【ライブレポート】未来古代楽団3回目のライブ、満員で終演。次回オールスタンディングライブも開催決定
HACHI
代表曲「忘れじの言の葉」(スクウェア・エニックス『グリムノーツ』主題歌)で知られ、海外では「日本のゲーム音楽カルチャーの後継者」と呼ばれる注目アーティスト「未来古代楽団」が、2024年11月9日(土)、東京・恵比寿の恵比寿ザ・ガーデンホールにて、3rdライブとなる<未来古代楽団ライブ 祝祭あるいは断章3『方舟のメトシェラ』>を開催した。ここでは、二回公演のうち夜公演の模様をお届けする。
未来古代楽団
未来古代楽団は、「千年後の古代音楽」をコンセプトに掲げる、作家・作曲家の砂守岳央を中心とした音楽ユニット。楽曲提供、ゲーム音楽、舞台・ 映像の劇伴など幅広く活動する。スクウェア・エニックスのゲーム「グリムノーツ」の音楽、特に主題歌「忘れじの言の葉」が話題となり、民族調の楽曲で知られている。多重コーラスを中心としたサウンドと、砂守の作詞による独自の世界観が世代を超えて支持されている。
<未来古代楽団ライブ 祝祭あるいは断章3『方舟のメトシェラ』>はシリーズ3作目となるが、これまで「1→7→3」とランダムなナンバリングで進んでおり、世界観は共通するものの、それぞれ独立した物語である。今までの公演を見たファンだけではなく、初めて見る観客でも新鮮に体験できる公演となっている。
砂守岳央
松岡美弥子
今回初の試みとなるステージ前面の透過スクリーンによる演出は、まるでメンバーが未来と古代の狭間に存在しているようにも見える。そこには幻想的な映像とともに語られる方舟のメトシェラの物語、そして数々の楽曲映像が映し出されていく。
謎の言語で始まったオープニング映像であっという間に未来古代楽団の世界へ引き込まれていく中、楽団のメンバーの砂守岳央、松岡美弥子、吉田和人、吉田篤貴、河村泉、田中教順がステージに登場。
一曲目を飾ったのはVsingerのHACHI。水晶のような中に閉じ込められた彼女が歌い上げたのは、HACHIと未来古代楽団初のコラボ曲となる「万有引力」。あたたかく透き通った歌声が会場全体を包み込んでいく。
続いて登場したのは、未来古代楽団ライブ3度目の参加となるLucia。大きなリボンがあしらわれた赤いドレスを纏い、10月MV公開されたばかりの新曲「捨てられたもの捨てるもの」を歌い上げた。続いて披露されたのは「月の夜のけものたち」。サビでは、映し出されたMVとLuciaの振りが美しくシンクロしている瞬間が印象的だった。
そしてLuciaと未来古代楽団の初作品である「光の形」を歌う彼女の姿は、まさに女神が舞い降りたようだ。
Lucia
その後、未来古代楽団のライブでは定番となりつつある「もろびと」が、砂守のハンドクラップで始まる。13拍子を完璧に叩きこなす観客の姿と楽団の魅せる超絶技巧、そこに交わるLuciaの力強くも繊細な歌声に圧倒された。
Luciaが4曲を歌い上げると、次は楽団員による「醒めない夢の微睡みの(inst ver.)」。楽団の息の合った旋律が会場に響き渡る。
続いて登場したのは、黒のドレスに映える金色の髪の安次嶺希和子。はじめに披露されたのは「探し人の紡ぎ歌」。リリース当時から数多くのグリムノーツファンを魅了したこの楽曲が本ライブで甦り、思わず涙が出た観客も多いことだろう。そして「光あれ」が始まると空気は一気に変わり、安次嶺の美しくも迫力のある高音で会場はどんどん熱気を帯びていく。
安次嶺希和子
安次嶺の出番が終わると、楽団員による「吸って、吐く(inst ver.)」が始まる。各メンバーが繋いでいくメロディーラインが心地よい演奏であった。
ゲストボーカル4人目、VALSHEがはじめに披露したのは、11月7日にMV公開されたばかりの「約束のプリムラ」。VALSHEが放つ二色の歌声は、優しさと強さが交差するなんとも美しいものだ。そして、VALSHE 8th mini ALBUM「storyteller III ~THE SCARY STORIES~」に収録されている「Dullahan」が未来古代楽団アレンジで演奏され、VALSHEファンにとっても嬉しいサプライズとなった。
楽団員による「フタハ(inst ver.)」が始まると、観客から手拍子が巻き起こり、会場の一体感はさらに増していく。そして再び透過スクリーンに登場したHACHIは、新曲の「檻」を初披露。軽やかなビート感に包まれた。
VALSHE
ライブもいよいよクライマックスとなってきたところで、再び安次嶺希和子とVALSHEが登場。未発表の新曲「嘆きのアウロラ」が、一夜限りのスペシャルデュエットとして披露された。
本編が終わり、カーテンコール後も鳴り止まない拍手の中、スクリーンに映し出されたのは次回ライブの告知映像。「未来古代楽団舞踏祭『瞬き、やがて、永遠』」と名付けられたオールスタンディグライブが、2025年5月17日(土)渋谷ストリームホールにて開催決定したことが発表され、会場はさらに拍手の渦が巻き起こった。
MCの中で砂守は「皆さん、まだ聞きたい歌があるのではないでしょうか?」と観客に問いかけ、拍手が巻き起こる中登場したのは安次嶺希和子。アンコールとして未来古代楽団の楽曲の中で不動の人気を誇る「忘れじの言の葉」を歌い上げ、「方舟のメトシェラ」は幕を閉じた。
終演後のアナウンスでは「お忘れ物にご注意してお帰りください。特に、心や魂を置いていかれませんように。」という未来古代楽団らしい言葉で本公演を締めくくった。
ライブというより、映像の演出も相まって、一本のミュージカルや映画を見たような感覚を残す公演だった。
なお、夜公演は配信もおこなっており、11月17日(日)23:59までアーカイブ視聴が可能となっている。次回ライブも発表となった未来古代楽団に今後も注目していきたい。
吉田和人
吉田篤貴
田中教順
河村泉
文◎瑞貴えのぐ
写真◎伊藤真広(TRANSISTOR)
<未来古代楽団ライブ 祝祭あるいは断章3『方舟のメトシェラ』アーカイブ配信>
◆配信チケット料金:2,500円(税込)※チケット代のほかに別途手数料が掛かります。
◆チケット購入ページ:http://kyodotokyo.zaiko.io/item/367545
◆チケット販売期間:発売中~11/17(日)21:00
◆視聴可能期間:11/9(土)18:30~11/17(日)23:59 ※視聴期間を過ぎますとアーカイブをご覧いただけませんので、お時間に余裕をもってお申込み・ご視聴ください。
◆チケット購入(zaiko)
<未来古代楽団舞踏祭「瞬き、やがて、永遠」>
@渋谷ストリームホール
最速先行(抽選)受付期間:受付中~11/17(日)23:59まで
チケット購入ページ:https://eplus.jp/sf/word/0000159877
◆チケット購入(eplus)
◆未来古代楽団オフィシャルサイト