【ライブレポート】#KTちゃん、20歳のバースデーワンマン<PACHI PACHI 20>で「メジャーデビューします」

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数々のMCバトルへの登場に加え、「BaNe BaNe」などの楽曲リリースを通して注目を高めてきたラッパーの#KTちゃんが、自身ハタチの誕生日となる10月6日(日)、東京・渋谷WWWにてワンマンライブ<#KTCHAN birthday oneman live ''PACHI PACHI 20''>を開催した。

◆#KTちゃん 画像

ソールドアウトした会場は、開場すると同時に#KTちゃんグッズを身に着けたファンやオーディエンスで満員となり、DJ YANATAKEのオープニングDJに併せて身体を揺らしながら、そのライブのスタートを待つ。


そして会場の照明が落ち、ラッパーのRunLineの呼び込みから、DJ RIKAとDJ YANAKATEが流すオープニング曲と、それに併せてオーディエンスから自然に湧き上がるクラップに乗って、#KTちゃんはなんと客席から登場。「#KTちゃんだよ! 今日はよろしくね!」と会場に呼びかけ、そのままフリースタイルでこの日の意気込みとオーディエンスへの感謝をラップで形にしていく。

そのままライブはDJ CHARIとのコラボレートで発表された「MERA MERA」でスタート。抑えたテンションのラップで彼女の新機軸を拓いた一曲で、会場のテンションをじっくりと温めていく。そしてバーチャルシンガーの花譜と制作された「BEKI」で、その楽曲の幅の広さをみせる。


「渋谷WWW、こんな景色が見れて嬉しいです。上から下まで盛り上がって行きましょう」──#KTちゃん

という言葉に続いて、彼女のソロインディーズデビュー曲である、不二家ポップキャンディとのタイアップも果たした「ぴーおーぴー」を披露。ここでは声に高低差をつけたキュートなラップフロウで聴かせ、“#KTちゃんの原点”をアピールする。

自身が生まれ育った地元・横浜市戸塚を代表するサイプレス上野とASOBOiSMと「TOTSUKA」を歌うことも、彼女にとって原点を振り返ることになるだろう。ASOBOiSMの原曲にコラボ参加する形で、ホームタウンへの愛情を形にした。


ダンサーと共に披露された「MAI MAI」でのダンサブルなパフォーマンスに続いて、「タマちゃん!」とコールされて登場したのは、MCバトルでも幾度となく戦ったDOTAMA。DOTAMAの楽曲「Do The Rhyme Thing」に参加する形で、#KTちゃんもタイトなラップを披露する。「スーツで来てくれたから、成人式にお父さんが来てくれたみたい」「もう#KTちゃんの倍は生きてるからね」とバトルとは違う仲の良いトークの後に、「私たち2人がステージに立っているということは、あの曲をやっちゃいましょう!」というコールから「BaNe BaNe」。擬音やオノマトペ(擬音語・擬態語)を中心にした#KTちゃんと、ハードライムで向き合うDOTAMAというコントラストも興味深い。

続いて登場したゲストは呂布カルマ。重低音が会場に響く「俺の勝手」では、タフなサウンドを乗りこなす呂布カルマと、それに負けじと言葉を刻み込んでいく#KTちゃんのセッションに、ラッパーとしての#KTちゃんのレベルアップを感じさせる。「<高校生RAP選手権>の頃からすごく成長してる。あの頃から(審査で#KTちゃんに札を上げた)俺は、それを見極めてた」と話す呂布カルマに、「これからもそれを証明していく」と力強く答える#KTちゃん。そしてディスコティックな「Promise」で会場の空気をカラフルに染め上げる。


日本の#KTちゃん、韓国のBryn、タイのIIVY Bという国境を超えた3人が“女子会トーク”をそれぞれの言葉で歌った「choma!」が披露され、同曲が終わるとステージは暗転し、閃光と雷鳴が鳴り響く。そしてステージには二本のマイクスタンドが立てられ、そこに登場したのは#KTちゃんとD.O。D.Oの代表曲である「悪党の詩」に#KTちゃんが参加するという形でパフォームされる楽曲は、“山積みのままのプロブレムは/少しでも片付いているだろうか”を“いるのかしら?”と変えるなど、D.Oに飲まれることなく自分色を加えていく#KTちゃん。

D.Oが「ハタチの誕生日だからオトナになる瞬間をみせようってハナシ」と、D.Oの差し出したテキーラで乾杯。そして「スタンド・バイ・ミー」では漢 a.k.a GAMIのパートをカバーし、“根拠のない自信から/嘘偽りない物語が始まった”と歌う#KTちゃん。それは彼女のラッパーとしてのキャリアにも繋がる言葉だろう。ステージを後にしながらD.Oから放たれた「こいつは間違いなくKTのヒップホップだろ? こんなハッピーなヒップホップがあっても絶対にいいと俺は思ってるし、お前らもそうだろ?」という言葉には、大きな賛同の声が会場から上がった。


「今日は時間を作って遊びに来てくれて本当にありがとう。ハタチになりました。普通の女の子が、“ラップが大好きだ”という思いだけでラップを初めて、いろんな人たちに支えられて、ここまで来ることができました。自分はアンダーグラウンドなラッパーとはスタイルは違うかもしれない。だけど“ラップが好きだ”という気持ちをずっと貫いてきたからこそ、今日の景色が見れたと思うし、アーティストとして本当に嬉しいです。そして、来年1月13日にメジャーデビューします」──#KTちゃん

という言葉に、会場から万雷の拍手が上がる。その声援に対して、こう呼びかけた。

「後悔させないから、信じてついてきて欲しいです。これからどんどん大きくなるし、走り続けたい。たくさんライブやイベントをするから、これからも応援してくれると嬉しいです。そして(「戦極29章」で漢と戦った)両国国技館でライブがしたい。みんなで両国の最高の景色、見たいじゃん」──#KTちゃん


そして「おつボム」から、インディ最後のリリース作品として、10月6日に発売された「imagination」でライブを締めくくった。“物語/今始まった” “まだまだいける気しかしないわ”という、これからの飛躍への思いにあふれるリリックと、それを証明するような笑顔でのパフォーマンスに、大きく手を振ってオーディエンスも応え、希望感がしっかりと会場に広がっていく。

この日の出演者が再び登場し、#KTちゃんにバースデーケーキを手渡し、大団円を迎えたライブ。“アンファン・テリブル(恐るべき子ども)”から、“ひとりのラッパー/アーティスト”として羽ばたいていく彼女にはどんな豊かな未来が待つのか、しっかりと期待させられるバラエティに富んだ充実のライブはこうして幕を閉じた。

取材・文◎高木“JET”晋一郎
撮影◎笹森健一

■DIGITAL SINGLE「imagination」

2024年10月6日 (日)配信開始
配信リンク:https://KTchan.lnk.to/imagination



■ライブ/イベント情報

▼<Indies last party>
2024/12/27 (fri) 東京
▼<1st single release tour>
2025/1/13 (mon) 東京
2025/1/18 (sat) 大阪

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