【インタビュー】UCHUSENTAI:NOIZ からNeu:NOIZへ。進化する音と受け継がれる意志を携え、全国ツアー敢行中「NOIZを守ってくれてありがとう」

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UCHUSENTAI:NOIZの活動休止から約半年、sebastianとDAISHI、2人のギタリストを迎え入れ、彼らはNeu:NOIZとして新たに生まれ変わった。

これまでUCHUSENTAI:NOIZを応援してきた人にもNeu:NOIZから知る人にも「NOIZ」の魂が等しく宿ることを願い、インタビューを決行。全国ツアー真っ最中の5人に、新メンバー加入の経緯から今後のビジョンまで余すところなく語ってもらった。

「NOIZを守り抜く」──その思いを今、たくさんの人に知ってもらいたい。

   ◆   ◆   ◆

──Neu:NOIZについて知る上で、まずはsebastianさんとDAISHIさんが加入された経緯からお話しいただけますと嬉しいです。

ANGEL-TAKA(Vo):UCHUSENTAI:NOIZが無期限活動休止になった後、新しいNOIZとして活動を続けたいという気持ちで2人に声を掛けさせてもらいました。DAISHI君がやってる天照とは昔からライヴでよく対バンをしてたし、sebastianも僕が滅多にやらないセッションバンドを一緒に組んだ仲なんです。だから、それぞれのギターの特性を知った上で、2人を混ぜ合わせたら凄い化学反応が起きる気がして。2人とも個性豊かなギタリストだから、NOIZに入るっていうのは、業界の方ですら誰も予想できなかったんじゃないかな。

sebastian(G):今からちょうど1年ぐらい前、たかちゃん(ANGEL-TAKA)から3、4年振りに電話が掛かってきたんですけど、その時って業界の著名人がお亡くなりになるニュースが多い時期だったので、良くない知らせなんじゃないかって不安で。だって、朝の6時に「ちょっと話があるから、また掛け直します」とだけ静かな声のトーンで留守電に入ってたもんだから勘違いしちゃって。そしたらNOIZに入らないかっていう話でした(笑)。しかも、その電話の1週間前に、叫ちゃんとYAMATOとバーベキューに行ったんですけど、2人ともそういう話は一切しなかったから、本当にびっくりして。BULL ZEICHEN 88もUCHUSENTAI:NOIZとはライヴで対バンしてたけど、コロナ禍以降は会ってなかったから、最初は「ドッキリ」かと思いましたよ(笑)。でも、その時のたかちゃんの熱意が凄くて、それが加入の決め手になりました。

DAISHI(G):天照とUCHUSENTAI:NOIZって、20年以上のライバルなんですよ。だから、声を掛けてもらった時は、僕もすごく驚きました。これまで色んなバンドと対バンしてきましたけど、自分の中で認めてるバンドって10あるかないかなんです。でも、UCHUSENTAI:NOIZはその中に当たり前のように入っていて。だから、加入を断る理由はないなって思いました。誘ってもらう少し前に、たか君(ANGEL-TAKA)とは2人でアコースティックのセッションもやったんですけど、ミラクルの連続で楽しかったので、やっぱり断る理由は何もないなって。

YAMATO(Dr):セバ兄(sebastian)もDAISHIさんも元々お付き合いがあったから、一緒にバンドをやることに関して、僕も全く違和感がなかったです。

叫(B):普段からみんなで小学生みたいな会話してるしな(笑)。

sebastian:とはいえ、新たにバンドに加入するのって、やっぱり結構な覚悟が要るんですよね。僕も好きなバンドがメンバーチェンジした時は、悲しいなって思うし。

叫:うーん、でもまぁ、このバンドに関しては、そういう風に思わなくても大丈夫かもしれないけどね。僕、前のベースが脱退する時、お客さんがみんな泣いてる中、後ろから登場してベース投げつけてから一曲演奏したことあるから(笑)。

sebastian:叫ちゃんは、ヒール(悪役)歴が長いね(笑)。


──UCHUSENTAI:NOIZ からNeu:NOIZに引き継がれているものや、反対に新しくなったもの、Neu:NOIZのコンセプト的な部分についても気になります。

