ダルマ、仏教デスメタルで日台の文化交流を促進

台湾発の仏教デスメタルバンドのダルマが、2024年8月27日から29日にかけて初の日本ツアーを行う。

当ツアーは、上野音横丁、横浜7th Avenue、新宿SHINJUKU ANTIKNOCK presentsの3つの会場で実施され、ovEnola、The Lefts、wombscape、Alphoenix、Malevolent Pleasure、Altar of Dementia、Re;pagers、 GUNGIRE、EAST UP LINE、Art`emïus、FATHOMLESS SKYWALKER、Verdelet、NABLA9、rotpillarといった14組の日本のメタルバンドとの共演が予定されている。

2018年に台湾で結成されたダルマは、台北西門Jack Studioの創設者でありSABIANのグローバルアンバサダーでもあるドラマー・Jack、カナダ出身の音楽クリエイターのボーカリスト・Joe、ESPアンバサダーのギタリスト・Andy、ブラックメタルバンドのベーシスト・Bull、そして仏光山叢林学院出身の妙本法師という個性的なメンバーで構成されている。


伝統的なサンスクリット語の仏教音楽を基にした世界唯一のデスメタルバンドというダルマは、そのほとんどの楽曲は経文に忠実で、翻訳や余計な言葉を加えることなく最もシンプルな方法で経文を表現しているという。デスメタルという重厚な音楽性の中で経文の持つ純粋な力を発揮することで、聴衆の心に深く響く新たな宗教体験を創り出すとのことだ。


ドラマーのJackは、「私たちは観客に音楽を楽しみながら、いつしか仏教の儀式文化や信念に触れてもらい、新しい宗教的視野を得て、自分の信仰を見つける機会があることを望んでいます」と語る。ダルマ成立の初志は仏教伝道活動を行うことではなく、音楽を通じてみんなに信仰の概念をもたらし、今の社会の普遍的な信仰観念の弱い状態を改善したいという志からスタートしている。テーマとして仏教が選ばれたのは、自らの社会の普遍的な信仰から出発し本土の宗教文化を発揚したいという思いによるものだ。


今回の日本ツアーを行うこととなった背景には、「仏教が日本で広く受け入れられていること、さらに多くの音楽家や僧侶が宗教文化の発展を促進するために音楽を通じた取り組みを行っていることに共感したため」と説明している。ダルマは今回のツアーを通じて、日本と台湾の間で宗教的な文化交流とともに、音楽シーンの交流も促進したいという。


初となる日本ツアーでは、ダルマの2thアルバム『Three Thousand Realms in a Single Thought Moment』に収録されている「般若波羅蜜多心経」が初めてライブで披露される。この楽曲は、中国語の経文を用いた数少ない作品のひとつで、台湾の宗教文化を直接感じてもらういい機会になるとしている。ツアーで販売されるすべてのグッズは、メンバーである妙本法師が所属する吉美寺で加持されており、ファンに仏の願力とメンバーの祈りが込められたポジティブなエネルギーを届けることを目指しているとか。

今回のツアーは日数が限られているため、今後も日本に再上陸し、他の都市で公演する計画を立てているとのことだ。