【インタビュー】⼼之助、EP『Lapis Lazuli』で示した新鮮な一面「すごく納得できるものになりました」

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東京・Spotify O-WESTで開催された<心之助 ONE MAN LIVE 2023>の当日、10月1日にリリースした10th EP『Lapis Lazuli』。これまでもリリースをハイペースに重ねながら作風を広げてきた心之助だが、今作では客演アーティストを招いた曲を初収録。BBY NABE、EINSHTEINとのコラボレーションによって新鮮な一面が示されている。

◆心之助 動画 / 画像

印象的なモチーフ、実体験を反映した描写を散りばめながら曲全体のイメージをより鮮やかなものにする表現スタイルも、ますます洗練された作品だ。リスナーの心に寄り添うメッセージソング、まっすぐに気持ちを伝えるラブソングも存在感を放つ今作について語ってもらった。

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■「ラピスラズリ」っていう音の響きも良い
■幸運を呼ぶ1枚にもしたかった


──リリースのペースが速いですよね?

心之助:そうですね。理想は1シーズンにつき1個出したいんですけど。最低半年に1枚はEPを出しつつ、間でシングルを挟んでいけたらいいのかなと思っています。時代的にサブスク中心で聴かれるようになっているので、回転率が速くなっているじゃないですか? だからとにかく曲数を出していきたいんです。新鮮な内に出したいというのもあります。

──サウンドのトレンドもありますし、リリックで使った言葉が古くなることもありますから、作り手としてはできるだけ早く出したいでしょうね。

心之助:ES-PLANT(サウンドプロデューサー)もよくそういうことを言っています。例えば半年前に作った曲だと、「これはもう古いから作り直したい」とか。

──今作のタイトルは『Lapis Lazuli』ですが、青い石ですよね?

心之助:はい。今までも色をタイトルにすることが多かったので、全体の色をイメージしながら考えたんです。「ラピスラズリ」っていう音の響きも良いですし、石の意味が「幸運」「真実」なのもいいなと思って。ワンマンライブをやる当日のリリースでもあったので、そういう点でもぴったりだなと思いました。幸運を呼ぶ1枚にもしたかったので。

──心之助さんは実体験を曲にしてきましたが、今作はその点に関してどうだったんでしょう?

心之助:実体験もあるんですけど、どっちかというと初心に還ろうっていうのがありました。例えば「気にすんな」は、デビューアルバムに入っていた「俺と一緒になってくれ」のインストを使って作ってみたんです。実体験も交えつつ、昔から好きでいてくれているファンに喜んでもらえるような要素も盛り込んだメロディの作り方をしました。

──初心に還ってみようと思った理由は?

心之助:10年以上音楽をやってきて、ワンマンライブを初めてやることになったのが大きいです。やっとスタートラインに立てた感覚だったので。今からでも遅くないと思っています。37歳になったんですけど、どこかで年齢を言い訳にしてしまっている自分もいたので、これを機に「まだまだ遅くないぞ」っていう気持ちでいます。ワンマンライブの会場もちょっとずつ大きくしていきたいですし、いろんな挑戦をしていきたいと改めて思っています。


──時間はかかりましたけど、良い活動状況になってきていますよね?

心之助:はい。ようやく思い描いていた感じに近くなってきたというか。一番焦りがあったのは30歳くらいの頃です。音楽を辞める周りの仲間もいましたし、実家に帰る約束だった年齢でもあったので。当時は実家のうなぎ屋の前を毎朝掃除していました。

──バイトの面接で落ちまくったのは、その前ですか?

心之助:その前です。26、27歳くらいの頃だったので。カラオケボックスやコンビニのバイトも落ちました。でも、100人に1人しか受からないようなバイトには受かったりしたんです。当時、日本に1軒しかなかった某有名ブランドのバーで働いたことがあります。1ヶ月でやめましたが(笑)。

──(笑)。今作はラブソングが多めになったという印象です。

心之助:そうですね。たまたまそうなったというのもあるんですけど。「気にすんな」と「HEY GIRL」に関しては、ファンに向けて書いています。「彼氏の元カノを意識してしまいます。彼氏は今は何にもないって言うんですけど、インスタでフォローし合っているんです。どうしたらいいですか?」みたいな相談を受けることがよくあって作ったのが「気にすんな」です。彼氏の気持ちを描いて安心できるような曲を作ったら喜んでもらえるんじゃないかなと。「HEY GIRL」もファンからのDMがきっかけです。「友達だと思っていた人から裏切られました。陰で悪口を言われてたんです」というような相談を受けることがよくあったので、そのテーマでいつか描きたいなと思っていました。

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