【インタビュー】LUNA SEA、RYUICHIが語る『MOTHER』『STYLE』と30年「何を失って何を得たのか」

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■オリジナルメンバーで現存していること自体
■奇跡なんだろうなと思います


──<LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023>は横浜、福岡公演を終え、次は12月2日と3日に宮城・ゼビオアリーナ仙台公演、16日と17日には愛知・日本ガイシホール公演が控えています。セットリストは序盤と変わるのでしょうか?

RYUICHI:はい。もういろいろと準備をしています。もしかしたら“どこどこの地域でやった何曲目と一緒”みたいな部分はあるかもしれないですけどね。初日と2日目はもちろん、もともと大きな違いがありますが、それに加えて地域ごとの違いも出していきたいと思っています。

──『MOTHER』『STYLE』というアルバム2枚をほぼ網羅したセットリストだと思うのですが、当時同様、「FAKE」は披露されないのですか?

RYUICHI:しないまま終わる感じかな。でも、いつかやるんじゃないですかね。どこかでその曲を披露する瞬間にピークを迎えるんでしょうけど。そもそも“なぜやらないんだ?”という話もありますけどね(笑)。

──ライヴの場で再現しづらい曲なのでしょうか?

RYUICHI:いや、今回新録しているし。そういう意味では1994年当時のステップより、絶対に実現性は高いと思うんです。もしかしたらメンバーの中でも、どこかで封印を解くタイミングを待っているのかもしれないですね。本当に、ここという時に開けるのかもしれない。…ちょっとまだ分からないですけど。



▲<LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023>10月7日+8日@横浜公演

──“END OF DUAL”というサブタイトルが追記されたツアーファイナルは大阪城ホールにて12月30日、そして31日にはLUNA SEAとしては久しぶりとなるカウントダウン公演<UN ENDING STYLE -COUNTDOWN SPECIAL->が開催されます。どういう心構えで向かわれますか?

RYUICHI:僕にとってライヴとは、“何ができたか?”ということが、終わった後に心を支配するんです。当然、いい歌をうたえた日は気持ちよく夜も眠れるし、満たされるんです。だけど、やっぱりファンの皆さんと作るその空間が、どれだけ想像を超えていくのかということ。それは、ファンのみんなが歌ってくれる声の大きさだったり動きだったり、音響や照明、そこに携わるすべての人間たちのボルテージが高まって、“うわっ! 今、きてるよね”という瞬間を何度数えられるかということで。カウントダウンの場合はそれにプラスして、格闘技のようなガチンコの世界や、エンターテインメントとしてのお祭り感も必要なんです。2023年を締め括るカウントダウンがあれば、当然カウントアップもあるはずなので。2024年のスタートでもあるわけだから。

──はい。

RYUICHI:それがどういう演出で、何時何分までライヴするのか、詳細はまだ決まってませんが、自分が何かを超越して、それを景色として眺めるように、ふと力が抜けた瞬間にカウントダウンが訪れるといいなって。その後で、“LUNA SEAのこの曲聴きたかった”みたいなみんなと育むことのできる曲が出てくるのか。それとも逆に、すごく尖った曲で2024年を迎えるのか。カウントダウンの完全なメニューはまだ見えていないけど、特別な曲たちが追加されてくることは間違いないので、その辺も含めて僕自身が楽しみですね。

──どちらもLUNA SEAらしいです。

RYUICHI:僕の場合は、さっき言った格闘技的な部分をしっかりとやり遂げた後に、その瞬間が訪れてほしいという気持ちがすごく強いというか。LUNA SEAのライヴにおいては、いつもそう思っているんです。映画のようにシナリオがあるものが悪いとか、そんなことを言いたいんじゃないです。どこかではみ出して、逸脱して、狂っている世界がある。“今、ここでしか共有できない何かがあった”という瞬間がLUNA SEAのライヴには存在しているし、それが僕らだと思っているんです。そこはやっぱりカウントダウンでも見たいと思いますね。


──BARKSでRYUICHIさんにインタビューさせていただくのは声出し解禁以降、今回が初となります。LUNA SEAは、コロナ禍の規制が厳しい状況下でもいろいろな工夫をしながらライヴを果敢に実施してきました。RYUICHIさんがよくMCでおっしゃっていた、「長いトンネルを抜けた先」がまさに今だと思いますが、この3年半をどう振り返ってますか?

