三森すずこ、バースデイベント開催

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6月30日、声優アーティスト・三森すずこのバースデーイベント<みもパ!ハピバ!>が山野ホール(東京)にて開催された。

昨年はデビュー10周年のアニバーサリーイヤーとして、ベストアルバム『RPB』のリリースを皮切りに、記念のワンマンライブ<Mimori Suzuko 10th Anniversary Live RingRing PikaPika BangBang>、<Mimori Suzuko 10th Anniversary Live in 上海(Shanghai)>など、節目の年にふさわしい活躍でファンを楽しませてくれた三森。

今回の<みもパ!ハピバ!>は、そんなアーティストとしてのパフォーマンスはもちろんのこと、人間味に溢れた三森のパーソナルな魅力もふんだんに味わうことのできるトーク&ライブの2幕で構成。「昼の部」、「夜の部」の様子をどちらもレポートする。

◆イベント写真


まずは「昼の部」から。会場を埋め尽くした満員のファンの前に「元気ですか〜?」と満面の笑顔で登場した三森。この日の衣装はお姫様のような白とゴールドのドレスだが、じつはこちら、2016年に武道館で行われたライブ<Mimori Suzuko Live Tour 2016 “GRAND REVUE”>の際に着ていたもの。じつに8年ぶりとなる懐かしの衣装について、「良かった〜、まだ入りました(笑)」と笑うと、ファンから大きな歓声があがる。

恒例行事の<みもパ!>らしく、かしこまらないカジュアルな雰囲気で始まると、さっそくトーク企画「おしゃべりパーティー おしゃパ」がスタート。事務所の後輩声優である千春がMCを務め、ゲストとして呼び込まれたのは同じく声優の照井春佳。照井と三森の組み合わせと言えば、TVアニメ『結城友奈は勇者である』の主人公とその親友を演じており、プライベートでも仲良しな間柄だ。最初のトークテーマ「アフレコの失敗談」では、『結城友奈は勇者である -大満開の章-』の収録で、祝詞を読み上げるモブの芝居がうまくいかず、照井とふたりで落ち込んだエピソードを三森が披露。さらに次のお題「役作りの仕方」では、キャラクターが生まれてから今までの人生を想像すると語る照井と、キャラクターの表情設定から芝居や感情のボーダーラインを決めると答える三森と、実用的な答えが続き、これにMCの千春が「勉強になる」と関心する一幕も。ふたりも「養成所の講義みたい」と笑うなど、終始和気藹々。さらに「『結城友奈は勇者である』での思い出」を問われた三森は、イベントで聖地の香川県を訪れた際、照井とふたりで旅館の大浴場に入った思い出を語る。照井も「楽しかったね」と振り返るなど、昔話に花が咲くふたりだった。

続けては「三森すずこ好きなところランキングクイズ」。照井の「三森の好きなところ」を三森が当てるというもので、三森が予想した自分の答えは第3位「ポジティブ」、第2位「優しい」、第1位「いつも笑顔」。それに対し照井が用意していた答えは第3位「お顔!!!」、第2位「笑いの渦に巻き込む素敵トーク」、第1位「太陽みたいな明るさ」だった。照井は三森のことを「声優界で一番美人だと思っている」と熱弁し、さらに「私にとっては太陽」とベタ褒め。三森への愛が爆発して止まらない照井に対して、「恥ずかし」と照れながらもうれしそうな三森のやりとりが面白い。またトークパート中には関係者からのビデオメッセージが流れるサプライズもあり、昼の部では声優の佐々木未来、橘田いずみのほか、『探偵オペラ ミルキィホームズ』第二代目統括Pの岡田太郎からもお祝いメッセージが届いた。こうして照井との楽しいひと時を過ごした三森は、ここまでの感想を求められると「一人披露宴してるみたい(笑)」とニコニコ。続けて「みもパ!、やって良かった!」と素直な気持ちを吐露するのだった。


後半戦はライブパートへ突入。今回はアコースティック楽器による演奏ということで、三森自身も「のんびり楽しんでいただけたら」と、チルな雰囲気でライブがスタート。1曲目は「全部受けとって、強く抱きしめて。」で、ゆったりとしたリズムに身を委ねながら、優しく伸びやかな歌声が会場全体を包み込んでいく。さらに続けて「サキワフハナ」。テンポは原曲よりもややゆったりめで、アコースティックの優しいサウンド感もあいまって、三森の「声」の魅力がヒシヒシと伝わってくるアレンジ。表現力に富んだ歌唱力とアコースティックは最高のマッチングをみせ、ゆったりと三森の歌と音楽に身を委ねることができる。