ANGEL-TAKA:今までが「宇宙戦隊」っていう、凄く強いコンセプトだったからね。宇宙じゃなくなったら、次は「エジプトから来ました」とか言うのかなって考えたりもしたけど(笑)。UCHUSENTAI:NOIZとしては、あの時のメンバーで僕はもう既に頂点に達していたと思うんです。だから、それと競い合うんじゃなくて、新しくやり直したいっていう思いが強いし、「ロックバンド」っていう括りが一番しっくりくる気がしていて。2人が入ったことでギターサウンドも華やかになって、ロック色は強まったと思います。

sebastian:そうだね。僕も「宇宙戦隊」としてやるのであれば、加入できないなって思った。長い月日を経て築き上げられたコンセプトの中に僕が新しく足を踏み入れるっていうのは、メンバーにもファンの皆さんに対しても失礼な気がして。UCHUSENTAI:NOIZの曲に関しては元々ポップパンクの印象を持っていて、僕が表現したいテーマの一つなので、そこがうまく合致したなと思います。最初は、選択肢の一つとしてUCHUSENTAI:NOIZの曲を全くやらずに、新曲だけでやっていく案も出てたんですけど、みんなで話し合って、既存曲も引き続き演奏していこうって。だから、「宇宙戦隊」ではなくなったんだけど、「NOIZ」の音は確実に残していこうという結論になりました。

DAISHI:ずっとやり続けてる曲って、バンドにとってもファンにとっても特別なフレーズがあるじゃないですか。思い出に残ってる曲ってたくさんあると思うから、それはちゃんと活かしていきたいです。Neu:NOIZとして進化はしていくけど、変えちゃいけない部分ってあると思うんですよ。みんなが大事にしているギターフレーズが変わったら、それはもう全くの別物になってしまうと思うから。リアレンジの際は、そこのバランスをとりながら丁寧に行っていきたいです。
ANGEL-TAKA:2人にそういう風に言ってもらえて凄く嬉しかったです。バンドのことをたくさん考えてくれて、ファンのみんなの思いも大切にしてくれて。NOIZを守ってくれて、本当に感謝してます。


──Neu:NOIZとしての活動が本格的にスタートしてからは、色んなことがテンポ良く決まっていった感じでしょうか。

sebastian:僕とDAISHI君が加入してNeu:NOIZとして動き出すことって、他のバンドマンとかスタッフの方とか、誰にも言ってなくて。完全に極秘で進めていたから、衣装のフィッティングとかも大変でした。それで、最初はWeb上でメンバーのシルエットの写真を出したんですけど、僕の髪がコーンロウだから、シルエットだと坊主っぽく見えるんですよ。でも、坊主もしくは坊主っぽく見える頭をしたギタリストって限られてくるじゃないですか(笑)。だから、業界の人にも徐々に勘付かれ始めていたんですけど、絶対に言えないから、誰に何を聞かれてもしらばっくれるしかなくて、皆さんにお披露目するまでは心が落ち着かなかったです(笑)。それに、いざバンドが進み出してからは、ものすごく忙しかったなって思います。レコーディングしてMV撮って、ライヴやって…みたいな。スケジュールを合わせるのが必死でしたね。リリースまでに、次のライヴまでに間に合うか常に心配でしたけど、今思うと、それはそれで楽しめたかなって。

DAISHI:その時って、メンバーみんな寝てなかったんじゃないかな。それぐらい忙しかったです。でも、たか君って思い立ってから行動に移すまでが本当に早いんですよ。最初はそのスピードにびっくりするんですけど、僕は行動力のあるバンドって絶対に強いと思うから、今後も楽しい企画ができそうだなってワクワクしてます。

ANGEL-TAKA:UCHUSENTAI:NOIZが活休になってからNeu:NOIZがスタートするまで、みんな本当に大変だったと思うんですけど、このメンバーで早く世に出たい気持ちが強くて。とにかく駆け足で色んなことを同時に進めていきました。中でも、とにかくライヴをやり続けるってことを最優先に考えてましたね。

YAMATO:僕が加入した時もついていくのがやっとだったんですけど、DAISHIさんやセバ兄みたいに、こういう忙しさも前向きに捉えてくれるのは、ありがたいですね。


──Neu:NOIZの初ライヴはどうでしたか。メンバーの皆さんの率直な感想や周りからの反響などについて聞かせていただきたいです。

ANGEL-TAKA:僕は個人的に、ライヴが全くなく半年間を過ごすっていうのが初めての経験だったので、お披露目ライヴをするまでが、とてつもなく長い時間に感じられました。その分、久々にステージに立った時は、バンドがまたできるっていう喜びに満ち溢れてましたね。目の前にいるファンの姿にも本当に感動しました。その次にふと思ったのは、ライヴが半年空いて、新しいメンバーになったのに、全く違和感なくやり切れたなってこと。気付けばみんなでハイタッチしてました(笑)。

