【ライブレポート】indigo la End、<あたらしいindigo>提示したフリーライブ「またライブに来て頂けたら嬉しいです」
indigo la Endが、10月26日に東京・豊洲PITでフリーライブを開催した。ここでは、ニューアルバム『哀愁演劇』の発売を記念して行われた本公演のレポートをお届けする。
◆indigo la End ライブ画像
ライブチケット申し込みが、右肩上がりの過去最高値と勢いに乗っているindigo la End。SNSから人気に火がついた「夏夜のマジック」に続き、『哀愁演劇』収録の「名前は片想い」もTikTokからバイラルヒットし、バンド最大のヒット曲となった。
抽選に応募した観客が無料招待されるという、今回のスペシャルなフリーライブは二部制で行われ、<一部マチネ(After school):はじめてのindigo>は学生優先、<二部ソワレ(After work):あたらしいindigo>は社会人優先で各回3,000人が招待された。当然ながら応募が殺到したという。
一部公演<はじめてのindigo>は、学生服姿も多く見られ、開演前には、狭き門を突破した幸運な観客たちが今か今かと開演を待ち侘び、暗がりの中で胸を高鳴らせていた。
▲川谷絵音(Vo, G)
「演じた先にある心いつも探している 舞台上の哀愁はいつか散る 私も知らない間に」と2回繰り返すメッセージ性のあるVTRが流れ終わると、舞台上の照明が一斉に点灯。「indigo la Endです。よろしくお願いします」という川谷絵音(Vo, G)の挨拶が号令となり、「夜風とハヤブサ」の演奏がスタートした。
▲長田カーティス(G)
▲佐藤栄太郎(Dr)
▲後鳥亮介(B)
後鳥亮介(B)が巧みなスラップで観客を魅了するなか、川谷の透明感のある歌声、長田カーティス(G)の切れ味鋭いカッティング、佐藤栄太郎(Dr)のパワフルでいて繊細なドラムサウンドが場内に響き渡る。サビはキャッチーでありながら鮮烈な印象も与えるこの楽曲は、終盤の華麗な転調など聴きどころが満載だ。ハンドマイク姿の川谷が手を掲げながら歌うのに合わせ、観客たちも一緒に手を挙げたり、体を揺らしたりしながら演奏を楽しんでいた。
一部公演は、indigo la Endのライブを初めて見る観客のために、川谷いわく、ストリーミング人気曲からセットリストを決めたという。
続けて披露されたのはニューアルバム『哀愁演劇』から「邦画」と「カンナ」。「邦画」では川谷のハイトーンボイスを存分に堪能できた。「カンナ」で光ったのは川谷と長田のクリーントーンによるアルペジオだ。バンドの真骨頂ともいえる切ないメロディーは、主にこの二人の類い稀な音楽センスにより作り上げられている。川谷が後のトークパートで「妄想と堅実な未来を組み合わせた」と話していた「カンナ」の歌詞は、一見すると読み解けそうで読み解けない難解な世界観だが、情景や雰囲気は手に取るようにしっかりと伝わり何回でも聴き返したくなる。
そして、フロアタムも多用した佐藤の巧みなドラミングが聴ける「雫に恋して」のあと、美しいコーラスワークが印象的だった「チューリップ」「通り恋」とメロウな楽曲が披露され、涙ぐみながら静かに演奏に聴き入る観客の姿も見られた。
<はじめてのindigo>には初来場者も多く、MCで川谷が「こんな暗くないから普段」と笑わせる場面も。観客への感謝の言葉を述べ、「またライブに来て頂けたら嬉しいです」と呼びかけていた。
「夏夜のマジック」をしっとりと聴かせたあと、会場中からハンドクラップが沸き起こった「名前は片想い」を経て、最後に披露されたのは「晩生」(読み:おくて)。“ここぞというときに披露する”という楽曲で、メンバー全員髪を振り乱して演奏。これまでとは打って変わり、激しいギターサウンドが轟く中、川谷は寝転がったままテクニカルなギターソロを弾くなど圧巻のパフォーマンス。演奏を終えると、盛大な歓声と拍手がメンバーたちに贈られた。
二部公演<あたらしいindigo>は、ニューアルバム収録曲を中心に「夜汽車は走る」「抱きしめて」などが並ぶ、より哀愁を感じさせるセットリストとなった。
長田が奏でる流麗なメロディーが特徴的な「忘れっぽいんだ」、佐藤と後鳥が繰り出す重いビートを体感できた「プルシュカ」も本公演のみ披露された。
会社帰りと見られる社会人が多い印象だったが、特に「抱きしめて」の演奏は深く心に響いたであろう。まるでゆっくりと海の底に沈み込んでいくような不思議な浮遊感があり、スローテンポでも決して失われないグルーヴが心地よい。川谷の美しい裏声が乾いた心に染み渡り、疲れが癒やされていくのを感じた。
ラストは2012年リリースのミニアルバム『渚にて』から「楽園」。川谷は「自分たちも、昔の楽曲も新しくなっているよと見せたかった」と2曲連続で初期楽曲を選んだ理由について語っていたが、その言葉どおり、現メンバーにより完成度を高めた両曲はこの日、観客たちに強烈な印象を植え付けることに成功したといえる。
また、両公演とも終演後にはトークパートが設けられ、10代のころのエピソードトークや、アルバムの解説、打ち上げの思い出、今後のバンドとしての展望などが語られた。ニューアルバム『哀愁演劇』の聴きどころについて川谷は、「曲間の秒数にもこだわったので、アルバムを全曲通して聴いてもらえたら」と話していた。
12月からはバンド史上最大規模の全国26ヶ所を巡るツアー<TOUR 2023-2024 「藍衆」>が始まるindigo la End。現在を常にアップデートしていく彼らの活躍から目が離せない。
取材・文◎東 純史(BARKS)
撮影◎鳥居洋介
<New Album「哀愁演劇」リリース記念フリーライブ>セットリスト
<はじめてのindigo>
1. 夜風とハヤブサ
2. 邦画