ここでステージに再び照井が登壇し、ふたりで『結城友奈は勇者である』の楽曲をデュエットすることに。それぞれが演じる結城友奈と東郷美森がふたりで曲を歌うのは今回が初めてということで、照井はすでに感極まった様子。さらに三森も「リハの時にすでにグッと来ていて」と漏らすと、照井は「ヤバい! ちょっと待って」と、涙を必死にこらえる姿が印象的だった。ふたりが披露したのはエンディング・テーマ「Aurora Days」とキャラクターソング「勇気のバトン」の2曲。どちらも5人で歌う曲だけに、二度とはないかもしれない贅沢な時間を嚙みしめるのだった。

ここからは再び三森のソロへと戻り、ライブは一気にクライマックスへ。美しくも力強い高音が印象的な「海と空のヒミツ」と、優しさや温かみ、透明感を感じる「星屑のカーテン」を熱唱。その後のMCで「頻繁に歌を届けられるのはアーティストとして嬉しい」と、改めて音楽活動への情熱を語った三森は、最後の曲「エガオノキミヘ」を軽やかに歌い上げ、ライブパートは終了。ファンのみんなに手を振ってステージを降りたのち、アンコールに応えて再び姿を見せた三森は、新情報として「Mimori Suzuko Billboard Live 2024」のCDが9月11日に発売されることを発表。さらに最後のMCでは、自身のアメリカ移住についての本音も飛び出した。ファンから「寂しいよ〜」という声が響くと、「そりゃ私も寂しいよ〜」と複雑な心境を明かす。それでも「アメリカで得たものをまたエンタメとしてみんなに返せたら」と前向きに語る三森は、「私のこと忘れないで、待っていてくださいね〜」と客席に呼びかけると、大きな歓声と拍手に包まれたのだった。これまで応援してきたファンにとって、この三森のポジティブ発言は心が救われるものだっただろう。こうしてあっという間に過ぎた「昼の部」は、最後にデビュー曲の「会いたいよ...会いたいよ!」で締めくくり、幕を閉じた。

   ◆   ◆   ◆


続く「夜の部」では、作詞家の中村彼方がオンラインでゲスト出演。「おしゃべりパーティー おしゃパ」での最初のお題は「レコーディング裏話」で、プライベートでも親交の深いふたりは、レコーディング時はあまり「仕事をしている」感覚はないそうで、とてもリラックスした雰囲気でレコーディングに臨んでいる様子がうかがえる。さらに「中村彼方さん作詞の楽曲の思い出」では、「エガオノキミヘ」のレコーディング時、Dメロの「春風 花が踊る」から始まる4行の歌詞をその場で書き換えた出来事をあげ、三森が「『天才か?』と思った」と話すと、中村は「めちゃプレッシャーでした」とぶっちゃけ。さらに「作詞」について話が及ぶと中村は「観察」が大切であること、学生時代から気になるフレーズを書き留めていたことなどを告白。するとこの話を受けた三森が、最近になって昔書いていた日記が出てきてしまい、恥ずかしさのあまり「燃やしたいぐらい」と吐露。中村も「私もこのノートを残して死ぬことはできない」と意気投合するなど、大いに盛り上がった。

次の企画は「歌詞の一部で曲当てクイズ」。記憶力の悪さを自認する三森と、書くとすぐに忘れてしまうという中村だけに、やや不安な面持ちでスタートするも、三森がメロディを口ずさみ、そこから中村が曲名を思い出すというファインプレーも飛び出し、気づけば全問正解の快挙を達成した。また「夜の部」でもお祝いのビデオメッセージが寄せられた。声優の徳井青空、新田恵海に加え、最後はブシロード代表取締役社長の木谷高明と豪華な面々。なかでも徳井からのメッセージは4分半と飛び抜けて長く、ひとりで延々と喋り続ける徳井に対して、ステージ上から鋭いツッコミを入れていく三森の掛け合いが息ぴったりで、これには観客も終始大爆笑。会場がこの日一番の笑い声に包まれた瞬間だった。

「夜の部」のライブパートでは、セットリストが「昼の部」から一部変更され、「ね、そうでしょう!?」「tulutu...」「鈴がなる日」「My First Lesson」の4曲が新たにラインナップ。MCでは先ほどゲスト出演した中村の作詞曲に触れ、「tulutu...」のレコーディングは中村とふたりで女子旅に行くことを妄想して歌ったこと、「tulutu...」と「鈴がなる日」はとくにお気に入りの曲であることなどを明かした。


こうして「昼の部」同様、「夜の部」もあっという間に終了。トークでもライブでも、つねに笑顔を絶やさない三森が印象的で、プライベート感のあるトークと、いつもとはやや違うアコースティックライブということもあり、より彼女のことを身近に感じることができたイベントだったように思う。トークの中でも、自分のことよりもまずファンのことを気遣ってくれる優しさと強さは三森の魅力そのもので、彼女の人間力の高さが詰まったバースデーイベントとなったと言える。アメリカ移住後もアーティスト活動は継続することを発表している三森だけに、今後の活躍がますます楽しみだ。

「Mimori Suzuko Billboard Live 2024」

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