RYUICHI:本当に必死にやってきたし、僕自身の声の不調もあったし。本当はもっと早く終わる予定だった<CROSS>ツアーは2本を終えたところで、コロナのトンネルに入ってしまったわけで。そこから半年ライヴができず、延期や再延期を繰り返しながらコロナの第二波、第三波ってずっと経験してきましたよね。その中で、着席指定とか、マスク着用のうえ声出しNGとか、ヘッドバンギングはNGとか、市町村によって対応も違っていたんです。そういうことを3年半も経験してきたわけだから、トンネルからの出口となった声出し解禁ライヴでさえも、ファンの皆さんの感情として“声出しが怖い”という人も当然いたんですね。そういうことを乗り越えた今、みんなの声を聴くと、“あぁ、これが通常のライヴだったよな”って。当たり前だと思って思っていたことの価値を改めて感じましたよね。ライヴはもともと、誰かに大きな迷惑を掛けなければ少しぐらいはみ出してもいい場所だったはずが、規制だらけでしたから。だから、ある意味ではファンの皆さんが一番頑張ってくれたんじゃないかな。「心の声で歌ってね」と言われても、それはなかなか大変だったでしょうし。

──そして、これは失礼な質問になったら心苦しいのですが…アーティストの訃報が立て続けに届いた2023年でした。LUNA SEAの活動に対する想いに、何か影響はあったでしょうか? RYUICHIさんはどう受け止めていらっしゃるのか、率直なお気持ちを伺いたいと思います。

RYUICHI:そうですね……。自分が思っている以上に、終わりが見えてきているというか。たとえば、「70歳までやる」と言った時、あと16年ぐらいあると逆算するわけですけど、年に50本ライヴをしても、もう1000本もできないんだなとも感じるわけです。もちろん80歳までやるかもしれないけど、それには5人のオリジナルメンバーのままで80歳まで生きる、という至難の技を乗り越えていかないといけない。

──ぜひ、生きて活動し続けていただきたいです。

RYUICHI:櫻井(敦司 / BUCK-TICK)さんも、HEATH (X JAPAN)の訃報も、未だに信じられない。その前のYOU (足立祐二 / DEAD END)さんもそう。今でも全員、どこかに普通に存在してて、“創作活動でこもってただけだよ”って、ふっと姿を見せてくれそうな感じさえするんです。若過ぎたからね。でも、生まれたからには、人間は必ず命を落とすということを僕もガン疾病を経験してすごく考えさせられました。だから、Jがよく言う「先送りできないよね」という言葉…その気持ちがよく分かる。今回新録した2枚のアルバムもそうだし、今できることを来年できる保証はないんです。病気以外でも事故とかで命を落とすことだってあるわけだし、いろいろな理由で活動を何年かできなくなる可能性だってある。そういう意味では、僕も「先送りできない」ということに同意で、今できること、今一番やりたいことをどんどんやっていかないと、もう時間は待ってくれない。そういう意識が高まりましたね。

──はい。

RYUICHI:『MOTHER』『STYLE』は、僕らの20代中盤から後半のアルバムで。あの頃は2日3日徹夜しようが遊ぶ気力があったし、無茶することイコール気合が入っていること、みたいな感覚もあったから。そういうことも経験して乗り越えてきた今言えることは、オリジナルメンバーで現存していることや活動できていること自体、すごくありがたいことだなと。もし今後もっと時間が経って、60代とか70代になっていても続けていられたら、それはある意味、奇跡なんだろうなと思います。ストーンズもそうだけど、オリジナルメンバーで70代を迎えるってなかなか聞かないですよね。今やれることをやって、今観せられることを観せて、 観に来てもらえるファンのみんなと共に、作れるものを作っていきたい。ファンのみんなだって当然、一緒に年を重ねていくわけですから。そういうことをすごく思いますね。