3. カンナ
4. 雫に恋して
5. チューリップ
6. 通り恋
7. 夏夜のマジック
8. 名前は片想い
9. 晩生
<あたらしいindigo>
1. カンナ
2. 名前は片想い
3. 夜汽車は走る
4. 忘れっぽいんだ
5. チューリップ
6. プルシュカ
7. 夏夜のマジック
8. 抱きしめて
9. 楽園
New Album『哀愁演劇』
https://indigolaend.lnk.to/aishuengeki
収録楽曲:
1. カンナ
2. 名前は片想い
3. 忘れっぽいんだ
4. 芝居
5. 愉楽
6. 瞳のアドリブ
7. そのままの冷たさで
8. 暗愚
9. ヴァイオレット
10. ラブ feat.pH-1
11. 春は溶けて
12. パロディ
13. 邦画
14. Gross
15. プルシュカ
■初回生産限定盤A(CD+DVD) WPZL-32092/3 ¥4,950(税込)
■初回生産限定盤B(CD+Blu-ray) WPZL-32094/5 ¥5,500(税込)
※初回生産限定盤A、Bには2022年11月に開催された自身初となる日本武道館公演「藍」ライブ映像を全編収録。
※武道館ライブフォトブック封入
※デジパック仕様
【初回生産限定盤 A/B 映像収録楽曲】
indigo la End 日本武道館公演 「藍」 (2022.11.1)
sweet spider
悲しくなる前に
瞳に映らない
花をひとつかみ
想いきり
雫に恋して
夜行
夜風とハヤブサ
蒼糸
花傘
チューリップ
邦画
夜の恋は
そのままの冷たさで
夜汽車は走る
ハートの大きさ
秘密の金魚
夜明けの街でサヨナラを
名もなきハッピーエンド
藍色好きさ
夏夜のマジック
Play Back End Roll
通り恋
冬夜のマジック
名前は片想い
■初回生産限定盤C (3CD) WPCL-13512~4 ¥4,950(税込)
※初回生産限定盤Cには2022年11月に開催された自身初の日本武道館公演「藍」のライブ音源CD2枚を収録。
※メンバーによるセルフライナーノーツインタビューを掲載したindigo la Endメンバーポスターサイズブックレットを封入。
※デジパック仕様
【初回生産限定盤 C】
CD Disc2
(Live from 日本武道館公演 「藍」 2022.11.1)
sweet spider
悲しくなる前に
瞳に映らない
花をひとつかみ
想いきり
雫に恋して
夜行
夜風とハヤブサ
蒼糸
花傘
チューリップ
邦画
夜の恋は
CD Disc3
(Live from 日本武道館公演 「藍」 2022.11.1)
そのままの冷たさで
夜汽車は走る
ハートの大きさ
秘密の金魚
夜明けの街でサヨナラを
名もなきハッピーエンド
藍色好きさ
夏夜のマジック
Play Back End Roll
通り恋
冬夜のマジック
名前は片想い
<哀愁演劇展>
会期:2023年10月21日-29日
時間: 11:00-20:00 ※最終日はClose時間変更の可能性あり
会場:東京・下北沢BONUS TRACK GALLERY (世田谷区代田 2-36-15)
注意事項:
・入場無料イベントとなります。
・入場制限を行う可能性があります。
・11:00より前にお並びいただくことはご遠慮ください。
・フォトブックやコースター、販売グッズは限定数となります。
・限定コースター配布店舗
本屋 B&B
胃袋にズキュンはなれ
ADDA
本の読める店 fuzkue
Why_?下北沢店
大浪漫商店(BIG ROMANTIC STORE)
お粥とお酒 ANDON
日記屋月日
※各店舗にて商品購入された方にイベント限定のコースターをプレゼントいたします。
<TOUR 2023-2024 「藍衆」>
12月2日(土) 埼玉・戸田市文化会館
12月3日(日) 東京・東京国際フォーラム・ホールA
12月9日(土) 京都・ロームシアター京都・サウスホール
12月22日(金) 広島・広島市南区民文化センター
12月23日(土) 岡山・岡山市立市民文化ホール
2024年
1月7日(日) 大阪・フェスティバルホール
1月8日(月・祝) 静岡・静岡市民文化会館・中ホール
1月14日(日) 群馬・高崎芸術劇場・大劇場
1月21日(日) 愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホール
1月27日(土) 香川・レクザムホール(香川県県民ホール)
2月4日(日) 栃木・栃木県教育会館
2月12日(月・祝) 福島・いわき芸術文化交流館アリオス・中劇場
2月18日(日) 岩手・トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館・中ホール)
2月24日(土) 神奈川・パシフィコ横浜・国立大ホール
3月2日(土) 福岡・福岡市民会館・大ホール
3月3日(日) 熊本・熊本城ホール・シビックホール
3月9日(土) 石川・金沢市文化ホール
3月10日(日) 長野・ホクト文化ホール・中ホール(長野県県民文化会館)
3月16日(土) 北海道・幕別町百年記念ホール
3月17日(日) 北海道・カナモトホール
3月23日(土) 宮城・仙台 GIGS
3月24日(日) 新潟・りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場
3月30日(土) 山梨・YCC県民文化ホール・小ホール(山梨県立県民文化ホール)
4月3日(水) 東京・NHKホール (東京)
4月13日(土) 長崎・長崎ブリックホール
4月21日(日) 沖縄・ミュージックタウン音市場
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