のMCタイム。新体制になってから初めて公開した「天下五剣」のMVが100万回再生を突破したことを喜び合い、200万回再生を目指す意欲を見せた4人のやりとりは、剣士たちを和ませていた。
そして力強い手拍子を巻き起こした「BRAVE」を皮切りに、HAGANEの多彩な音楽性が、さらに示されていった。ギターのアルペジオで彩られた凪希の歌声に合わせて剣士が掲げた腕が穏やかに揺らいだ「Connect」。アカペラで幕開けた直後、バンドサウンドが合流。剣士の歓声も加わり、燃え上がるかのような音を響かせた「天下五剣」。ギターソロが先陣を切り、SayakaとJUNNAのソロプレイも喝采を浴びたインスト曲「DATT」。Sayakaのベースソロが導火線となり、哀愁を帯びたメロディをじっくりと高鳴らせた「Labradorite」 。各々の曲を最大限に輝かせている4人だった。
昨年5月から始まった活動休止期間を経てJUNNAと凪希が加入。新体制での活動がスタートした2024年。1年間を振り返ったMCは、現在のHAGANEに対するメンバーたちの自信を伝えてくれた。
「9月から東名阪ツアーをやってきたんですけど、また最初から回ったらもっと楽しいんだろうなと思います。今年HAGANEに加入して、サイン会とかでみなさんと直接お話をする機会があって。『復活するのを待ってたよ』『久しぶりに来てくれてありがとう』とか、直接伝えてくださったことがすごく嬉しかったです。ずっとフリーでドラマーとして活動していて、ドラムのことを毎日考えていたんですけど、今は毎日HAGANEのことも考えています。この1年、本当に楽しかったです」(JUNNA)
「ラグビーの『One for All, All for One』ってあるじゃないですか? それをすごく感じた1年です。もちろん自分のために練習もするし、その他のことも高めなければいけないんだけど、このメンバーのためにもっと上手くなりたいなと思いました。きっとメンバーたちも『このメンバーのために』と思って日々活動しているんです。私も『みんなのために頑張ろう』と思えるのが幸せ。来てくれるみんながいないとライブはできない。私たちの活動に意味を与えてくれるのは剣士のみんな。このHAGANEで今までに見たことがない景色を見られると思っているので、これからもよろしくお願いします!」(Sayaka)
「この4人が揃って、『本当にストイックなメンバーが集まったな』という印象があって。『楽しい』もそうなんですけど、仕事としても一生懸命にレコーディングとかに向き合ってくれているのを感じて……このメンバーとやっていて、ささいなことも『嬉しいな』と思える瞬間が多いと、この1年間で感じました。今まで辿ってきた道を経てこの形になったからこそ生まれた気持ちがいっぱいあります」(Sakura)
「加入してから『メタルはやったことがない』と最初のライブで言いましたけど、今もびっくりの連続なんです。私はこれがやりたかったんだと、今すごく自信を持って言えます。去年までの自分は自信がなかったし、『何がしたいんだろう?』という感じだったんです。夢って何歳になっても叶えられるし、いつでもスタートできると私は思っています。それを体現できる人になりたいなと今もずっと思っています。この4人がバラバラにならなそうだと思うのは、目指す場所は同じだけど、行き方、やり方が違うから。お互いの違いを尊重し合っているのを感じます。勝手にみんなの前で言うけど、この4人は離れないと思っています。これからも信じてついてきてください!」(凪希)
彼女たちの言葉が届けられてから演奏が始まった本編ラストの曲は「Life goes on!」。この曲には聴く者を鼓舞するようなフレーズがたくさんある。歌声を響かせた凪希、同じステージに立ちながら歌声を噛み締めたSakura、Sayaka、JUNNAも熱い想いを掻き立てられたのではないだろうか。剣士の大合唱が起こったフロアを眺めながら、4人は心底嬉しそうな表情を浮かべていた。
繰り返される「HAGANE!」という声に応えたアンコール。「新曲持ってきました!」という凪希の明るい声を聞いて、剣士は歓声を上げた。「作詞、凪希がしました!」(凪希)「私が作曲しました!」(Sakura)と楽曲を手掛けた2人が喝采を浴びた後、新曲「Start Our Journey」が初披露された。晴れやかなメロディと、その追い風となるかのようなバンドサウンドが心地よい。新体制を確立した2024年を経て、いよいよ本格的に前に進もうとしているHAGANEの決意を伝えてくれる曲だった。
記念撮影をした後、「ありがとうございました!」と言い、笑顔を浮かべながらステージを後にした4人。すると、降下してきたスクリーンで数時間後の0時から配信がスタートする新曲「Start Our Journey」のMVが上映された。「2025年春 フルアルバム発売決定」「2025年5月から6月にかけてアルバムリリースツアーを開催」「12月25日にZepp Shinjuku公演を開催」「オフィシャルファンクラブ開設」……様々な告知も続き、大喜びしていた剣士。来年以降のHAGANEへの期待に満ちた人々の表情が、終演後の余韻を一際爽やかなものにしていた。
取材・文◎田中 大
リリース情報
12月13日(金)0:00〜
iTunes Store、レコチョク、music.jp、dwango.jp、mora、mu-mo、
Apple Music、AWA、Spotify、LINE MUSIC、KK BOX等、他主要サイトにて配信開始。
一部サイトの再生・購入URL:https://nex-tone.link/A00170449
◆フルアルバム『TOP OF THE TOWER』
2025年春発売予定
HAGANE Full Album Release Tour<TOP OF THE TOWER>
2025年
5月15日(木)宮城・MACANA
5月17日(土)神奈川・BAYSIS
5月18日(日)埼玉・西川口Hearts
5月23日(金)兵庫・KOBE太陽と虎
5月24日(土)大阪・アメリカ村DROP
5月31日(土)千葉LOOK
6月5日(木)京都・KYOTO MUSE
6月7日(土)広島・SECOND CRUTCH
6月8日(日)福岡OP’s
6月14日(土)愛知・新栄シャングリラ
6月15日(日)静岡Sunash
6月24日(火)東京・渋谷 CLUB QUATTRO
TOUR FINAL
12月25日(木)東京・新宿 Zepp Shinjuku