叫:僕は、バンド全体としては違和感なかったんだけど、ステージの立ち位置に関しては違和感しかなかったかな(笑)。Neu:NOIZになってから、立ち位置が下手から上手に移動したんです。そしたら、頭と身体がちぐはぐになって、思ってるのと反対の方向に動いてしまうし、シンバルの音とか聴こえ方も全然変わるから、鏡合わせで演奏してるような不思議な感覚で。そもそもベースが上手にいること自体が珍しいんですけど、最近はやっと違和感なく動けるようになってきたかなと思います。

YAMATO:僕はこの体制になって初めて、ドラムボーカルとして歌も入れたんですけど、思ってた以上にハードだなって。初ライヴと2本目のライヴは1時間半ぐらいのワンマンで、決してロングライヴではなかったんですけど、こんなに体力を消耗するのかって感じました。全力でやり切った後はヘトヘトでしたね。でも、新しい経験ですし、歌を入れる用に同期を組んだり、再構築するのも楽しかったです。既存曲のリレコーディングをする時も違和感がないように前のメンバーの声を真似て収録したんですけど、がなり(唸り声)は本人から発声方法を教わったこともあり、みんなが気付かないぐらい似た声になりました(笑)。

DAISHI:初ライヴに関しては、僕たち2人の加入もあるけど、それ以前にメンバーとファンが久々に会う神聖なライヴだから、はじめから少し控えめに演奏しようと思ってました。普段のステージングは、自分をたくさんアピールするスタイルなんですけど、初ライヴ当日は普段とは全然違う気持ちでしたね。バンドとファンが良い物語をまた始められるためのお手伝いが出来れば良いなって。ただ、その時ファンの皆さんがセバさんと僕を温かい目で迎え入れてくれたのを実感したので、今は自分のスタイル全開でやらせていただいてます。

sebastian:課せられたものが大きくて、色んな人の思いを背負ってるから、プレッシャーはすごく感じました。ライヴ当日は、家で練習してきたことが悲しいぐらい出来なくて。こんなに曲を練習してきても出来ないんだってへこみましたし、ライヴが始まってもアンプの電源が入ってないことに気付かないほどテンパって、自分でも驚きました。

ANGEL-TAKA:2人は曲もたくさん覚えなきゃいけないし、周りの反応も気になるだろうし、プレッシャーはすごくあったと思うんです。でも、一日でも早くライヴをして、ファンのみんなの元に戻って、ステージに立ちたい、イベントじゃなくてワンマンというかたちで初ライヴがしたいっていう僕の我が儘に付き合ってくれて。メンバー各々、いろんなことを感じたと思うけど、すごく良いライヴだったなと思います。


──現在はNeu:NOIZ 初の全国ツアー中で、5MUSIC CD『BURST BIRTH』も会場にて先行販売されますね。曲作りに関してはどのように進められていますか。

ANGEL-TAKA:歌詞は引き続き僕が書いて、今回のCDはYAMATOも2曲歌詞を書いてます。作曲に関しては、YAMATOが4曲、sebastianが1曲作ってます。DAISHI君も今ちょうど新しい曲を作っているところです。

YAMATO:タイトル曲の「BURST BIRTH」は、UCHUSENTAI:NOIZの時に作っていた曲の一つで、ドラムは既にレコーディングしてあって、リリース待ちの状態でした。ただ、作曲した時がコロナ禍だったので、リリースのタイミングなども迷っていて。なので、なにかしらのテーマを無理に狙って作ったわけじゃなく、NOIZの根底にあるポップスやパンクの要素を混ぜながら自由に作った曲です。

DAISHI:変拍子が入っていて、初めて聴いた時は面白い曲で好きだなって思いました。メジャー・マイナーの曲っていうのもクールだなって。

sebastian:ポリリズムを使ってくるあたりが、ドラマーらしい曲だなって思いましたね。僕もそういう曲が好きだし、これまでもやってきてるから違和感はなかったんだけど、率直に言うと、ややこしい曲(笑)。たかちゃんの歌がどのタイミングでどういうリズムで入ってくるんだろうって、カウントしてたら余計ややこしくなって(笑)。

