【インタビュー】結成40周年のROSEROSE、3ヶ月連続で再発盤リリース「当時の僕達の熱量を感じてくれたら」
■ ROSEROSEは昔から一貫して好きだってファンはいないんじゃないかな
── そしてシングルCDの「DEADEN THE NERVE Pt.2」に続きますね。この頃の曲になるとかなり展開が入り組んで凝った楽曲になっていますね。
Hiro:ROSEROSEの中で一番凝った作品になってしまいました。
── 「KILL YOUR BRAIN」収録の“Holy Terror”をここでは再録していますが、リフだけに面影を残して全く別の曲みたいになっていますね。それはここまで徹底して別の曲の様に壊したのですか?
Hiro:(笑いながら)仰る通りです。この曲をここに収録したのは勢いだけだったこの曲を当時の感覚で別物にアレンジしたら面白いだろうと思って。完全にアレンジして、IchiroやNatsukiに聴かせたら大爆笑だったから作品として残ったんです。
── この“Holy Terror”って所謂スケートロック期ROSEROSEの人気曲じゃないですか。それをここまで解体して再構築したのはスケートロック期のファンへの天邪鬼的思いもあったからですか?
Hiro:単純にチューニングが違うというのもあったけど、当時はスケートロック期の曲をやりたくなかったってのもあったし。何曲かはチューニングを下げて何度かやったけどスピード感が変わって合わなかった。
── デス・メタルでチューニング下げるとヘヴィ感は出ますが、スピード感は体感的に落ちますからね。
Hiro:その通りなのでやらなくなって。ROSEROSEは天邪鬼だって言っていたし、そういったことも含めやっていなかった。ファンに対してあてつけではないけど、天邪鬼だって公言していたことへのアンサーだったと思う。“Holy Terror”を今のROSEROSEがやったらこうだけど、どうなのって問いかけみたいなのもあったかも。
── 初期のファンはこの頃のROSEROSEに対してはどういった評価でしたか?
Hiro:「何をやっているか分からない」ってよく言われたね。こっちとしてはその答えは「よし!」って感じだったんだけど(笑)。長くずっと同じスタイルでやるってのはなかったから。その時その時で人間は変わるし。ずっと同じスタイルでやっていたら、ずっと好きでいるファンはいるかと思うけど、ROSEROSEは昔から一貫して好きだってファンはいないんじゃないかな。それがROSEROSEの音楽スタイルの答えだと思う。そうそう、“Surrounded By Foes”でのNatsukiのギター・ソロは素晴らしいから評価して欲しいです。
── その“Surrounded By Foes”は作品の「SURROUNDED BY FOES」には収録されていませんね。
Hiro:ROSEROSEではよくあるのですが、タイトル曲をその作品に収録しないで他の作品に収録しています。それを話すともう気が付くと思いますが、「LIQUIDATION」のトップに収録している“Your Ignorance Is Our Death”は2019年にリリースしたアルバムのタイトルになっていますよね。そういったことをよく考えてやっています。
── 言われて気が付きました。これだけ年月が経っていると気が付く人も少なそうですね。イヤらしいですね(笑)。
Hiro:イヤらしい言うな(笑)。2022年にリリースした現時点での最新作「UNSEEN TERROR」には“Kill Your Brain”って曲も収録していますし。歴史が長い分、ポイントポイントでこういうことをこっそりやっているんです。だから“Holy Terror”をここで持ってきたのもそういう意味もあるんですよ。
── 今回再発されませんが、続く「DEGENERATE GENERATION」(1993年)を最後にデス・メタルから離れていきますが、これは何故だったのですか?
Hiro:デス・メタルを通過して、また原点的なストレートなパンク色強いものをやりたくなっていました。その次に「BEMIRE」(1994年)をリリースしていますが、ストレートでキャッチーなサウンドになっていると思います。ステージを駆け回ってジャンプしてって弾けるスタイルをやりたかったんでしょうね。
── 初期とは違ってカラっとしたシンプルなスピード感あふれるサウンドになっていましたよね。
Hiro:完全に色々なものを振り落としてシンプルになってました。
── となるとここでデス・メタルROSEROSEを好きになったファンは離れていきましたよね?
Hiro:完全に離れちゃいましたね。
── こういった過去の作品の再発に喜んでいるファンも多いと思うのですが、次に期待するのはDogma Records期の作品の再発かと思います。それは難しいのでしょうか?
Hiro:以前、確認の連絡はしたのですが…。Dogma Recordsのオーナーがどういった考えなのかは実際に会って話し合ったわけではないのでどんな考えなのかは分からないです。あくまで予測なのですが、例えばあの時期に何某かの枚数をプレスして終わりって考えがオーナーにはあるのかなと。だから売り切れたからって当時再プレスもしていないと思います。他のバンドは分からないですが、ROSEROSEに関してはそれで終わりでした。
── Hiroさんとしてはチャンスがあるなら再発したい意向はありますよね?
Hiro:今ではプレミア・アイテムになってしまっているし、聴きたいってファンも多いですから。レーベルとしても再発したいって手を挙げてくれたところもあったし。再発したいって気持ちは大きいですし、やろうと思えばやれると思います。でも、当時のレーベルの許諾なしに再発は絶対にやりたくないんです。当時のレーベルには本当にお世話になったから。本当に再発はしたいですが、そこは曲げたくないです。
── その後も音楽スタイルは変化していきますが、一番メタルに近づいていたのが今回の再発シリーズかと思います。そういった時期の作品を聴いてくれるファンにメッセージをお願いします。
Hiro:ROSEROSE結成40周年を迎えてこういった作品を再発してくれたレーベルに感謝すると同時に、当時の僕達の熱量を聴いたことで感じてくれたらと思います。現行のROSEROSEファンは新たにこんなROSEROSEもいたんだと再発見して欲しいし、当時のファンだった人は懐かしく楽しんでいただけたらと思います。
取材・文◎別府“Veppy”伸朗
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■リリース情報
2023年12月20日(水)発売
BTH-098
ROSEROSE「BRUTALIZE + SURROUNDED BY FOES」
2024年1月24日(水)発売
BTH-099
ROSEROSE「COMPLETE DEAD'EN THE NERVE」
2024年2月21日(水)発売
BTH-100
関連リンク
◆ROSEROSE オフィシャルサイト