【インタビュー】Tani Yuukiの現在地を示す「最後の魔法」リリース「聴いてくれる人、周りの人たち……背負うものが増えたという感覚」
■ Zeppのスタンディングのライブに、3世代で来てくれたお客さん
── 前回の「械物」もそうでしたけど、最近はTani Yuukiのロック感が強まってきていて、これはどういうことなんだろう、と。
Tani:そうですね(笑)。「械物」もアニメの主題歌としてど真ん中を投げたいっていうのがあったんですけど、なんか、ここまでハードなロックって僕が好んで聴いてきた中には、あんまりないような気がして。そうなったのはなんでだろうなって考えたんですよ。その時に「子どもの頃、家族は音楽を聴いてたんですか?」って聞かれることがあって。「お母さんはJ-POPを聴いていて、お父さんは洋楽のハードロックが好きで……おや?」みたいな(笑)。父が車を運転するときによくハードロックが流れてたんですよ。コピーバンドとかやっていたくらい好きで、「かっこいいと思わない?」ってグイグイくる感じが嫌で、僕はJ-POPに行ったんですけど、もしかしてちょっとずつ親父が出てきてるというか、当時耳に入っていたものが出てきているのではないかって。
── ありそうですね。刷り込まれていたんでしょうね。
Tani:潜在的にあったんでしょうね。「うわ……ありがとう」っていう(笑)。今思えば本当に「ありがとう」ですね。
── あとはライブをたくさんやってきて、お客さんの反応とかも感じ続けてきたということも少なからず影響しているのかなと思います。「最後の魔法」もライブ映えしそうじゃないですか。
Tani:そこの意識の変化は確実にあると思います。それこそ今度のホールツアーで響き渡ってくれるんじゃないかなと思ってますね。次のツアーに向けての曲を作る期間で生まれてきた曲なので、そういう意味合いももちろんありつつ、今まで僕がエレキを弾いて歌ったのはファーストライブだけなんですけど、それは昔の曲をやるのに必要だったから弾いたんですよね。でも今回はアコギじゃなくてエレキを弾きながら歌いたいなと思っていて、この間買ってきたんですよ、ギターを。この曲にぴったりの音が出るストラトと出会ってしまったので、それをかき鳴らせる日が楽しみです。
── それは観に来る人にとってもかなり新鮮ですよね。
Tani:新鮮だと思います。もしかしたらやることはアコギとそんなに変わらないかもしれないですけど。
── でもそれも元を辿ればTaniさん自身やっていたことでもありますし、お父さんの遺伝子なのかもしれないし。そういうのもちゃんと今のTani Yuukiの表現に混ざり合っていって、Taniさんの今まで出していなかった部分も出していけるようになってきているというのはいいですよね。
Tani:ちょっとワクワクしてますね、今はやっぱり。
── お客さんとのコミュニケーションもホールだとライブハウスとは違いそうですね。
Tani:お客さんとの会話ってどんな感じになるんだろうなって思うところはあったりとしますね。でも椅子席で家族連れもたぶん増えると思うので、より一層お客さんの世代が広がるんじゃないかなとは思っています。それを思うと子どもたちが聴いてどう思うかとか、いろいろ考えなきゃですよね。
── でも、まさに老若男女、お父さんお母さんの世代から小さな子どもまでがTaniさんの曲を聴いてそれぞれにいろんな感情を持ってくれるって、冷静に考えるとすごいことですよね。
Tani:はい。前回のZeppツアーのときに、最前のセンターにおばあちゃんがいたんですよ。それがもうすでにすごいんですけど、その隣に息子さんがいて、さらにその隣に高校生ぐらいの女性の方がいて、お孫さんだったんですよ。だから3世代で観にきてくださって。そういう光景を目の当たりにしたので、世代を超えてみたいな人たちがさらに増えると思うとなんか感慨深いですよね。
── あまりないじゃないですか、Zeppのスタンディングのライブにおばあちゃんと息子と孫っていう組み合わせで行くって。すごく稀有なことだと思うんですけど、Tani Yuukiの音楽にはなぜそれが可能なんだと思いますか?
Tani:難しい質問ですね……でもきっとそのおばあちゃんも僕と同じ年齢を踏んで、同じような経験もをしてきたからなんじゃないかなとは思いますね。初めて聴いたのにどこか懐かしさを感じるって言われることが多くて、それがメロディなのか、歌詞なのか、コードの響きなのかはちょっとまだ僕にもわからないですけど、何十年生きている人たちがちょっと懐かしいと思える曲だったりするのかなって思ったりします。
── まさに「最後の魔法」も、誰も聴いたことのない音が鳴っているというようなものではなくて、歌詞でもサウンドでも、誰にでもどこかしらで人生とリンクするものを見つけることができる曲だと思いますし、そこがTani Yuukiの魅力なんだろうなと思います。
Tani:ありがとうございます。不思議ですね。なんか……それも魔法みたいですね(笑)。
取材・文:小川智宏
撮影:大橋祐希
◆ ◆ ◆
<Tani Yuuki Hall Tour 2023 “kotodama”>
17:00開場 / 18:00開演
■11/10(金) 福岡・福岡サンパレス
18:00開場 / 19:00開演
■11/23(祝木) 愛知・センチュリーホール
17:00開場 / 18:00開演
■12/1(金) 兵庫・神戸国際会館こくさいホール
18:00開場 / 19:00開演
■12/8(金) 宮城・仙台サンプラザホール
18:00開場 / 19:00開演
■12/13(水) 北海道・札幌カナモトホール
18:00開場 / 19:00開演
■12/22(金) 大阪・フェニーチェ堺
18:00開場 / 19:00開演
チケット料金(全席指定席)
指定席 : 6,600円(税込)
谷乃湯シート(FC席):9,800円 (税込)
※前方エリア / 入場時にピクチャーチケットとアクリル温泉鍵プレゼント
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