叫:「面白いけど、ややこしい」っていうのは、ストック曲になってた理由の一つだよね(笑)。



YAMATO:確かに(笑)。でも、メンバー全員に初めて曲を聴いてもらった時もリハの時も、「なんか、ややこしくて難しい曲だな~」って言いながらも、すごくポジティブな空気が流れていたので、そういう部分を楽しめるメンバーが揃ったんだなって思うと、凄く嬉しかったです。その結果、色んなアレンジが加わって、原曲から大幅に変わってます。例えば、曲のド頭からセバ兄がギターを弾いてるんですけど、それって今までのNOIZでは出てこなかったアイディアで。特に、それをタイトル曲でやるっていうのは、大きなチャレンジでした。それから、前はギターソロがない曲も多かったんですけど、DAISHIさんがギターソロの提案をしてくださって、そういう掛け合いが充実していてすごく楽しいです。叫ちゃんもベーススラップをしていて、バンド全体でテクニカルなことに挑戦できていて。今までは下で支えるベースだったけど、ギター2人が派手なので、叫ちゃんにもとことん派手に突き進んでもらおうって思ってます(笑)。

叫:個人的には、そこは上手く引き算してもらいたかったけどね(笑)。

sebastian:みんなで色んな意見を出し合いながら作っていったから、結果的に一番Neu:NOIZらしい曲になったんじゃないかな。

DAISHI:そうだね。あとは、レコーディングってバンドによってやり方が全然違うから、どう進めていけば良いか分からなかったんですけど、僕の場合はいつも作曲者にギターのトラックを色々送るんです。「好きに使って」って。もちろん採用されるトラックが多い方が嬉しいんだけど、最終的な判断はやっぱり作曲者に委ねたいと思ってるから。

YAMATO:セバ兄もDAISHIさんもキャリアがある方々なので、曲のアイディアは積極的に取り入れさせていただいたし、パズルのピースが自然にはまっていくような感覚で曲作りもレコーディングも進んでいった印象です。

ANGEL-TAKA:僕は今までNOIZしか経験がないので、改めてすごく勉強になりました。今までのNOIZのやり方が染みついていたし、sebastianやDAISHI君のレコーディングの環境も全く知らなかったから、色んな発見があって面白いです。


──12月27日には渋谷REXにてツアーファイナルがありますね。それ以降もNeu:NOIZの今後のご活躍を心から楽しみにしています。最後に、これから挑戦したいことを教えていただけますでしょうか。

sebastian:僕が好きなポップパンクを存分にやらせてもらっているし、まだ始まったばかりなので、今すぐにやりたいことっていうのは特にないんだけど、「とある場所」にみんなで行きたいっていう気持ちはあります。それがどこかっていうのは、今はまだ秘密だけどね(笑)。

YAMATO:音源をたくさん作りたいっていう思いはやっぱりありますね。ベテラン勢が揃ってるチームなので、ずっと良い化学反応が起き続けると思うんです。ライヴ後にもたくさんディスカッションして、バンドのグルーブ感がどんどん高まっているので、その波に乗って、Neu:NOIZを構築していきたいです。

DAISHI:僕も今、作りかけの曲があるので、ツアーファイナルまでに完成できると良いなって思います。

叫:新しい音を作って、でかい音を出して、これからもライヴで面白い話をします(笑)。

ANGEL-TAKA:バンドとして当たり前のことを着実にやる。ただそれだけですね。UCHUSENTAI:NOIZの時に出来てなかったわけじゃないけど、Neu:NOIZとして曲をリリースしてみんなに聴いてもらう、全国のファンに会いに行くっていうことをシンプルに続けたいです。曲は、アナログもデジタルも両方使いながら引き続き届けていきたいと思ってます。たくさん音源を引っ提げて、色んな場所に会いに行くので、ぜひ楽しみに待っていてください。

取材・文◎藤代冬馬



5MUSIC CD『BURST BIRTH』

01. BURST BIRTH
02. MÖSQUITÖS
03. ラクメイン
04. パルス
05. ANDROMEDA PARADE 〜Dedicated to All〜 Ver.

ライブ情報

<FIRST TOUR2024 -BURST BIRTH->
10/12(土) 渋谷 STAR LOUNGE
10/26(土) 名古屋 IMAIKE 3STAR
11/08(金)  広島 REED
11/09(土) 福岡 INSA
11/23(土) 高松 DIME
11/24(日) 姫路 BETA(FC ONLY)
12/21(土) 大阪 RUIDO
12/22(日) 岡山 CRAZY MAMA 2
TOUR FINAL
12/27(金)  渋谷 REX

<Neu:NOIZ & PALOOZA Presents MUCHU★FES>
1/13(月) 柏 PALOOZA

<PALOOZA presents オモロックコロシアム>
1/19(日)  柏 PALOOZA

<ナナ主催 SARSHIbirthdayイベント 「HYPER RUSH」>
1/28(火)  渋谷 DESEO

<EDGE Ikebukuro umbrella presents全国雨宿りツアー 【傘巡り】-東京- ~将 生誕祭~>
2/26(水)  EDGE Ikebukuro

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