【ライブレポート】EXILE TAKAHIRO、「ここは誕生の地、僕の原点です」

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EXILE TAKAHIROが、9月21日に東京・日本武道館で<EXILE TAKAHIRO 武道館 LIVE 2023 "EXPLORE">を開催した。

◆ライブ写真

今年EXILE加入から17年を迎えるTAKAHIROにとって、日本武道館は思い出の地。2006年9月22日、「EXILE VOCAL BATTLE AUDITION 2006 〜ASIAN DREAM〜」の最終決戦が行われ、TAKAHIROのEXILE加入が決まったのがこの日本武道館だった。TAKAHIROが以前から「夢のステージ」と称してきた場所での、初単独ソロライブ。記念すべき一夜を、9000人のファンが見守った。


スモークが立ち込めるステージに、バンドメンバーが登場。噴き上がる炎と渦巻く歓声に迎えられ、TAKAHIROも姿を現した。1曲目は「EXPLORE」。10周年イヤーの集大成とも言える最新アルバム「EXPLORE」のタイトル曲であり、恐れることなく前進する魂を爆発させたロックチューンだ。「YOU are ROCK STAR」でさらに熱を帯びていくTAKAHIROのボーカル。全力のパフォーマンスで会場を魅了し、続く3曲目は「一緒に歌っていきましょう!」と呼びかけ「Choo Choo TRAIN」を披露。TAKAHIROは笑顔で歌うファンの姿を嬉しそうに見渡している。EXILE加入後初のシングル曲となった「Everything」、そして「Love Story」もファンと一緒に大合唱。バラエティに富んだ楽曲で前半5曲を一気に駆け抜けた。


最初のMCでは「帰ってきました、日本武道館! EXILE TAKAHIROです!や っとここまで辿り着きました! ここはEXILE TAKAHIRO誕生の地、僕の原点です」と会心の表情で挨拶。「昨日の夜は緊張と興奮で8時間くらいしか眠れなかったけど」と笑いを混じえながら、ここまで支えてくれたファンの皆さんへの感謝を伝えた。


バイオリンのソロから始まった「一千一秒」は、記念すべきソロデビューを飾った1曲。ハイチェアに腰掛け、丁寧に、そして言葉以上の想いを伝えるように歌い上げた。サックスの音色が切なさを際立たせた「Eternal Love」は、エモーショナルな歌声にどんどん引き込まれていく。ボーカリストというよりも、1人の人間として伝えたい思いが溢れているような熱っぽい歌声だ。


2回目のMCでは、17年前の明日がEXILEに加入した日であることに触れ、「1日前にこうして皆さんとライブをさせていただいて、新しい姿で明日を迎えよう!…と」とTAKAHIRO。また、EXILEの第一章が本当に大好きで、加入前はカラオケでもよく歌っていたということで、「ここからは僕の大好きなナンバーをお届けしたいと思います。感謝を込めて歌わせていただきます」と語って次のセクションへ。


「羽1/2」「THIS IS LOVE」「Lovers Again」などEXILEの楽曲を、美しい映像演出とともに届けた。「時の描片~トキノカケラ~」ではステージの左右に伸びる花道の先まで移動し、ファンのすぐそばで大きく手を振る場面も。サビの部分は会場がひとつになっての大合唱となり、幸せな空気に包まれた。「響 ~HIBIKI~」、「変わらないモノ」の2曲では、TAKAHIROの息づかいまでもが極上の音色となって世界観を作り上げる。夢の舞台、日本武道館のステージで、しかも一人きりで歌い上げるTAKAHIROの堂々たるボーカルに、客席からは熱く長い拍手が寄せられていた。

ライブ後半戦はZIGGYの名曲でありTAKAHIROもカバーしているポップなロックチューン「GLORIA」から。先ほどまでのボーカルスタイルとは一転、バンドのフロントマンとして一体感を楽しんでいるようなパフォーマンスが新鮮だ。「Irish Blue」の爽快感、ライブならではのグルーブも痛快。これまでたくさんのステージを共にしてきたバンドメンバーとの絆、信頼し合う気持ちが伝わってくるような2曲だった。


ここまでの選曲を振り返るMCでは、「「Beautiful」、やるとは思ってなかったでしょ?」と切り出し、「昔から大好きな曲なんです」とTAKAHIRO。しかもその曲が収録されているEXILEのアルバム『EXILE LOVE』が大好きで、いつかこのアルバムを引っ提げたツアーをやってみたいという夢を語る場面も。「あまり言うと大変なことになりそうだから」と笑っていたが、TAKAHIROならそれくらい思い切った夢も実現させてしまうのでは?と思えてしまう。ソロとして、またEXILEのボーカルとしてのキャリアがこの先どんな形で新しい楽しみを生み出していくのかがますます楽しみになるような、思いがけない話の展開だった。

ライブもいよいよ終盤。「Someday」、最新アルバム収録の人気ポップ曲「Happy Birthday」というアッパーなナンバーで会場を盛り上げ、本編は「またここ、日本武道館のステージに必ず戻ってきます。待っていてください!」という力強い言葉と共に、TAKAHIROからのメッセージ付きキャノンテープが降り注いだ「Unconditional」で幕を閉じた。


アンコールは、12月26日、東京・国際フォーラムでソロライブ<EXILE TAKAHIRO CHRISTMAS LIVE 2023 〜EXPLORE〜忘年会> の開催を知らせる映像からスタート。“TAKAHIROサンタが舞い降りる!”というフレーズにひときわ大きな歓声が沸き起こる中、TAKAHIROとバンドメンバーが登場。17年前も日本武道館で歌唱した、TAKAHIROにとってもファンにとっても思い入れの強い一曲「運命のヒト」「もっと強く」の2曲を心を込めて届けた。

最後のMCでは、まず先ほど解禁されたばかりのクリスマスライブについて触れ「また1日遅れではありますが(笑)、ファンの皆様への感謝の想いを込めて、クリスマスパーティー並びに忘年会のような感じで楽しんでいただければと思います」とTAKAHIRO。そして「日本武道館は僕にとって特別な場所。今回は皆さんに連れてきていただきました。次は僕がみなさんを連れてきます。僕なりの音楽を届けて、もっともっと喜んでいただければ、2デイズ3デイズとやっていけたらなと思っています」と胸を張り、笑顔を見せた。

最後の曲は、4月から行なっていた<EXILE TAKAHIRO LIVE TOUR "TAKAHIRO 道の駅 2023" ~Road to EXPLORE~>のオープニングとして大切に歌い続けてきた楽曲であり、EXILE ATSUSHIが作曲、清木場俊介が作詞した「Spotlight ~光の先へ~」。ソロ10周年イヤーでたどり着いたこの日本武道館から始まる新たな道のりを予感させる、感謝と決意が伝わってくるようなエンディングだった。


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