取材・文◎大前多恵
撮影◎田辺佳子

■<LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023>


【神奈川】
<MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
 10月07日(土) Kアリーナ横浜
 open16:30 / start18:00
<UN ENDING STYLE>
 10月08日(日) Kアリーナ横浜
 open15:30 / start17:00
【福岡】
<MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
 11月04日(土) マリンメッセ福岡B館
 open17:00 / start18:00
<UN ENDING STYLE>
 11月05日(日) マリンメッセ福岡B館
 open16:00 / start17:00
【宮城】
<MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
 12月02日(土) ゼビオアリーナ仙台
 open17:00 / start18:00
<UN ENDING STYLE>
 12月03日(日) ゼビオアリーナ仙台
 open16:00 / start17:00
【愛知】
<MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
 12月16日(土) 日本ガイシホール
 open17:00 / start18:00
<UN ENDING STYLE>
 12月17日(日) 日本ガイシホール
 open16:00 / start17:00

【大阪】
<MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
 12月30日(土) 大阪城ホール
 open18:00 / start19:00
<UN ENDING STYLE -COUNTDOWN SPECIAL->
 12月31日(日) 大阪城ホール
 open21:00 / start22:00

▼チケット
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/lunasea/
・イープラス: https://eplus.jp/lunasea/
・ローソンチケット: https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=465766
・mu-mo TICKET: http://r.y-tickets.jp/lunasea2302

■セルフカバーアルバム『MOTHER』

▲セルフカバーアルバム『MOTHER』

2023年11月29日 発売
【初回限定盤 A (ALBUM CD+DVD ※内容未定①)】
【初回限定盤 B (ALBUM CD +Blu-ray ※内容未定①)】
【通常盤 (ALBUM CD)】
▼ALBUM CD ※全形態共通
01 LOVELESS
02 ROSIER
03 FACE TO FACE
04 CIVILIZE
05 GENESIS OF MIND 〜夢の彼方へ〜
06 AURORA
07 IN FUTURE
08 FAKE
09 TRUE BLUE
10 MOTHER

【SLAVE限定盤 PREMIUM BOX A】
・ALBUM CD
・LIVE CD 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.27「A Rosy Show」Selection
・DVD 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.27「A Rosy Show」Selection
・「MOTHER」オリジナルTシャツ
・『THE BEST OF LUNA SEA 2023』スタッフパス
・BOOK 『THE BEST OF LUNA SEA 20232』 2023.5.27「A Rosy Show」 ライヴ写真集
【SLAVE限定盤 PREMIUM BOX B】
・ALBUM CD
・LIVE CD 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.27「A Rosy Show」Selection
・Blu-ray 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.27「A Rosy Show」Selection
・「MOTHER」オリジナルTシャツ
・『THE BEST OF LUNA SEA 2023』スタッフパス
・BOOK 『THE BEST OF LUNA SEA 20232』 2023.5.27「A Rosy Show」 ライヴ写真集
※SLAVE限定盤はLUNA SEAファンクラブ『SLAVE』会員限定販売

■セルフカバーアルバム『STYLE』

▲セルフカバーアルバム『STYLE』

2023年11月29日 発売
【初回限定盤 A (ALBUM CD+DVD ※内容未定②)】
【初回限定盤 B (ALBUM CD +Blu-ray ※内容未定②)】
【通常盤 (ALBUM CD)】
▼ALBUM CD ※全形態共通
01 WITH LOVE
02 G.
03 HURT
04 RA-SE-N
05 LUV U
06 FOREVER & EVER
07 1999
08 END OF SORROW
09 DESIRE
10 IN SILENCE
11 SELVES

【SLAVE限定盤 PREMIUM BOX A】
・ALBUM CD
・LIVE CD 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.28「A Show for You」Selection
・DVD 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』2023.5.28「A Show for You」Selection
・「STYLE」オリジナルTシャツ
・『THE BEST OF LUNA SEA 2023』スタッフパス
・BOOK 『THE BEST OF LUNA SEA 20232』 2023.5.28「A Show for You」 ライヴ写真集
【SLAVE限定盤 PREMIUM BOX B】
・ALBUM CD
・LIVE CD 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.28「A Show for You」Selection
・Blu-ray 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.28「A Show for You」Selection
・「STYLE」オリジナルTシャツ
・『THE BEST OF LUNA SEA 2023』スタッフパス
・BOOK 『THE BEST OF LUNA SEA 20232』 2023.5.28「A Show for You」 ライヴ写真集
※SLAVE限定盤はLUNA SEAファンクラブ『SLAVE』会員限定販売


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